医療機器研究開発課 医療機器開発推進研究事業の事後評価結果について(令和5年度終了課題)
「医療機器開発推進研究事業」における令和5年度終了課題の事後評価結果を公表します。
1.事後評価の目的
事後評価は、課題等について、研究開発の実施状況、研究開発成果等を明らかにし、今後の研究開発成果等の展開及び事業等の運営の改善に資することを目的として実施します。
2.ヒアリング審査・課題評価委員会
開催日:令和6年10月3日(木)
3.評価項目
- 研究開発達成状況
- 研究開発成果
- 実施体制
- 今後の見通し
- 事業で定める事項及び総合的に勘案すべき項目
- 総合評価
4.事後評価委員
課題評価委員については以下のPDFファイルをご覧ください。
5.事後評価対象課題及び評価結果一覧
開始年度 | 終了年度 | 研究開発代表者 | 研究開発代表機関 | 職名 | 研究開発課題名 | 課題評価委員会による主な評価コメント | 事後評価報告書(pdf) |
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2020 | 2023 | 山本 修一 | 国立大学法人千葉大学 | 特任教授 | 網膜色素変性を対象とした経皮膚電気刺激の有効性及び安全性に関する検証的試験 | 計画より若干の遅れはあったものの、医療機器のシャム群対照の比較試験を完遂できたことを評価する。結果はネガティブであったが、公的研究費により実施した医師主導治験の実績であり、検証的試験で得られた結果として公表することが望ましい。 | |
2021 | 2023 | 浮村 理 | 京都府公立大学法人 | 教授 | 医療費適正化に資する前立腺癌病巣標的化凍結治療:医師主導治験 | 当初の計画をほぼ予定通り実施され、治験によって効果を示し、前立腺がん治療に新たな治療方法を提供できる見通しとしたこと、限局性前立腺がんにおいて、局部を部分凍結し機能温存を可能にする治療技術を提供できることにより、がん治療と患者のQOL維持の両立を可能とする期待があることを評価する。 | |
2021 | 2023 | 皆川 茜 | 国立大学法人信州大学 | 講師 | 早期爪部メラノーマに対するソフトウェア単体診断補助プログラムの有効性を検証する臨床性能試験 | 早期爪メラノーマ診断補助SaMDの有効性を検証する臨床性能試験を完遂したことを評価する。開発課題を残したが、企業導出、薬事承認取得までの見通しは立っているため今後に期待する。 | |
2021 | 2023 | 山元 佳 | 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター | 医師 | 画像認識AIによる細菌感染症の菌種分類精度向上と抗菌薬適正使用に関する非臨床研究 | 尿検体、血液検体における細菌感染症菌種推定支援プログラムの開発を実施され、尿検体については性能評価試験において感染症専門職の判定に対する非劣性を示し、薬事申請されたことが評価された。血液検体については、有効性が確認できず目標到達には至らなったが、今後は企業主導で申請に向け準備されるとのことであるため期待する。 | |
2021 | 2023 | 小寺 聡 | 国立大学法人東京大学 | 特任講師 | 在宅で高齢者に使用可能な心電図AIの開発 | 約30万例の心電図データを用いて左室収縮機能低下の有無を推定するSaMDの医師主導治験を実施し、診断支援への使用の可能性を得たことを評価する。PMDAとの相談も順次着実に実施され、また企業と連携して開発を進められており、企業導出による薬事承認申請が期待できることを評価する。 | |
2021 | 2023 | 元井 紀子 | 地方独立行政法人埼玉県立病院機構 埼玉県立がんセンター | 副部長 | LC-SCRUMレジストリを用いた形態学的バイオマーカーデジタルAI 判定機器の治療効果予測性能検証試験 | 難治性固形がんの治療効果予測のための形態学的バイオマーカー(MBM)のAI 判定システムの研究開発を実施し、既存バイオマーカーより精度の良い判定が示唆されるとの成果が得られたことが評価された。一方、プログラム医療機器導出先企業のほかに、承認申請に必要な前向き臨床試験を共に実施するパートナーとなる製薬企業が決まっておらず開発戦略や出口戦略に甘さがあったと評価された。 |
6.総評
課題評価委員会では、令和5年度に終了した6課題を対象に評価を行い、1課題が「優れている」、1課題が「良い」、3課題が「やや良い」、1課題が「良いとも悪いとも言えない」とされました。
掲載日 令和6年11月8日
最終更新日 令和6年11月8日