柳沢正史 筑波大学教授が2026年アルバート・ラスカー基礎医学研究賞を受賞
トピックス
AMEDが推進する「ムーンショット目標7」のプロジェクトマネージャーでもある筑波大学柳沢正史教授(国際統合睡眠医科学研究機構 機構長)が、Emmanuel Mignot先生(スタンフォード大学)とともに2026年アルバート・ラスカー基礎医学研究賞を受賞されました。心からお祝いを申し上げます。
同賞は1945年にアルバート・ラスカー夫妻によって創設された、医学および生物医学研究におけるアメリカ医学界最高の賞であり、世界的にもノーベル生理学・医学賞に次ぐ名誉とみなされています。
柳沢教授は、強い生理活性をもつ新規神経ペプチド・オレキシンを脳内で発見し、その受容体が脳特異的に発現することを世界に先駆けて報告し、オレキシンを欠損する遺伝子変異マウスの行動解析から活動期に覚醒維持が断片化することや、頻繁に脱力発作を起こすことなど、ヒトの過眠症・ナルコレプシーによく似た行動異常が起こることを見出しました。一方、Mignot教授はナルコレプシーを自然発症するイヌ家系の研究より、この動物のオレキシン受容体に遺伝子変異があること、ナルコレプシー患者の脳脊髄液において、オレキシン濃度が著しく低下していることなどを報告し、オレキシンの欠乏がヒトでも睡眠障害を起こすことを示しました。
ナルコレプシーは日中の耐えがたい眠気やレム睡眠異常、情動性脱力発作などを起こす過眠症で、2,000~3,000人に1人が発病する睡眠障害です。オレキシン受容体拮抗薬が不眠症治療として世界中で販売されていること、また本年、オレキシン受容体作動薬がナルコレプシーの根本治療薬として承認されたことなど、28年間で基礎研究から新薬開発まで一気に進んだことが高く評価されました。
柳沢教授は、受賞の理由となったオレキシンの発見の業績を含めた長年の睡眠の研究を踏まえて、現在、AMED「ムーンショット型研究開発事業 目標7」において、研究開発プロジェクト「睡眠と冬眠:二つの「眠り」の解明と操作が拓く新世代医療の展開」のプロジェクトマネージャーとして、いまだ謎に包まれた「睡眠と冬眠」の神経生理学的な機能や制御機構を解明することで、睡眠を人為的にコントロールする技術やヒトの人工冬眠を可能とする技術を開発し、医療への応用を目指しています。

関連リンク
掲載日 令和8年9月14日
最終更新日 令和8年9月14日


