Twitter AMED理事長賞座談会


メインビジュアル

AMEDが設立されて6年目となる令和2年12月、第4回日本医療研究開発大賞の授賞式が首相官邸で行われました。AMED理事長賞を受賞された3名の先生にご研究内容や今後の展望についてお話いただきました。

三島理事長 このたびは受賞おめでとうございます。AMED理事長賞受賞者の3名の先生方は、素晴らしい研究を実施されています。それぞれ先生方のご専門や研究テーマなどをご紹介くださいますか。

ゲノム個別化医療の実現に向けて

岡田先生 私はゲノムデータの解析を専門にしております。研修医の頃に、ヒトにおける遺伝子変異の多様性のカタログが作られ始めました。それらを活用した新しいゲノム研究の時代が来ると思ったのが15年ほど前のことです。この先ゲノムデータがどんどん出ると思い、遺伝子のデータ解析の分野に進みました。当時、日本では解析について学べるところが少なかったのですが、いろいろなところで勉強をしました。今は数十万人規模のゲノムデータが日常的に扱われる時代になり、それらを用いて病気の原因遺伝子を見つけるだけでなく、個別化医療として個人のゲノム情報を個人に返して医療を最適化するために、どのような方法が必要かということが求められています。これについて、主に方法論の面から進めております。
例えば、日本人集団における微細な遺伝的背景について地域による違いを考慮しないと、ゲノム個別化医療はきちんとできませんよという話や、ゲノム解析の結果からバイオマーカーとなるノンコーディングRNAの「マイクロRNA」など、創薬標的を見つけるためのソフトウエアの開発などを進めております。

三島理事長 ゲノムをシーケンサーで読み取った後、どのような特徴の配列か、どのような変異があるかを詳細に調べるのですよね。受賞成果を拝見しますと、データを用いて解析し、日本人集団が飲酒や肥満、腎機能の面でどのような適応進化を遂げてきたのか、その背景を知ることができると知り、大変興味深いと思いました。

懇談中の岡田先生の写真

岡田先生 次世代シーケンサーを使うと、遺伝子変異の違いなど数十万人規模で分かる時代となりました。実際には現代人のゲノムを見ているのですが、何となく過去(祖先)に何が起きたのかも推察することができます。これは、ちょっと物理学に近い点もあるかもしれません。最近では、日本人がどんな形質(特徴)に最適化するように進化してきたのかなども分かるようになってきました。

三島理事長 同じ人で、例えば若いときからずっとゲノムを追跡していくような作業も必要なのでしょうか。例えば、その人が育っていくステージによってどのように変化していくかなども解析するのでしょうか。

岡田先生 ヒトの一生において、ゲノム自体はあまり変わらないと言われています。一方で、臨床情報や健康状態は変化しますので、満何歳における情報と生まれながらあまり変わらないゲノムの2つを参照することで、あなたにはこんなことが起きそうですよとか、こんな医療がいいですよという情報を提供していく時代になっていくのではと感じております。

三島理事長 AMEDも全ゲノム解析に取り組んでいるのですが、ゲノム情報は個人情報の最たるものなので、研究を行うにあたり、インフォームド・コンセントなど非常に気をつけなくてはいけないと思っていますが、いかがでしょうか。

岡田先生 ゲノム研究における倫理的な面について、インフォームド・コンセントをきちんと取って研究を行うための整備は進んでおります。一方で、ゲノム情報は世の中にたくさん出てきており、管理がすごく厳しいというよりは、世界的にも、ある程度のルールを設け、そのルールを守っていれば比較的に自由に使っていいという方向になりつつあります。

三島理事長 それはいいことですね。

岡田先生 ですから、この10年ぐらいで、ゲノム解析の結果をどう活用するかのハードルは、むしろ下がっているのではないかと思っております。

三島理事長 同じゲノムでも、日本人と、例えばアングロサクソンとか、そういう人種によっていろいろ違うものなのですか。

岡田先生 違います。もちろん遺伝子変異の組合せも違いますし、どのような遺伝的背景、病気になるかということもかなり違うようです。人種によってかかる病気の種類も違いますが、それは遺伝的背景が異なるためと考えられます。一方で、ある一つの遺伝子変異によって発症する病気は、多分世界のどこでも同じと考えられています。ようやく今、どの病気でどのくらい人種間の違いがあるのかも調べていくことが可能になったと感じております。

三島理事長 岡田先生は、研究をやっていて一番楽しいところはどういった点でしょうか。

岡田先生 私は新しい方法を作ったり試したりするのが結構好きでして、自分で最初に方法を作ると、世界で最初に自分が結果を見ることができます。それが面白く、解析に携わっている人の醍醐味だと思っています。同じ情報が与えられても、どんなものが引き出せるのかは、研究者の腕によって違います。なるべく人が引き出せないような情報に着目して、どう引き出してこられるかというのを楽しみに進めています。

三島理事長 なるほど、世界で最初に見ることができる。醍醐味ですよね。坂田先生はいかがですか。

がん治療の新しいコンセプト

坂田先生 私は内科医で、もともと医学研究者になりたいと思って医学部に入ったのですが、実際に臨床で研修を受けて、患者さんの体の中で起こっている疾患は私たちが学んでいることと全然違うということに魅せられまして、臨床医学の道に進みたいと思いました。研究したいというマインドもあって、学生のときから基礎の研究室(特に免疫学)で学ばせていただき、血液内科という血液がんの研究をする分野に進みました。今も血液内科の患者さんの治療をしながら、がんの患者さんの病態や治療の研究をしております。専門は悪性リンパ腫で、血液がんの中では一番多く、大体年間2万人ぐらいが発症する病気です。臨床医としてはさまざまなリンパ腫の患者さんを診ていますが、私の研究対象は「血管免疫芽球性T細胞リンパ腫」という希少がんです。

三島理事長 AMED理事長賞の受賞理由に記載されている血管免疫芽球性T細胞リンパ腫ですね。

坂田先生 三島理事長がお話されたゲノムの観点でいうと、年を取っていくにつれてゲノムの異常が蓄積してくる体細胞の変異、例えていうなら白髪とかしわに当たるようなものがゲノムの中に異常として蓄積され、さらにゲノムの異常が加わってがんになります。造血幹細胞という血液のもとの細胞にゲノムの異常が入ると考えられていますが、がんになるべくした異常が入ると「がん細胞」になり、逆にがんの環境になるべくした異常が加わって「がんの環境細胞」になります。こうした特徴について、がん細胞そのもののゲノム異常やがんの分子病態を解析し、自分たちの見つけた薬について医師主導治験を実施し、分子異常を基にトランスレーショナルリサーチにより標的治療に結びつけたいという思いがあります。一方で、環境細胞の変異は、実は希少がんだけではなく、おそらく固形がんでも同様で、環境の炎症細胞側にゲノムの異常が蓄積されたものと考えています。今までのがんゲノム医療ではがん細胞そのものを標的にしていたのに対し、環境も治療標的となるという新しいコンセプトのもと、研究に取り組んでいます。これまで取り組んできたT細胞リンパ腫だけでなく、さまざまながんでその概念を広げていきたいという点について、今回の受賞で評価いただいたのだと思っております。

三島理事長 がんの治療は、がんの(もとがある)組織そのものを診る、あるいはDNA(遺伝子)を見て、どう治療しようかと検討されるのだと思いますが、実際の現場でどのように役立っているのか具体的な例を教えてくださいますか。

懇談中の坂田先生の写真

坂田先生 がんの診断、予後予測、治療標的という3つを知りたいために、がんゲノム医療が推進されています。固形がんの場合、多くの方が取り組んでいらっしゃるのは治療標的を見つけることですが、血液がんの場合は私の専門領域の悪性リンパ腫でも種類が数十もあり、とても診断が難しく、さらに専門家が少ない状況です。
例えば自分の専門領域の患者さんだと、患者さんの様々な身体所見や検査所見からこのがんかなと考えますが、なかなか答えに至らないときもあります。そうした場合、RHOA遺伝子の変異について診療端末でぽちっとボタンを押すと検査部に検体が送られ、変異があるかどうかの結果が数日でわかりまして、それが診断の一助となります。希少がんを診た経験のない医師は割と多く、臨床現場で変異を調べることによりこの治療をしましょうと診断をつけることができます。
また、私の専門である血液領域では、造血幹細胞移植という治療を行うことがあります。この治療は、骨髄の中を空にするような超強力な抗がん剤や放射線を受けて、そこに自分の細胞あるいはほかの方の幹細胞を移植する方法です。この治療選択などにもゲノムの情報が役に立ちます。私の見つけた遺伝子(RHOA)は、診断に役に立っていますが、今後、さらに分子病態を研究し、新しく見つけた遺伝子変異をもとに診断だけでなく治療までたどり着くのが一つの夢です。

三島理事長 ありがとうございます。モイ先生は、感染症がご専門ですよね。

アジアの感染症を研究

モイ先生 私はマレーシア出身で、熱帯病やウイルス感染症を専門としています。今は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の研究もしています。以前、マレーシアでデング熱に罹ったことをきっかけに、国立感染症研究所で研究の仕事をするようになりました。現在は、デング熱についてどうして流行するのか、どうやって治療するのか、どうやって予防するのかといったことを研究しています。私は基本的にアジアのどこへでも行くのですが、主にベトナム、ミャンマー、フィリピン、マレーシア、中国などを中心に疫学調査を行っています。AMED理事長賞を受賞した研究では、デング熱やジカ熱が、いつから、どこから、どうして消えたのかといったことを推測しつつ、ベトナムやWHOと協力して、ベトナムでの初めての小頭症例を報告し、そこから実はジカ熱が既に流行していたということを明らかにしました。さらに、この感染症(ジカ熱)は、調査開始以前の2014年、2016年にもベトナムで流行していたことが判明しました。これも私たちの疫学調査の成果の一つです。
また、COVID-19についても同様に、本当に新興感染症なのかそれとも再興感染症なのかといったことをアジア各地のフィールドを活用し、検体をさかのぼって調査しているところです。その一方で、抗体は感染症防御に関わっているので、それをベースにして抗体医薬品の開発にも取り組んでいます。

三島理事長 ところで、長崎大学はベトナムに研究拠点を持っていますよね。

モイ先生 私はCOVID-19が流行する前、年間3分の1ぐらいは海外に行って研究をしていましたが、今年(2020年)は4月以降ベトナムに行っていません。ベトナムにいる先生方はずっとベトナムに滞在しており、COVID-19の患者検体を日本に送っています。ベトナムから送ってもらった検体を用いて抗体検査やB細胞抽出などを行い、ベトナムでCOVID-19患者があまり発生していない背景にヒトの抗体や免疫も関係しているのではという観点から研究を進めています。また、ヨーロッパとアジアの比較検討も行っています。

三島理事長 モイ先生は、将来的にこれをやっていきたいなどありますか。

モイ先生 一つの夢として、アジア各地からの検体バンクをつくって、その中でウイルスとヒトのゲノム解析、抗体やT細胞の総合的な解析を行っていきたいと思っています。現段階でベトナムだけでも1,000検体以上収集しておりまして、毎年のようにコホートを立ち上げて検体の収集を行っております。現段階で私たちができる解析と、いろいろな先生方との協力で、もっと大規模な解析に取り組みたいと思っているのです。

異なる環境での経験を持つこと

三島理事長 3人とも違う分野だとは思いますが、いわゆる業績として論文などを書くときは、どこへ投稿するのでしょうか。

岡田先生 取りあえず上からトライです。大体お断りされますけれども、気にせず取りあえず上からトライ。ものにもよりますけれども、上のほうから行って。大量に「とても残念ながら」という全然残念そうではないメールをたくさん持っています。

三島理事長 論文の数は、コロナに関して言うと、アメリカ、中国がものすごく多いと聞きます。日本はどうなのかという議論になると、若い研究者がじっくりと研究する時間が足りないのではと言われていたりします。さまざまな支援策が必要といわれていますが、いかがでしょうか。

岡田先生の写真

岡田先生 私は海外に行く若い人が減ったことが影響している気がしています。ゲノムの分野は、いろいろな国と共同研究を行うことが多いのですけれども、成果を出す上では、留学で得られた人間関係などがとても大事だと思っています。でも、なぜ海外に行かないのかと聞くと…、難しいですね。行かなくて研究ができるようになってしまったとか、行ってしまうと逆にポストがないということもある。あと、海外向けの奨学金が少ないですね。海外に行くのは、今はそれなりに国でプッシュしないと人が行かないと思うので、そこを厚くしてあげて、どんどん行って、どんどん帰ってきてというサイクルができると、多分論文は増えるのではないかなと思います。

三島理事長 確かに海外に行かないというのはありますね。自分のラボに世界一の装置があるから海外に行かなくてもいいというケースも聞きますが、実はそんなこともないですよね。

岡田先生 そうなのです。設備は重要かもしれませんが、留学先で人脈を広げたり、研究に対する考え方、科学とサイエンスの違いみたいな、野球とベースボールの違いみたいな感覚を知ることが大事だと思います。サイエンスに関しては、向こうのほうが歴史が長いですから。

三島理事長 今の話はいい言い方ですね。ベースボールと野球。

岡田先生 海外は同じようなことをやっているようで、実は少し違うルールで動いているものがある。それを学んで、その中に入って帰ってくるということは、短期的な数字で書けない何かもっと大きなものがあるのではないかと私は思っております。

三島理事長 私はエンジニアリングの分野にずっといましたが、若い人を海外に行かせるプログラムを作っても、なかなか手が挙がらないのを見てきました。だから、私がAMEDに来て一番驚いたのが、海外の国と協力して研究を進める形の事業に手が挙がること。日本の研究者がアジアの3か国ぐらいの若い人と組んでプロポーザルが出てきます。医療のほうは若い人がずいぶん元気だなと思っていたのですよね。

坂田先生 医療のほうでも、臨床医が研究もするいわゆるclinician scientist (臨床医科学者)であり続けるというのは難しくなりつつあります。今は医師として専門医の資格を取得するためのステップが明確になっています。さらに、安全安心な医療も同時に提供しなければいけません。その一方で、臨床的なアイデアをきちんと持った人が海外でも国内でも臨床や研究の両方をしっかりやる期間(あるいは時間)を設けてあげるとよいと思います。患者さんをたくさん診ながら、アイデアを持って研究ができて、さらにアイデアが出てきて研究ができてというサイクルが理想ですね。

三島理事長 そのような仕組みを作るのはAMEDの役目かもしれませんね。

坂田先生 いわゆるリサーチレジデントとして人材が自由に動ける仕組みがあればいいと思います。例えば、研究費申請のときにちょうどいい人がいればいいのですが、そうでない場合に途中でもほかのところからこちらに移りたいと言ってくれたら、その人を受け入れるといった仕組みです。

モチベーション:研究の楽しさを実感すること、伝えること

モイ先生 中国で実感しましたが、中国の若者はとてもやる気があります。彼らはいろいろなことに対してチャレンジし、駄目であってもやってみるという姿勢で、研究に対してもものすごく積極的。論文も積極的に書きますね。一方、日本の若者は少しゆっくりしている印象で、もっとスピード感を持ってトライすることが大事かなと感じます。

三島理事長 モチベーションはどうですか。中国のほうが高い?

モイ先生 モチベーションも、中国のほうが高いです。たとえ英語が下手でも書きたいという気持ちがものすごくあるのです。日本の学生は、もちろん研究をしたい気持ちがあって大学院に入るのでしょうがやや控え目なところがあるように思います。なので、岡田先生がおっしゃった通り、もっと海外の方と接触する機会を増やすようにしたほうがいいかもしれません。

三島理事長 私も、学生さんがどこまでやればいいのかみたいなことだけを考えているように感じたことがありました。もう十分論文も書けるのだけれども、もっとというのがなくて、何となく最後は無難な職業に就けばいいやとなる人もいるようで。全員が全員モチベーションを持っていることはあり得ないのだけれども、元気な人たちがもっと増えるといいと思っています。

岡田先生 大事なのは、研究の楽しさを伝えることだと思いますね。若い人が、研究に進むには、いろいろあるけれども楽しいんだよというのが伝わらないと若い人は来ないと思うのです。グーグルに行ったほうが大きいデータがあるわけです。お給料もいいし。何でこちらでデータ解析をしなければいけないかというと、研究の楽しさがなければ絶対条件では負けてしまう。でも、これは口で言って伝わるものではないので、なかなか難しいところです。

三島理事長 言葉で言ったって楽しさは分からないわけだからね、実感しないと。昔は、すごく優秀な先生についたらとても魅力を感じたという経験があって、今の自分があるのはあの先生のおかげだというのをよく聞きましたが、いかがですか。

坂田先生 私たちの世代でも、まだ、あのときの一言が大事であったというようなことはありますね。最近は逆の立場になって、若い人に会ったとき私の方からどういう一言を投げかけていったらいいのか、サイエンスだけではなく社会科学など人文の方ともコラボしながら、楽しさを伝えるにはどうしたらいいかという研究も、次の世代にやっていかないといけないのかと思ったりします。若い人に研究に参画してもらうことは、研究の活力を上げるためには本当に大事ですから。

岡田先生 ラボに優秀な人にどれだけ来てもらえるかで決まるところがありますからね。

三島理事長 人材の好循環を作っていくことが必要ですね。恐れずに何かにチャレンジして、若い間は挑戦して、失敗したっていい。若いときだったら失敗じゃないんだという話もよくあって、そのように考えてくれる人が増えるといいと思います。

岡田先生 研究の世界はどこまでも広がっているところがあるのです。海外に行くのもそうですし、これをやって駄目ということは普通はないですから。若くてもトライすればどんどん広がっていくし、世界にはこんなすごい人たちがいるんだよというのを知って、こんなすごい人がいるのなら僕も頑張ろうといった、そういう広がりを感じてほしいですね。私のラボでは、若い人には必ず海外に行ってもらう、ずっとラボにいてもらうというのはしないと明言しています。そして海外に行ったら、一人前になって独立してくださいというスタンスを取っています。

三島理事長 中国や韓国をはじめとするアジアの大学でも海外に行って力をつけて戻ってくると聞きますね。実力もつくし、語学も堪能になるし。

岡田先生 留学していたとき、ゲノムデータ解析の分野には、日本人は海外にも本当にいなくて、全然見つからなかったのです。中国、韓国、あとはインドの方が多い状況でした。この国の人たちはIT系に強い。日本人も強いはずなのに。当時日本人の研究者が全然いなかったことは、この先の10年、20年に影響してくると思っています。だから、研究者の数を増やしていかないと遅れてしまうという危機感を持っています。

三島理事長 私もこれから、皆さんのような優秀な先生たちといろいろ話して、どうやったら次の世代が続くのかということを真剣に考えないといけないと思っています。

モイ先生 今の若者は危機感がちょっと少ないように思います。感染症であれ、何であれ、何かに対しての危機感を持ち、もうちょっと頑張ってほしい。

坂田先生 研究の仲間という観点では、岡田先生とは分野はそこそこ近いのに、今まで全然出会ってこなかったですね。このような機会をいただいて、こんな素晴らしい方がいるのかと思っています。

岡田先生 いえ、そんなことはないです。

坂田先生 モイ先生も本当にアクティブにされていて、私は短期でしか海外にいけなかったのです。年の3分の1も海外で過ごしてご活躍されており、すごいなと思いました。だから、こういうコミュニケーションもすごく大事なのかなと思います。

岡田先生 お互い分野が近いようで、医学系の学会は結構細分化されているからか、知り合いになりそうでならないところがありますね。

坂田先生 岡田先生の研究は、生まれつきのゲノムが中心で、私の研究では体細胞や加齢、がんを対象にしている。実際にはすごく近くて、今後コラボレーションをさせていただければと思います。モイ先生ともCOVID-19などコラボレーションできたらと思います。

モイ先生 今、東南アジアの血液バンクを準備しています。

岡田先生 すばらしい。

坂田先生 私たち血液内科医もスーパーコンピューターを使わせてもらって、岡田先生のような方が作られてきたパイプラインで、ゲノムやシングルセルなどの情報について大規模データ解析にチャレンジしています。今後、ぜひそういうコラボレーションや勉強をさせてもらえればと図々しく思っています。今回、AMED理事長賞を受賞し、実際に岡田先生やモイ先生に会うことができました。本当にいい機会となり、大変ありがたく思っております。

岡田先生 私も賞をいただいて、ありがたいところでございます。

三島理事長 皆さん、研究を話す姿がとても楽しそうで、面白いと思ってらっしゃるのが分かりました。今後の活躍がますます楽しみです。いろいろとお話を聞かせていただき、ありがとうございました。私も楽しかったです。

(取材時、新型コロナ感染症対策のため、マスクを着用して発言しました。)

内容

  • 岡田先生 画像をクリックする拡大します
  • 坂田先生 画像をクリックする拡大します
  • モイ先生 画像をクリックする拡大します

最終更新日 令和3年5月18日