公募情報 平成28年度 「『統合医療』に係る医療の質向上・科学的根拠収集研究事業」の採択課題について

基本情報

公募の段階 採択
開発フェーズ 該当なし
分野 健康・医療戦略の推進に必要となる研究開発
お問い合わせ先
国立研究開発法人日本医療研究開発機構 臨床研究・治験基盤事業部 臨床研究課 (担当:木下、宮田)
TEL: 03-6870-2229
E-mail: rinsho “AT” amed.go.jp
備考:
※E-mailアドレスは ”AT” の部分を @ に変えてください。

採択内容

国立研究開発法人日本医療研究開発機構
臨床研究・治験基盤事業部 臨床研究課

国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)は、平成28年度「『統合医療』に係る医療の質向上・科学的根拠収集研究事業」について、課題評価委員会において厳正な審査を行った結果、下記の通り決定いたしましたのでお知らせ致します。

統合医療に対する研究事業の方向性

「統合医療」に係る医療の質向上・科学的根拠収集研究事業は、漢方、鍼灸等の「統合医療」に関する研究を行い、国民および医療従事者の健康保持や疾病治療・予防の選択肢を増やし、医療の質の向上をはかるための委託事業です。

当該事業では、「統合医療」については多種多様であり、科学的根拠が乏しいものが含まれているとの指摘もあることから、これまで厚生労働科学研究費等において、実態の把握と新たな知見の創出のための研究を進めてきました。これらの知見を踏まえつつ、平成24年3月から「統合医療」のあり方に関する検討会が開催され、平成25年2月には「これまでの議論の整理」がとりまとめられました。この中で、統合医療の各療法については、科学的知見を収集するとともに、収集された知見を基にして必要な情報を広く発信し、患者・国民及び医師が療法を適切に選択できるようにすることが重要であるとされました。そこで、厚生労働省では統合医療に関する研究の実施や、統合医療の有効性や安全性に関する学術論文等の情報についてのインターネット等を介した情報発信に取り組んでいます。

そのため、当該事業の一部として国内外の「統合医療」及び近代西洋医学と組み合わせる各種の療法に関する学術論文を収集するとともに、国内の代表的な拠点において、医師をはじめとする他職種が関わることによって行われる臨床研究を支援し、その成果を患者・国民及び医師などに還元するといった実践面のアプローチを併せて進めることによって、「統合医療」に関する科学的知見の集積を図るための研究を行うものです。

採択課題(12件)

➀ 漢方に関する科学的知見を創出するための研究
研究開発課題名 機関名 研究開発代表者名 職名
薬物乱用頭痛における抑肝散の有効性の検討 埼玉医科大学 荒木 信夫 教授
過敏性腸症候群(Irritable Bowel Syndorome:IBS)に対する漢方製剤・桂皮加芍薬湯の治療効果の検証研究:多施設二重盲検無作為対照試験 横浜市立大学 中島 淳 教授
➁ 鍼灸に関する科学的知見を創出するための研究
研究開発課題名 機関名 研究開発代表者名 職名
がん治療による有害事象に対する統合医療的介入の検討―頭頸部がん放射線療法による口腔乾燥症に対する検討― 大阪大学 伊藤 壽記 特任教授
➂ 漢方及び鍼灸を除く各種療法に関する科学的知見を創出するための研究
研究開発課題名 機関名 研究開発代表者名 職名
統合医療としてのヨガの有用性と安全性に関する研究 九州大学 岡 孝和 准教授
アロマセラピーに用いる精油の芳香刺激が生体に及ぼす影響の時系列システム定量解析と作用機序の解明及び至適投与法に関する研究 森ノ宮医療大学 宮本 忠吉 教授
笑い療法が生活習慣病発症・重症化予防に及ぼす影響についての前向きコホート・介入研究 福島県立医科大学 大平 哲也 教授
➃ 「統合医療」に関する科学的知見を創出するための安全性・有効性等の評価手法に関する研究
研究開発課題名 機関名 研究開発代表者名 職名
漢方薬および生薬有効成分、ならびに食物含有有効成分の安全性・有効性を科学的、客観的に評価する手法の開発 国立がん研究センター 上園 保仁 分野長
薬物動態‐メタボローム統合解析による麻黄湯の有用性・安全性についての研究 高知大学 花崎 和弘 教授
統合医療の「脈診」に、定量診断科学的な根拠を与える 東北大学 山家 智之 教授
➄ 「統合医療」についての、患者・国民及び医師の適切な選択に資するような情報発信のあり方についての研究
研究開発課題名 機関名 研究開発代表者名 職名
統合医療情報発信サイトに関する客観的評価および統合医療に関するシステマティック・レビューの実施 金沢医科大学 元雄 良治 教授
➅ 「統合医療」の各種療法について、国内外での利用実態や健康被害の状況などの実態把握に関する研究
研究開発課題名 機関名 研究開発代表者名 職名
国内外における統合医療の利用提供実態および健康被害の調査と社会的決定要因分析 日本薬科大学 新井 一郎 教授
➆ 「統合医療」の国際標準化などの基盤整備に関する研究
研究開発課題名 機関名 研究開発代表者名 職名
ISO/TC249における国際規格策定に資する科学的研究と調査および統合医療の一翼としての漢方・鍼灸の基盤研究 東京有明医療大学 東郷 俊宏 教授

掲載日 平成28年3月16日

最終更新日 平成28年3月16日