公募情報 若手あり 令和2年度 「革新的がん医療実用化研究事業」（1次公募）の採択課題について

国立研究開発法人日本医療研究開発機構（AMED）は、令和2年度「革新的がん医療実用化研究事業」に係る公募（1次公募）について、本事業の課題評価委員会（名簿）において厳正な審査を行った結果、下記のとおり採択課題を決定いたしました。

（領域1）がんの本態解明に関する研究

（領域1-1）がんの最適医療の実現に資する基盤的研究と臨床的有用性の検証

研究開発課題名	代表者	所属
肺がん・膵がん免疫微小環境の分子基盤解明に基づいた、個別化療法に直結する新たな免疫学的分類の提唱	青木 一教	国立がん研究センター
がん免疫におけるリゾリン脂質シグナルの意義解明とリゾリン脂質受容体を標的とした抗がん剤開発	青木 淳賢	東京大学
遺伝子変異に応じたがんシグナルの同定を基盤とした小児脳腫瘍の新規治療法に関する研究開発	川内 大輔	国立精神・神経医療研究センター
PDX治療モデルを併用した治療抵抗性急性骨髄性白血病クローンの成立過程に生じる分子病態に基づく層別化システムの確立と標的治療薬開発に関する研究	清井 仁	名古屋大学
戦略的創薬に向けたハイスループット機能解析法による網羅的バイオマーカー探索	高阪 真路	国立がん研究センター
がんゲノム医療の限界を克服する患者由来「希少がん」モデルを用いた研究	近藤 格	国立がん研究センター
遺伝子異常の全貌とクローン構造の理解に基づくATL個別化診療の確立	下田 和哉	宮崎大学
ゲノム解析に基づいた造血細胞移植後2次固形がん最適個別化医療の実現	森 泰昌	国立がん研究センター

（領域1-2）がんネットワークの臨床的意義の理解に基づく医療シーズの開発研究

研究開発課題名	代表者	所属
腫瘍内浸潤骨髄由来抑制細胞を標的とした、膵がんでの新たな化学免疫療法の開発	青木 一教	国立がん研究センター
大腸がん微小転移巣形成機構の理解による新規予防治療戦略の確立	大島 正伸	金沢大学
単一細胞マルチオミクス解析による悪性リンパ腫の腫瘍細胞と微小環境の多様性の網羅的解明	片岡 圭亮	国立がん研究センター
リンパ節T細胞の単一細胞TCR・遺伝子発現解析とがん免疫療法への応用	清谷 一馬	がん研究会
血管免疫芽球性T細胞リンパ腫における微小環境ネットワークの標的治療開発	坂田(柳元) 麻実子	筑波大学

（領域1-3）ゲノムと環境要因との相互作用の理解に基づくがん個別化予防法の開発に関する研究

研究開発課題名	代表者	所属
集学的アプローチを用いた環境要因による発がん機構の解明と予防法の確立	戸塚 ゆ加里	国立がん研究センター
大腸癌ハイリスク患者の癌発症に関わる腸内環境変動の解明とそれに基づく大腸癌個別化予防法の開発に関する研究	谷内田 真一	大阪大学

（領域1-4）大規模な国際共同研究に資するがんゲノミクス研究等のがんオミックス研究

研究開発課題名	代表者	所属
国際共同研究に資する大規模日本人がんゲノム・オミックス・臨床データ統合解析とゲノム医療推進に向けた知識基盤構築	柴田 龍弘	国立がん研究センター

（領域1-5）難治がんと高齢者のがんの克服に資する研究

研究開発課題名	代表者	所属
副作用の論理的低減による新規膵臓がん薬物組み合わせ療法の開発	園下 将大	北海道大学
閉経後ホルモン依存性子宮体癌の発症・進展の新たな分子機構 -男性ホルモン作用の解析と臨床応用-	大黒 多希子	金沢大学
老化細胞除去による高齢者発がん抑制療法の開発	中西 真	東京大学

（領域2）がんの予防法や早期発見手法に関する研究

（領域2-1）個人の発がんリスクの同定と評価をめざした疫学研究

研究開発課題名	代表者	所属
個人の発がんリスク評価方法の革新的改善に資する疫学研究の推進	岩崎 基	国立がん研究センター
ピロリ菌除菌後健康人を対象とした世界初エピゲノム発がんリスク診断の実用化	牛島 俊和	国立がん研究センター
がんリスクに対する環境要因・遺伝要因の公衆衛生学的インパクトを評価する大規模分子疫学研究	松尾 恵太郎	愛知県がんセンター
ゲノム医療時代における、がんの遺伝学的中間高リスク群の把握と評価手順の標準化をめざした多施設共同臨床疫学的研究	吉田 輝彦	国立がん研究センター

（領域2-2）個人の発がんリスクの同定と評価をめざした疫学研究

研究開発課題名	代表者	所属
日本人BRCA未発症変異保持者に対する乳癌リスク低減手法の開発研究	中村 清吾	昭和大学
家族性大腸腺腫症の重症化リスク低減手法の実用化を目指した臨床介入研究	武藤 倫弘	京都府立医科大学

（領域2-3）検診への導入をめざした診断技術の開発に関する研究

研究開発課題名	代表者	所属
血中反復配列RNAの高感度検出を基盤とした新規膵癌スクリーニング法の検証	大塚 基之	東京大学
高感度変異解析技術を用いた「胃カメラしながら膵がん検診」の社会実装に係る研究開発	谷内田 真一	大阪大学

（領域2-4）がんの予防法や新たな検診手法の実用化をめざした大規模疫学研究

研究開発課題名	代表者	所属
子宮頸がん検診における細胞診とHPV検査併用の有用性に関する研究	青木 大輔	慶應義塾大学
がん化学予防薬の実用化をめざした大規模臨床研究	石川 秀樹	京都府立医科大学
中高年者におけるヘリコバクター・ピロリ菌除菌の胃がん予防効果を評価するための長期追跡研究	井上 真奈美	国立がん研究センター
HPVワクチン有効性の評価のための大規模疫学研究	榎本 隆之	新潟大学
超音波検査による乳がん検診の有効性を検証する比較試験	大内 憲明	東北大学
対策型検診を目指した大腸内視鏡検診の有効性評価のためのランダム化比較試験	工藤 進英	昭和大学

（領域3）アンメットメディカルニーズに応える新規薬剤開発に関する研究

（領域3-1）革新的がん治療薬（医薬品）の実用化に向けた非臨床試験

研究開発課題名	代表者	所属
Epstein-BarrウイルスによるT/NK白血病・リンパ腫治療薬候補S-FMAUの非臨床試験	児玉 栄一	東北大学
膠芽腫に対するアンチセンス核酸治療薬の実用化に向けた非臨床研究	近藤 豊	名古屋大学

（領域3-2）革新的がん治療薬（医薬品）の開発・薬事承認を目指した医師主導治験

研究開発課題名	代表者	所属
難治性悪性脳腫瘍に対する日本発放射性薬剤64Cu-ATSMによる新治療法開発－早期承認を目指す第Ⅰ相拡大コホート試験の実施	栗原 宏明	神奈川県立がんセンター

（領域3-3）適応拡大等による革新的がん治療薬（医薬品）の開発・薬事承認を目指した医師主導治験

研究開発課題名	代表者	所属
EGFR遺伝子変異陽性の進行非小細胞肺癌におけるEGFR阻害薬耐性機序（C797S耐性変異）を克服する新規治療法の確立を目指した研究	後藤 功一	国立がん研究センター

（領域3-4）革新的がん治療薬（再生医療等製品）の実用化に向けた非臨床試験

研究開発課題名	代表者	所属
難治がんに対するp53がん抑制遺伝子搭載武装化アデノウイルス製剤の実用化のための非臨床試験	藤原 俊義	岡山大学
CCR4 を標的としたキメラ抗原受容体遺伝子改変T細胞療法の非臨床試験	渡邊 慶介	国立がん研究センター

（領域3-5）革新的がん治療薬（再生医療等製品）の開発・薬事承認を目指した医師主導治験

研究開発課題名	代表者	所属
遺伝子組換え麻疹ウイルスを用いた抗がんウイルス療法の臨床研究	甲斐 知惠子	東京大学
CD19陽性悪性リンパ腫に対するpiggyBacトランスポゾン法によるキメラ抗原受容体遺伝子改変自己T細胞の安全性及び有効性に関する第Ⅰ/Ⅱ相医師主導治験	高橋 義行	名古屋大学
がん認識抗体とCAR-T細胞による難治性B細胞性悪性リンパ腫を対象とした第Ⅰ相医師主導臨床試験	玉田 耕治	山口大学
CD116陽性急性骨髄性白血病および若年性骨髄単球性白血病を対象とする非ウイルス遺伝子改変GMR CAR-T細胞のFIH医師主導治験	中沢 洋三	信州大学

（領域4）患者に優しい新規医療技術開発に関する研究

（領域4-1）バイオマーカーを用いた診断技術の確立と実用化に関する研究

研究開発課題名	代表者	所属
十二指腸液を用いた膵がん早期診断マーカーの実用化に向けた臨床研究	中村 雅史	九州大学
進行期固形がん患者における初回治療時のがん遺伝子プロファイリング検査の臨床的有用性を検討する臨床研究	吉田 達哉	国立がん研究センター

（領域4-2）新規技術を用いた先進的な医用イメージング技術の確立に関する研究

研究開発課題名	代表者	所属
前立腺特異的膜抗原をターゲットにした前立腺癌の画像診断法の確立と実用化に向けた機器開発に関する研究	立石 宇貴秀	東京医科歯科大学
脳腫瘍を術中標識する局所投与型新規蛍光プローブの開発	田中 將太	東京大学

（領域4-3）放射線治療における新規医療技術の確立と応用に関する実用化研究

研究開発課題名	代表者	所属
頭頸部扁平上皮癌に対する強度変調陽子線治療の実用化に向けた技術開発と有効性検証	秋元 哲夫	国立がん研究センター
吸収性スペーサーを用いた体内空間可変技術の定位放射線治療への展開	佐々木 良平	神戸大学
早期非小細胞肺癌に対する体幹部定位放射線治療線量増加ランダム化比較試験	永田 靖	広島大学

（領域4-4）新規診断治療における医療機器開発に関する実用化研究

研究開発課題名	代表者	所属
深層学習アルゴリズムを活用した大腸内視鏡用診断支援プログラムの実用化研究	炭山 和毅	東京慈恵会医科大学
先天性巨大色素性母斑を母地とした悪性黒色腫に対する予防的低侵襲治療方法の開発～高圧処理新規医療機器の研究開発	森本 尚樹	京都大学

（領域5）新たな標準治療を創るための研究

（領域5-1）治療の有効性、安全性や患者のQOLの向上をめざした新たな標準治療開発のための多施設共同臨床試験

研究開発課題名	代表者	所属
Stage Ⅱ大腸癌に対する術後補助化学療法の有用性に関する研究	上野 秀樹	防衛医科大学校
進行腎細胞癌に対するPD-1経路阻害薬の継続と休止に関するランダム化比較第Ⅲ相試験	江藤 正俊	九州大学
臨床病期Ⅰ/Ⅱ期非小細胞肺癌におけるリンパ節郭清の縮小化の治療的意義を検証するランダム化比較試験	岡田 守人	広島大学
特発性肺線維症（IPF）合併臨床病期I期非小細胞肺癌に対する肺縮小手術に関するランダム化比較第Ⅲ相試験	岡田 守人	広島大学
早期子宮頸がんに対する機能温存低侵襲手術の確立に関する研究	笠松 高弘	東京都立墨東病院
早期胃癌に対するセンチネルリンパ節生検を用いた個別化、縮小手術の安全性と有効性を検証することを目的とした検証的多施設共同第3相試験	北川 雄光	慶應義塾大学
標準的乳がんラジオ波熱焼灼療法開発に係る多施設共同試験	木下 貴之	東京医療センター
局所進行胃癌に対する術前化学療法の有効性を検証する臨床第III相試験	寺島 雅典	静岡がんセンター
上皮性卵巣癌の妊孕性温存治療の対象拡大のための非ランダム化検証的試験	佐藤 豊実	筑波大学
Stage Ⅳ乳癌に対する予後の改善を目指した標準治療の確立に関する研究	枝園 忠彦	岡山大学
Stage Ⅲ治癒切除大腸癌に対する術後補助療法としてのアスピリンの有用性を検証する二重盲検ランダム化比較試験	高島 淳生	国立がん研究センター
子宮頚癌ⅠB期-ⅡB期根治手術例における術後放射線治療と術後化学療法の第Ⅲ相ランダム化比較試験	武隈 宗孝	静岡がんセンター
進行頭頸部がんに対する術後補助療法の標準治療確立のための多施設共同研究	田原 信	国立がん研究センター
切除不能または再発食道癌に対する CF（シスプラチン +5 FU）療法とbDCF （biweekly ドセタキセル +CF）療法のランダム化第 III 相比較試験	坪佐 恭宏	静岡がんセンター
t(8;21)およびinv(16)陽性AYA・若年成人急性骨髄性白血病に対する微小残存病変を指標とするゲムツズマブ・オゾガマイシン治療介入の有効性と安全性を評価する研究	宮崎 泰司	長崎大学
非浸潤または小型非小細胞肺がんに対する機能温存手術の確立に関する研究	渡辺 俊一	国立がん研究センター

（領域5-3）科学的根拠に基づくがんの支持・緩和医療の開発に関する研究

研究開発課題名	代表者	所属
がん患者の抑うつ・不安に対するスマートフォン精神療法の最適化研究：革新的臨床試験システムを用いた多相最適化戦略試験	明智 龍男	名古屋市立大学
有痛性骨転移患者の疼痛制御のための即効性を有する新規治療開発	荒井 保典	国立がん研究センター
急速進行性がん患者・家族と医師の共感的コミュニケーション促進のための統合支援プログラムの有用性を検証する無作為化比較試験：フォローアップ研究	藤森 麻衣子	国立がん研究センター
オピオイド不応の神経障害性疼痛に対するプレガバリンとデュロキセチンの国際共同ランダム化比較試験	松岡 弘道	近畿大学

（領域6）ライフステージやがんの特性に着目した重点研究

（領域6-1）小児がん、AYA世代のがんの標準的治療法の開発に関する臨床研究

研究開発課題名	代表者	所属
小児急性骨髄性白血病（de novo AML）に対する標準的治療法の確立	足立 壯一	京都大学
小児およびAYA世代のランゲルハンス細胞組織球症LCHに対するシタラビン/ビンクリスチンを中心とした晩期合併症阻止を目指した新規治療法の開発と長期フォローアップ研究	塩田 曜子	国立成育医療研究センター
再発小児急性リンパ性白血病の標準治療確立を目的とした第III相国際共同臨床試験	豊田 秀実	三重大学
AYA世代および成人T細胞性急性リンパ性白血病の小児型治療適用における限界年齢と新規バイオマーカー探索に関する研究	早川 文彦	名古屋大学
小児特有の脳腫瘍に対する標準治療確立のための全国多施設共同研究	原 純一	大阪市立総合医療センター
小児胎児性固形がんに対する標準的治療法開発	檜山 英三	広島大学
小児およびAYA世代の横紋筋肉腫患者に対するリスク層別化臨床試験実施による標準的治療法の開発	細井 創	京都府立医科大学
「若年性骨髄単球性白血病（JMML）に対する標準的化学療法の確立を目指した第2相臨床試験」の開発	村松 秀城	名古屋大学
小児急性リンパ性白血病に対する標準的治療法の確立：フォローアップ課題	真部 淳	北海道大学

（領域6-2）希少がんの標準的治療法の開発に関する臨床研究

研究開発課題名	代表者	所属
高悪性度神経内分泌肺癌切除例に対する術後補助化学療法の標準治療確立のための研究	浅村 尚生	慶應義塾大学
高悪性度骨軟部腫瘍に対する標準治療確立のための研究	尾崎 敏文	岡山大学
小腸腺癌に対する標準治療の確立に関する研究	金光 幸秀	国立がん研究センター
成人T細胞白血病に対する移植後シクロフォスファミドを用いた非血縁者間末梢血幹細胞移植法の確立と移植後再発への対策に関する研究	福田 隆浩	国立がん研究センター
進行上顎洞癌に対する超選択的動注化学療法を併用した放射線治療による新規治療法開発に関する研究	本間 明宏	北海道大学
消化器神経内分泌癌に対する標準治療の確立に関する研究	森実 千種	国立がん研究センター

（領域6-3）高齢者のがんに関する臨床研究

研究開発課題名	代表者	所属
高齢者初発膠芽腫に対するテモゾロミド併用寡分割放射線治療の最適化に関する研究	荒川 芳輝	京都大学
高齢者急性骨髄性白血病の化学療法が可能な症例に対して若年成人標準化学療法の近似用量を用いる第Ⅱ相臨床試験:  JALSG-GML219試験	山内 高弘	福井大学
病理学的Stage Ⅱ/Ⅲ で“vulnerable”な80歳以上の高齢者胃癌に対する 開始量を減量したS-1 術後補助化学療法に関するランダム化比較第Ⅲ相試験	吉田 和弘	岐阜大学

（領域6-4）難治性がんの標準的治療法の開発に関する臨床研究

研究開発課題名	代表者	所属
遺伝子パネル検査による遺伝子プロファイリングに基づく複数の標的治療に関する患者申出療養の実施体制構築	下井 辰徳	国立がん研究センター
がん幹細胞を標的とした初発膠芽腫の放射線+テモゾロミド+メトホルミン併用療法の第Ⅰ・Ⅱ相臨床試験	成田 善孝	国立がん研究センター
フィラデルフィア染色体陽性急性リンパ性白血病に対するポナチニブを組み込んだ治療法の確立と分子基盤の解明	八田 善弘	日本大学
切除不能膵癌に対する標準治療の確立に関する研究	古瀬 純司	杏林大学
難治がんに対する動体追尾放射線治療の臨床評価に関する研究	溝脇 尚志	京都大学

（各サブ領域ごとに五十音順で表示）

公募期間	令和元年11月14日～12月11日（正午）
会合審査日・面接（ヒアリング審査）実施日	令和2 年1 月28日、29日 2月2日、3日、4日、5日、6日、7日、12日

申請数	308
書面評価通過数	167
採択数	95