AMEDについて 理事長のご挨拶

研究開発を強力に推進する触媒となり、医療イノベーション創出への道を拓く

産学官はもちろん、さまざまな情報や人をつないで連携を進めながら研究開発を推進、加速し、成果をより大きいものとしていきます

国立研究開発法人 日本医療研究開発機構(AMED)が、医療分野の研究成果を一刻も早く実用化し、患者さんやご家族の元にお届けすることを目指す新たな組織として発足してから満3年が経過しました。設立時に定められた中長期計画の5年間も折り返し点を過ぎ、改めて気が引き締まる思いがいたします。

医療研究開発のスピードを加速するため、現在進行中の2,300件以上の研究開発課題を一元管理するデータベース「AMED研究開発マネジメントシステム(AMS)」を構築し、運用を開始しました。ファンディングの現状や課題の進捗状況を横断的に把握して、俯瞰的な分析を行い、マネジメントに役立てることを目指しています。今年6月には構築したAMSを皆さまにご利用いただけるように整備した「AMED研究開発課題データベース(AMEDfind)」を公開しました。

また医薬品の研究開発に関し、重要なステージゲートにおいてより適切な評価を行うための研究開発マネジメントチェック項目を作成し、公表しました。医薬品にとどまらず、医療機器、再生医療等製品などにも今後導入を進めていきます。

さらに平成30年度から一部の事業で、世界水準の研究に携わっている外国人研究者等(国際レビューア)に、公募の審査にご参加いただくことにしました「次世代治療・診断実現のための創薬基盤技術開発事業」や「革新的先端研究開発支援事業(AMED-CREST)」の新規領域ですでに実施しており、今後段階的に増やしていきます。

医療研究開発を進めるためには国内外からの多くの協力が欠かせません。AMEDは研究者が集めたさまざまな研究データや情報について、国内外の垣根を越えた共有(データシェアリング)の推進に積極的に取り組んでいます。平成27年度に始めた「未診断疾患イニシアチブ(IRUD)」では、国内430以上の協力病院の連携のもと、診断が付かない日本全国の患者さん約3,400家系を登録し、遺伝子解析とマッチング作業を行い、800名以上の患者さんに登録後、半年以内に診断をつけることができました。この中には希少難病のため国内には類似のデータがなく、外国の患者さんとの間でマッチングが成立したケースの6件も含まれています。数十年にわたり苛まれていた診断が付かない “diagnostic odyssey” を終わらせるために、国際的なデータシェアリングが大きな役割を果たしました。このようにIRUDではこれまでに教科書に記載のなかった14以上の新しい疾患を発見しています。IRUDで構築したデータシェアリングの仕組みは他の事業にも応用展開していきたいと考えています。

そして、平成28年度より開始した診療画像等データベース基盤構築研究では、学会の主導による診療画像等のデータベース構築を目指しています。4学会(日本医学放射線学会、日本消化器内視鏡学会、日本病理学会、日本眼科学会)のデータベースを基盤にしたプラットフォームの構築を推進し、複数の医療機関による情報共有やプロトコールの標準化を進めています。

また、平成28年度にスタートした「医療研究開発革新基盤創成事業(CiCLE)」は、産学官の連携による新たな医薬品開発や次世代型の医療イノベーションの基盤構築を目指し、10年間という長期にわたる研究開発により次世代を担う人材育成も推進します。本事業の第3回公募からベンチャー企業を対象にした「スタートアップ型(ViCLE)」を新設しています。

AMEDは、産学官はもちろん、さまざまな情報や人をつないで連携を進めながら研究開発を推進、加速し、成果をより大きいものとしていきます。AMEDが連携のための触媒として機能することで、たくさんの医療イノベーションが創出されることを期待してやみません。

平成30年吉日
日本医療研究開発機構  理事長 末松 誠

最終更新日 平成30年6月4日