AMEDについて 理事長挨拶

8つの統合プロジェクトのもとで、基礎から実用化まで一貫した医療分野の研究開発の推進に総力を注ぐ

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国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)は、国が定める「健康・医療戦略」の下、我が国における医療分野の研究開発とその環境整備の中核的な役割を担う資金配分機関(ファンディング・エージェンシー)として、2015年に設立されました。設立以降、一貫して、医療分野の研究開発関連予算を集約し、基礎から実用化まで切れ目ない研究開発支援を実施しています。

第3期中長期計画(対象期間:2025~2029年度)の下では、第2期中長期計画期間に確立したモダリティ(創薬手法や治療手段等)を軸とする仕組みをさらに発展させ、8つの統合プロジェクトにより推進します。また、疾患領域に関連した研究開発についても、引き続き、領域別に統合プロジェクトを横断する形で柔軟なマネジメントを行います。

医療研究開発を基礎から実用化まで一貫して推進し、絶え間なく創薬等シーズが創出されるよう、基礎研究を継続的・安定的に支援するとともに、出口志向を強化して成果の実用化を加速します。全ての統合プロジェクトに共通して、伴走支援の強化、医療DXやAI創薬の推進、国際展開に取り組みます。また、基礎研究・応用研究から臨床研究の各段階において、シーズを企業に導出することを含め、社会還元の視点をもって、各府省庁事業間をつなぐ支援の取組を整備し、体制強化にも取り組みます。研究への患者・市民参画など、医療研究開発における「社会共創」の取組も一層推進していきます。

感染症有事に備えた対応としては、統合プロジェクトに新たに感染症プロジェクトを立ち上げ、政府関係機関等との連携にも着手しています。2022年にAMED内に設置した先進的研究開発戦略センター(SCARDA)をはじめとする「ワクチン開発・生産体制強化戦略」に基づく取組を含め、ワクチン、診断薬・治療薬の開発体制の整備に取り組みます。

モダリティの多様化が急速に進むなか、分野横断的なアプローチによる創薬力の強化や国際競争力のある新規モダリティ開発の加速が求められています。国内外の様々な機関との連携を深めるとともに、情報収集・発信にも一層注力し、国際共同研究や人事交流を活性化することで、グローバルな視点でAMED全体の事業推進と成果の最大化を図りたいと思います。 患者さんや医療現場、研究者、産業界等のニーズを十分踏まえながら、世界最高水準の技術を用いた医療の提供、ひいては、健康長寿社会の形成に一層貢献できるよう取り組んでまいります。

2025年4月吉日
日本医療研究開発機構
理事長

最終更新日 令和7年4月15日