国際企画課 ヒューマン・フロンティア・サイエンス・プログラム(HFSP)
更新履歴
令和6年9月12日 お問い合わせ先を変更しました。
令和6年8月23日 アクセラレーターグラントの募集案内を追加しました。
令和6年5月27日 2024年4月に実施した説明会動画へのリンクを追加しました。
令和6年4月24日 応募に関する情報「ポスドク・フェローシップ」を更新しました。
2024年度 HFSP中曽根賞受賞者情報を更新しました。
令和6年4月15日 関連リンクの「HFSPパンフレット」を最新版(2024年2月版)に差し替えました。
基本情報
分野 | シーズ開発・研究基盤プロジェクト,健康・医療戦略の推進に必要となる研究開発 |
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開発フェーズ | 基礎的 |
概要
1987年のヴェネチア・サミットにおいて、中曽根康弘首相(当時)が提唱した国際プロジェクトです。生体が持つ複雑なメカニズムを対象とする野心的な最先端の研究を推進し、またその成果を広く人類全体の利益に供することを目的としています。1989年に、この事業の実施のため、フランス・ストラスブールに国際ヒューマン・フロンティア・サイエンス・プログラム機構(HFSPO)が設置されました。1990年以降、主として研究グラント事業を通じて、世界の科学者の国境を越えた革新的な協同研究への支援を行ってきました。また、若手研究者に対し、国際的な研究の機会をもたらすフェローシップ事業や年に一度HFSP関係者が一堂に会する受賞者会合などの事業を行っています。
AMEDは、日本におけるヒューマン・フロンティア・サイエンス・プログラム(HFSP)の広報活動を行っておりますが、プログラムの運営は国際ヒューマン・フロンティア・サイエンス・プログラム機構(HFSPO)が行っておりますので、プログラムの詳細、応募要領等のご質問は国際ヒューマン・フロンティア・サイエンス・プログラム機構(HFSPO)にお問い合わせいただきますよう、お願いいたします。
プログラムの基本方針
HFSPは生体の精妙かつ複雑なメカニズムに焦点を当てた革新的、学際的、かつ新奇性を備えた基礎研究を支援します。研究対象としては、細胞構造における詳細な分子状態から、神経システム科学における複雑な相互作用にまで及びます。特に、ライフサイエンス以外の分野(物理学、数学、化学、情報科学、工学等)の科学者達の専門知識を活用した、独創的な最先端の、異なる大陸をまたいだ国際共同研究に大きな重点を置いています。
研究対象領域
生体の精妙かつ複雑なメカニズムに焦点を当てた革新的、学際的かつ新奇性を備えた基礎研究(分子・細胞レベルから、認知機能を含むあらゆる生物学的システムのレベルを含む)であって、ライフサイエンス以外の分野の専門知識を活用した分野横断・国際共同研究を重点的に支援。
実施内容
HFSPでは、若手研究者に対しての特段の配慮に基づき、国際的協力による、独創的、野心的かつ学際的な研究に対し、適応性に優れた支援を提供しています。
研究グラント Research Grants
国際共同研究チームへの研究費の助成
異なる専門知識を組み合わせた革新的アプローチによって、単一の研究室では解明することのできなかった基礎生物学上の問題に取り組むことを目指す科学者の国際共同研究に対して助成されます。特に、生物科学の問題に焦点を当て、異なる研究分野(例えば化学、物理学、コンピューターサイエンス、工学など)の研究者を組み合わせた新たな共同研究に重点を置きます。新たな、価値あるアイデアや革新的なアプローチを促進するため、予備的なデータは必ずしも応募に必要ではありません。
プログラムグラント Research Grants-Program
2カ国以上の独立した研究者、合計2~4名からなる国際的共同研究チームを対象とします。研究者のキャリア段階は問いません。
若手研究者グラント Research Grants-Early Career
上記プログラムグラントと同様のチーム構成で、かつメンバー全員が5年以内に独立した研究者、かつ博士号取得後10年以内の研究者から成るチームが対象です。
対象 | 助成期間 | 支給金額(チーム合計) |
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2ヶ国以上の研究者、原則として1ヶ国1名、合計2~4名からなる国際共同研究チームを対象とします。ただし、研究代表者はHFSPの加盟国の研究者に限られます。 | 3年 | 900千ドル(2名チーム)~1,500千ドル(4名チーム) (3年間最大) |
ポスドク・フェローシップ Postdoctoral Fellowships
HFSP Postdoctoral Fellowships は若手研究者が海外で新たな研究分野に挑戦することを支援します。
長期フェローシップ Long-Term Fellowships(LTF)
生命科学分野で博士号を取得し、海外の優れた研究室で、博士課程とは異なる研究領域を対象とした幅広い経験を積みたいと考えている研究者を支援します。
学際的フェローシップ Cross-Disciplinary Fellowships(CDF)
生命科学分野で研究を行うことを希望する、ライフサイエンス以外の分野の研究者(博士号保持)を支援します。応募条件は長期フェローシップと同様です。
応募資格(日本人の場合) | 助成期間 | 支給金額 |
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3年※1 | 生活手当18万ドル(3年間合計)+研究費7.2千ドル(年額)※2 (米国に滞在する場合) |
※1 3年目(最終年)には出身国へ帰るか、引き続き、受入れ先で研究を続けるかを選択できます。また、3年目は最大1年先まで延期可能です。さらに育児休暇(手当付)のサポートもあります。
※2 上記支給額に加え、育児手当6千ドル/年(一人あたり)、引越費2.5千ドルの支給があります。なお、支給額は受入機関が所在する国によって異なります。
アクセラレーターグラント
HFSPの共通価値観(HFSP Shared Value)である、多様性、公平性及び包摂性(diversity, equity, and inclusion)を強化するため、2024年6月よりHFSP アクセラレーターグラントが新たに導入されました。アクセラレーターグラントに応募できるのは、新たに研究グラント(プログラムグラント、及び若手研究者グラント)を受賞したチームの代表研究者(Principal Investigator: PI)であり、特定のHFSPOメンバー国※1の研究者1名をアクセラレーターチームメンバーとして追加することにより、グラントを受賞した研究計画を進化・補完させることができます。アクセラレーターチームメンバーはプロジェクトの2年目から参加することになり、新規参加者1名分の年間100千ドルのグラントが追加授与されます。
※1 特定のHFSPOメンバー国:インド、日本、ニュージーランド、ノルウェー、韓国、シンガポール、南アフリカ
受賞者会合 Awardees Meeting
受賞者会合は、HFSPのグラント、ポスドク・フェローシップを一定の年度に受けた研究者が一同に会し、講演、ポスターセッション等を行う会合です(年1回開催)。受賞者会合は、各国受賞者の情報・意見交換の場として評判が高く、年々参加者数が増加する傾向にあります。
HFSP 中曽根賞 HFSP Nakasone Award
生物学にとってブレイクスルーとなる顕著な研究成果を上げた研究者を称えるHFSP中曽根賞(HFSP Nakasone Award)が、HFSP創設20周年を記念して2009年に創設されました。この賞は、HFSP受賞者だけではなく、あらゆる研究者を受賞候補としています。毎年のHFSP中曽根賞の受賞者には、その年の受賞者会合(Awardees Meeting)の場において、賞の授与(賞状及び記念メダル)を行い、受賞した研究内容について記念講演を行っていただいています。
応募に関する情報
応募方法
ガイドライン(応募要領)及びアプリケーション・フォーム(申請書)は、国際HFSP機構(HFSPO)のホームページで入手することができます。応募はオンライン申請でのみ受け付けています。なお、採択審査・助成金の支給はHFSPOが行います。
研究グラント
HFSP研究グラント(2025年採択)のLoI応募締切は2024年3月28日です。(事前にオンラインでの申請者登録を2024年3月19日までに行う必要があります。)
詳細は下記「申請の手引き 研究グラント Research Grants」をご確認ください。
【HFSP研究グラント(2025年採択)の応募は既に締め切られております。】
ポスドク・フェローシップ
HFSPポスドク・フェローシップ(2025年採択)の応募締切は2024年5月14日です。(事前にオンラインでの申請者登録の必要があります。)
詳細は下記「申請の手引き ポスドク・フェローシップ Postdoctoral Fellowships」をご確認ください。
【HFSPポスドク・フェローシップ(2025年採択)の応募は既に締め切られております。】
- 令和6年4月4日にオンライン開催した「2025年 Human Frontier Science Program (HFSP) オンライン募集情報説明会」のYouTube動画を下記で公開中です。
HFSPポスドク・フェローシップ募集情報説明会 - YouTube
アクセラレーターグラント
アクセラレーターグラント(2025年度)の応募は2024年度に研究グラントを受賞したチームの代表研究者(PI)が応募することができます。申請締め切りは2024年9月24日です。申請方法は、研究グラントチームの代表研究者(PI)あてに、HFSP研究グラント事務局よりアクセラレーターグラント応募の招待メールが発信されていますので、そのメールと、下記「申請の手引き アクセラレーターグラント Accelerator Grant」をご確認ください。
申請の手引き
研究グラント Research Grants
- 概要は2025年度 HFSP研究グラント募集のご案内
- より詳しい申請手続きはHFSP研究グラント・プログラムへの応募手続き
ポスドク・フェローシップ Postdoctoral Fellowships
- 概要は2025年度 HFSPポスドク・フェローシップ募集のご案内
- より詳しい申請手続きはHFSPポスドク・フェローシップ・プログラムへの応募手続き
アクセラレーターグラント Accelerator Grant
- 概要は2025年度 HFSPアクセラレーターグラント募集のご案内
- より詳しい申請手続きはHFSPアクセラレーターグラント・プログラムへの応募手続き
応募者向け情報
YouTube
- HFSP 研究グラント紹介
- HFSP AMED三島良直理事長&大阪大学難波啓一特任教授による応援メッセージ
- 2024年 HFSPポスドク・フェローシップ募集情報説明会
- 東京大学説明会 ヒューマン・フロンティア・サイエンス・プログラムから世界へ -HFSPOからの発信-(2023年5月16日)
- 第46回日本神経科学大会 神経科学のフロンティアは切り拓かれているか(2023年8月3日)
- 大阪大学説明会 ヒューマン・フロンティア・サイエンス・プログラムから世界へ HFSP Outreach and Engagement Meeting at Osaka University(2023年10月4日)
- 京都大学説明会 ヒューマン・フロンティア・サイエンス・プログラム(HFSP)から世界へ -HFSPOからの発信-(2023年10月5日)
- BioJapan2023 HFSPへのいざない(ヒューマン・フロンティア・サイエンス・プログラム)(2023年10月12日)
- 産業技術総合研究所 ヒューマン・フロンティア・サイエンス・プログラムへの誘い Invitation to Human Frontier Science Program(HFSP)(2024年1月26日)
- 2025年 HFSPポスドク・フェローシップ募集情報説明会
日本人受賞者一覧
HFSP研究グラント部長インタビュー「世界の研究者と手を携えてフロンティアに挑もう!」
2020年にHFSP研究グラントのディレクターに着任されたAlmut Kelber先生から、日本の研究者の皆様に、異分野の人との交流や共同研究に挑む楽しさなどを、あらためてお話しいただきました。同じくHFSP研究グラントで審査委員を務める下郡智美先生がインタビューされ、日本の研究者が応募過程からどれほど学べるのかを引き出し、励まして頂きました。ぜひご一読の上、応募に向けた一歩踏み出してください。
※雑誌『実験医学』とのコラボレーションによるスペシャルインタビュー企画です。
HFSP30周年記念スペシャルインタビュー
2019年のHFSP30周年記念し、かつてHFSPグラントを受賞されたフロントランナーの先生方に、基礎研究の“フロンティア”に挑戦すること、そのための研究費を獲得する戦略について、あらためてお語りいただきました。研究者の自己実現に役立つヒントが満載ですので、ぜひご一読ください。
※雑誌『実験医学』とのコラボレーションによるスペシャルインタビュー企画です。
HFSP受賞者インタビュー「いま考える、国際連携・異分野連携のチカラ」
HFSP研究グラントの受賞経験があり、研究者として存在感ある活動をされている先生方に、国際連携や異分野連携の意義についてお考えを伺いました。キャリア戦略のヒントが満載ですので、ぜひご一読ください。
HFSP受賞者インタビュー「異分野からの挑戦」
HFSPポスドク・フェローシップ受賞者の声
HFSPポスドク・フェローシップ受賞者から、これから応募を検討している若手研究者の方に向けてメッセージをいただいています。英語での申請書作成や、ホスト研究者とのコミュニケーションについて工夫した点など、是非参考にしてください。
トピックス
実施体制
本プログラムの実施主体である HFSPO(非営利機関)は、ストラスブール(フランス)に 1989年に設立されました。現在、オーストラリア、カナダ、フランス、ドイツ、インド、イスラエル、イタリア、 日本、韓国、ニュージーランド、ノルウェー、南アフリカ、シンガポール、スイス、英国、米国、EC(European Commission)の17国・極からの支援を得て運営しています。
HFSPは、日本政府の提唱によって創設されたプログラムです。他の運営支援国と共に、日本もプログラムへの財政支援を行っています。日本からは、文部科学省及び経済産業省が予算を計上し、日本医療研究開発機構(AMED)がプログラムの広報活動を行っています。
お問い合わせ先
プログラムの内容や応募に関するお問い合わせ(英語)
一般的なご質問 | +33 3 88 21 51 23 | info”AT”hfsp.org |
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研究グラント | +33 3 88 21 51 26 | grant”AT”hfsp.org |
ポスドク・フェローシップ | +33 3 88 21 51 27 | fellow”AT”hfsp.org |
AMEDはヒューマン・フロンティア・サイエンス・プログラムの運営には関与しておりませんので、応募資格、応募要領、受賞後の対応等のお問い合わせは、上記、国際ヒューマン・フロンティア・サイエンス・プログラム機構(HFSPO)に直接お問い合わせください。
国際戦略推進部 国際企画課
Tel:03-6870-2216
E-mail:amed-hfsp”AT”amed.go.jp
※Emailは上記アドレスの"AT"の部分を@に変えてください。
関連リンク
- HFSP パンフレット [2024年6月版]
- パンフレットの情報は掲載当時のものですので、最新情報とは異なる場合があります。 常にHFSPの公式ウェブサイトの公開情報(https://www.hfsp.org/)をご確認ください。
最終更新日 令和6年9月12日