拠点研究事業課 橋渡し研究プログラム

基本情報

分野 シーズ開発・研究基盤プロジェクト
開発フェーズ 基礎的,応用,非臨床研究・前臨床研究,臨床試験,治験
お問い合わせ先
シーズ開発・研究基盤事業部 拠点研究事業課 「橋渡し研究プログラム」
TEL: 03-6870-2229
FAX: 03-6870-2246
E-mail: rinsho-kakushin"at"amed.go.jp
備考:
※E-mailは上記アドレス"at"の部分を@に変えてください。
※件名に【橋渡し】と記載してください。

概要

健康・医療分野への国民の期待は高く、優れた基礎研究の成果を新しい医薬品・医療機器等の開発など、実用化に結びつけるための橋渡し研究の重要性が増しています。文部科学省では平成19年度より3期※1に渡り、橋渡し研究支援拠点を整備し、拠点によるシーズ育成を実施してきました。また、革新的医療技術創出拠点として、国際水準の臨床研究・治験の中心的な役割を担う医療法に基づく臨床研究中核病院※2と連携することにより、基礎研究から実用化まで一貫して支援する体制が整備されつつあります。これらの取組の結果、アカデミアの医師・研究者において、アカデミア発シーズの実用化への意識の変革が促され、拠点が支援するシーズ数は増加してきました。

令和2年3月27日に閣議決定された「健康・医療戦略」における統合プロジェクトのひとつである「シーズ開発・研究基盤プロジェクト」では、橋渡し研究支援拠点や臨床研究中核病院において、シーズの発掘・移転や質の高い臨床研究・治験の実施のための体制や仕組みを整備するとともに、リバース・トランスレーショナル・リサーチ(rTR)、実証研究基盤の構築を推進し、基礎研究から臨床研究まで一貫した循環型の研究支援体制を整備することとされています。また、革新的医療技術創出拠点にかかる文部科学省・厚生労働省の各事業について整理を行い、文部科学省の事業(橋渡し研究戦略的推進プログラム)においては基盤整備費、事業費の支援を令和3年度までに終了し、令和4年度より主にシーズ研究費支援を行う新事業体制として開始することとされました。

さらに、令和2年度に行われた文部科学省第10期ライフサイエンス委員会橋渡し研究戦略作業部会では、橋渡し研究支援拠点を活用した継続的なシーズ開発や産学連携の推進等の必要性が指摘されるとともに、特にTRC/AROの長期的なサステイナビリティの確保などの観点から、質の高い支援を提供する橋渡し研究支援拠点を認定する制度の導入の必要性やその要件等について議論され、橋渡し研究支援機関認定制度の骨子がまとめられました。本議論をもとに、文部科学省において、一定の要件を満たす機関を橋渡し研究支援機関として文部科学省が認定する制度を開始し、令和3年12月に11機関を「橋渡し研究支援機関」として認定しています。これらのことから、今後は認定された橋渡し研究支援機関が支援するシーズに対して研究費等の支援を行っていくこととしています。

橋渡し研究プログラム(以下、本プログラム)では橋渡し研究支援機関を活用し、アカデミア等の優れた基礎研究の成果を臨床研究・実用化へ効率的に橋渡しするために研究費等の支援を行い、革新的な医薬品・医療機器等の創出を目指しています。また、臨床研究中核病院との円滑な連携を取り、支援を行うことで、医歯薬系分野以外も含めた拠点内外に埋もれている多数のシーズの発掘、支援をさらに促進する等、オールジャパンで橋渡し研究を効率的に推進します。

橋渡し研究プログラム概要図

※1 第1期:橋渡し研究支援推進プログラム(平成19年度~平成23年度); 第2期:橋渡し研究加速ネットワークプログラム(平成24年度~平成28年度); 第3期:橋渡し研究戦略的推進プログラム(平成29年度~令和3年度)
※2 臨床研究中核病院:国立がん研究センター中央病院、東北大学病院、大阪大学医学部附属病院、国立がん研究センター東病院、名古屋大学医学部附属病院、九州大学病院、東京大学医学部附属病院、慶應義塾大学病院、千葉大学医学部附属病院、京都大学医学部附属病院、岡山大学病院、北海道大学病院、順天堂大学医学部附属順天堂医院、神戸大学医学部附属病院(令和4年4月現在)

評価・運営体制

本プログラムの運営に関して、各橋渡し研究支援機関の取組がより良くなるよう、プログラムスーパーバイザーが全体を統括しつつ、プログラムオフィサーと協力して助言等を行っています。

プログラムスーパーバイザー(PS)

金倉 譲一般財団法人住友病院 院長

プログラムオフィサー(PO)

稲垣 治 前 日本製薬工業協会医薬品評価委員会 運営委員会幹事
田代 聡 広島大学原爆放射線医科学研究所 副所長・教授
朔 啓太 国立循環器病研究センター循環動態制御部 室長

公募情報

ニュース

AMEDが支援する課題の研究成果として各研究機関が発表した資料は、2024(令和6)年 成果情報一覧をご覧ください。

もっと見る

フェーズに応じた戦略的シーズ開発

本プログラムでは、研究の開発フェーズに応じた6つの支援のスキームを設定し、特許出願等を目指す段階から臨床POC取得を目指す段階まで幅広い開発フェーズに対応した研究費等の支援を行っています。

開発フェーズに応じた6つの支援のスキームのフロー図


これらの6つのスキームは、橋渡し研究支援機関内外の優れた基礎研究成果を発掘し、特許出願に必要な研究と予算を見極めて「シーズ」に育てる早期開発段階(シーズA、異分野)と、機関の支援によって開発が進み、実用化のための研究を行う後期開発段階(preF、シーズF、シーズB、シーズC)の2つのタイプに分けられます。

フェーズに応じた戦略的シーズ開発概要図

シーズA・異分野融合型研究シーズ(シーズH) ※AMEDの補助事業で実施

拠点内外の優れた基礎研究成果を発掘し、特許出願に必要な研究と予算を見極めて「シーズ」に育てる初期段階については、拠点によって異なる目利きを活かすため、各拠点の裁量で実施できるように予算を配分しています。
シーズAへの応募における留意事項について

preF・シーズF・シーズB・シーズC  ※AMEDの委託費で実施

拠点の「支援シーズ」のうち研究費支援を希望するシーズについて、拠点がAMEDに申請し、AMEDの課題評価委員会で採択しています。拠点は開発支援を行い、研究者はAMEDの委託費から支援に対する対価を支払うスキームです。橋渡し研究プログラムによる研究費支援課題、研究成果報告書については、AMED研究開発データベース(AMEDfind)に掲載されています。

橋渡し研究支援機関における登録シーズ

橋渡し研究支援機関の支援シーズは、拠点支援シーズデータベース(BRIDGE:Biomedical Research Innovation Data Governing Enterprise)への登録をお願いしています。
拠点支援シーズ情報データベース(BRIDGE)
※BRIDGEへのアクセスや入力は、革新的医療技術創出拠点において権限を付与された担当者のみ可能です。

AMEDによる実用化支援

AMEDでは研究成果を一刻も早く実用化し、患者さんやご家族の元にお届けすることを目指し、橋渡し研究支援機関を通じてBRIDGEに登録されたシーズに対し、企業とのマッチング、研究開発早期段階からの事業化戦略提案等の支援も行っています。ご利用を希望される場合は、橋渡し研究支援機関の担当者にご相談ください。

異分野融合型研究開発推進支援事業

異分野融合型研究開発推進支援事業では、医療実用化を目指した広範なシーズの育成や、医学・歯学・薬学系以外の先端技術・知識を利活用することで、医療イノベーションを推進することを目的として、異分野融合型研究開発シーズの研究開発支援を実施します。

本事業では橋渡し研究支援機関のうち、異分野融合型研究開発シーズの支援を実施する5機関を採択して事業を実施しています。採択された橋渡し研究支援機関は、医歯薬系以外の異分野領域から医療応用に向けて開発するシーズをより早期の段階から発掘・選定し、補助事業費の総額の範囲内でシーズ研究開発費を配分しシーズの育成を行うとともに、医療応用に向けたセミナー・シンポジウム等を実施します。これらの取組を通して、異分野融合型研究開発シーズの早期支援強化を図るとともに、橋渡し研究支援の質の向上を目標としています。

補助事業課題名 橋渡し研究支援機関 補助事業代表者 部署・役職
革新的技術を医療に応用する異分野融合型研究開発支援体制の構築 国立大学法人東北大学 張替 秀郎 東北大学病院 臨床研究推進センター・センター長
多様な異分野研究の萌芽発掘から革新的医療シーズへの進化を導く持続的開発推進 学校法人慶應義塾 長谷川 奉延 慶應義塾大学病院 臨床研究推進センター・センター長
医療実用化を目指した革新的シーズの持続的創成 国立大学法人京都大学 稲垣 暢也 医学部附属病院 先端医療研究開発機構(iACT)・機構長
異分野融合型研究開発の推進による未来医療創出 国立大学法人大阪大学 江口 英利     医学部附属病院 未来医療開発部・部長
「総合知」を結集したトランスディシプリナリー型異分野融合研究基盤の創出 国立大学法人九州大学 赤司 浩一 副学長(病院地区担当)

評価結果

橋渡し研究支援機関について

文部科学省は、大学等の優れた基礎研究の成果を革新的な医薬品・医療機器等として実用化する橋渡し研究を支援するため、次の機能を有する機関を「橋渡し研究支援機関」として文部科学大臣が認定する仕組みを令和3年3月に新たに設けました。令和3年12月に全国の11機関が橋渡し研究支援機関に認定されています。

  1. 高度かつ先進性の高い基礎研究成果や臨床現場からのニーズに基づくシーズの発掘・育成及び非臨床試験から臨床試験への展開を通した実用化支援機能
  2. 実用化支援が滞りなく進むよう管理・推進するプロジェクトマネジメント機能
  3. 研究者に寄り添ったコンサルティング機能
  4. 実用化研究に係る人材育成機能

橋渡し研究支援機関の認定にあたっては、AMEDに橋渡し研究支援機関認定に係る専門委員会を設置し、申請を行った機関の人員配置等の支援体制やこれまでの実績などを踏まえ、上記1~4の機能を十分有しているかを審査することとしています。

各橋渡し研究支援機関では、自機関以外も含めて実用化を目指す研究シーズを募集します。各機関に登録された研究シーズに関しては、それぞれの機関から、研究のフェーズに応じて、実用化に向けた支援を受けることが可能です(例えば、特許の取扱い、企業との連携、治験に関する助言等を行います。支援業務やサービスの一部は各機関の規程に基づき有償で実施します)。さらに、各機関によって選ばれた研究シーズは、各機関から研究費の支援(早期開発段階)や、AMEDが募集する橋渡し研究の研究費(後期開発段階)への応募が可能となります。

橋渡し研究支援機関一覧地図

最終更新日 令和6年10月1日