分野別紹介 再生・細胞医療・遺伝子治療プロジェクト
概要
再生医療をはじめとする再生・細胞医療・遺伝子治療分野から、新たな医療技術になり得る革新的なシーズの発掘・育成、将来的な実用化を見据えた基礎的・基盤的な研究開発の強化、新たな医療技術の臨床研究・臨床試験の推進、これらの医療技術の製品化に向けた研究開発、細胞・ベクターの製造基盤強化、我が国発の基盤技術開発及びCDMOへのノウハウ蓄積、若手研究者を含む人材育成、新規市場開拓を目指した取組等を進め、有効な技術を実用化につなげる。そのため、再生・細胞医療と遺伝子治療を一体的に取り組む融合研究の推進や臨床研究拠点の整備を進めるとともに、革新的な研究開発・基盤整備を進める。
事業一覧
事業名 | 概要 |
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再生・細胞医療・遺伝子治療実現加速化プログラム | 次世代医療につながる画期的なシーズの創出や臨床応用・企業への導出促進、「再生・細胞医療」および「遺伝子治療」の更なる融合研究の推進、本分野の研究開発及び基盤整備の推進並びに実用化に向けた支援を行うとともに、疾患発症機構の解明、創薬研究等を実施します。 |
再生医療等実用化研究事業 | 倫理性及び科学性が十分に担保された質の高い再生医療の臨床研究や医師主導治験の実施や、移植細胞の品質・安全性評価基準の策定に向けた研究課題など、再生医療における研究開発から実用化までの施策を総合的に推進します。 |
再生医療等実用化基盤整備促進事業 | 再生医療の知識・経験を有する大学、医療機関等が連携して以下を実施して、再生医療等の実用化を推進します。「臨床研究等の円滑化へ向けた支援」、「必要な人材の育成」、「再生医療等の研究の効率化、標準化等」、「再生医療等の国際展開の強化」、「再生医療等の安全性・有効性に関する科学的評価体制の構築」 |
再生医療・遺伝子治療の産業化に向けた基盤技術開発事業 (QbDに基づく再生医療等製品製造の基盤開発事業) |
再生医療等製品の製造に関わるステークホルダーがコンソーシアムを形成し、QbDの考えに基づく製造の実現可能性と具体的アプローチ方法を提示し、様々な再生医療等製品への水平展開可能性を示すとともに、規制や国際化にも対応した国内産業基盤の確立を目指します。 |
再生医療・遺伝子治療の産業化に向けた基盤技術開発事業 (再生・細胞医療・遺伝子治療産業化促進事業) |
本事業では、再生・細胞医療・遺伝子治療における再生医療等製品の産業化促進を目的とし、開発の主体となる企業(ベンチャー等を含む。)に対して、企業治験に進むために求められる薬事規制に沿った非臨床試験や品質確立、製造方法の確立等に必要な研究開発を支援します。 |
再生医療・遺伝子治療の産業化に向けた基盤技術開発事業 (再生医療技術を応用した高度な創薬支援ツール技術開発) |
iPS細胞等からの分化誘導やオルガノイド等の再生医療技術を応用して、生体模倣システム(Microphysiological System, MPS)により安全性・有効性・薬物動態等を評価する創薬支援ツールを開発し、MPSの実用化・社会実装を目指します。 |
革新的がん医療実用化研究事業 | 研究成果を確実に医療現場に届けるため、応用領域後半から臨床領域にて、革新的な診断・治療等、がん医療の実用化を目指した研究を強力に推進します。 |
難治性疾患実用化研究事業 | 「発病の機構が明らかでない」、「治療方法が確立していない」、「希少な疾病である」、「長期の療養を必要とする」の4要素を満たす難病に対して、病因・病態の解明、画期的な診断・治療法の開発を推進します。 |
再生医療・遺伝子治療の産業化に向けた基盤技術開発事業 (遺伝子治療開発加速化研究事業) |
近年開発が進む国産の製造技術開発を加速化し、in vivo、ex vivo遺伝子治療の両方において、商用化および国内外への展開を前提に、安全性、有効性等の品質保持だけでなく、適切なコストも勘案した上で、国産ウイルスベクター産生細胞、遺伝子編集技術等を用いた新たな製造技術を確立し、安全で有効な遺伝子治療・細胞療法の普及・産業化を目指します。そのために、遺伝子治療・細胞療法の製造技術開発を行う者、品質分析を行う者、創薬シーズの臨床試験を行う者が統一した設計に基づいた水平分業・連携を行い、高い生産性で、切れ目なく製造技術開発を行う製造環境を整備します。加えて、遺伝子治療にかかる製造技術開発・評価等の製造プラットフォーム開発を実行する人材の育成にも平行して取り組みます。 |
再生医療研究事業のマネジメントに関するチェック項目について
概要
医薬品の分野においては、「研究マネジメントに関してのチェック項目(医薬品)」が作成され、平成30年度から、採択予定の研究課題を対象にチェック項目の確認がパイロット的に実施されています。これを受け、再生医療等の分野においても、適切な時点(ステージゲート)において、それまでの進捗状況等にかかる評価(Go/no-go判断)を個別に行うことで、AMEDの研究開発支援の成果を一層高めるとともに、研究費の効果的な配分・使用に資することを目的として、チェック項目を作成しました。
チェック項目は、以下の二つの要素から構成され、各項目は、それぞれのステージゲートまでに達成しておくべき必要最低限の要求事項を整理したものとなります。
①ターゲット又はシーズそのものの評価等に関すること
②研究環境等(例えば、知的財産や研究体制等の検討状況や今後の見込み等)に関すること
なお、個別の研究開発課題において検討した際に、チェック項目を満たさない場合であっても、次のステージに進むことが可能な合理的な理由を説明することで次のステージに進むことができるものとします。
ステージゲートは、次の図に示すステージゲート①(非臨床安全性試験開始前時点)とステージゲート②(臨床第Ⅰ相開始前時点)の2時点を設定しています。
再生医療研究において、有望なシーズが見つかった際には、まずステージゲート①のチェック項目を確認することで、臨床に移行するために必要な準備項目がわかるようになっています。
また、実際に臨床試験・治験フェーズに入ろうとする研究については、ステージゲート②のチェック項目を確認することで、臨床に移行する準備が整っているかを確認できるようになっています。

チェック項目の対象
AMEDで公募する課題のうち、多能性幹細胞(iPS/ES細胞)、体性幹細胞又は遺伝子改変細胞を用いた再生医療等の実用化にかかる研究開発課題が対象となります。
運用について
運用例として、非臨床安全性試験を実施するための研究課題と臨床試験・治験を実施するための研究課題において想定される研究開発提案書の雛形案を提示します。
非臨床安全性試験を実施するための研究課題を評価する際には、ステージゲート①のチェック項目がどれくらい満たされているかを評価する必要がありますので、当該情報が研究開発提案書から得られるように工夫しています。
- ステージゲート①用雛形の例(黄色マーカー部分と別添2がチェック項目に関連する部分です。)
臨床試験・治験を実施するための研究課題を評価する際には、ステージゲート②のチェック項目がどれくらい満たされているかを評価する必要がありますので、当該情報が研究開発提案書から得られるように工夫しています。
- ステージゲート②用雛形の例(黄色マーカー部分と別添3、4がチェック項目に関連する部分です。)
参考情報
チェック項目を満たすために必要な方策等がご不明な場合には、再生医療等実用化基盤整備促進事業にて支援している「再生医療ナショナルコンソーシアム」をご活用いただくことも可能です。以下URLから「再生医療ナショナルコンソーシアム」で行っている支援内容をご覧いただけます。
問い合わせ先
「再生医療ナショナルコンソーシアム」臨床研究技術支援担当
E-Mail:crs"AT"jsrm.jp
※E-mailは上記アドレス”AT”の部分を@に変えてください。
最終更新日 令和7年4月10日