トピックス AMEDが支援した国内開発新型コロナウイルスワクチンが初めて実際にワクチン接種できるようになります

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成果のポイント

  • AMED事業の成果で初の国産ワクチン誕生へ
  • 本ワクチンは新型コロナウイルスのスパイクタンパク質の中でも特に感染に関与する受容体結合領域(RBD)を標的
  • 超低温での保管・流通が不要であり、医療現場での利便性の向上が期待

概要

AMEDのワクチン開発推進事業において支援している第一三共株式会社のオミクロン株XBB.1.5対応1mRNAワクチン「ダイチロナ(R)筋注」(DS-5670、以下「本剤」)が、本日20231128日、追加免疫における製造販売承認事項一部変更承認を取得しました。

本剤は今年9月に、日本における一部変更承認申請を行っていました。AMEDのワクチン開発推進事業では、新型コロナウイルス感染症を克服するために、新型コロナウイルス感染症対策に有効なワクチンの実用化を達成することを目標として様々なモダリティのワクチンの支援を進めてきており、第一三共株式会社に対しては、令和29月から起源株1価mRNAワクチンの開発から支援を行ってきました。

本剤は新型コロナウイルスのスパイクタンパク質の中でも特に感染に関与する受容体結合領域(RBD)を標的としています。超低温での保管・流通が不要であり、冷蔵保存(28℃)が可能であるため、医療現場での利便性の向上が期待されます。また、本剤は、厚生労働省との間で、2023年度中に140万回分を供給することに合意しており、国産のワクチンが初めて実際の接種で使えるようになります。

12月上旬にも医療機関への配送が始まり、近々、本剤を使用したワクチン接種が開始される見込みです。

AMED三島理事長からのメッセージ

我々は、新型コロナウイルス感染症に対する有効で安全な国産ワクチンをいち早く国民の皆様にお届けするべく、令和2年度から新型コロナワクチンの実用化に向けた研究開発を産学官共同により推進してきました。日本国内では、モデルナ社やファイザー社などの海外製のワクチンを用いたワクチン接種が先に進められている状況のなか、多くの研究者や関係者の方々の努力が実り、ようやく国産のワクチンが初めて実際に接種されるようになることを、大変嬉しく思います。

引き続き、我々は、感染症有事にいち早く、安全で有効な、国際的に貢献できるワクチンを国内外に届けるため、研究開発支援に取り組んでまいります。

掲載日 令和5年11月29日

最終更新日 令和5年11月29日