公募情報 平成29年度 「感染症研究革新イニシアティブ(J-PRIDE)」の採択課題について

基本情報

公募の段階 採択
開発フェーズ 基礎的,応用,該当なし
分野 新興・再興感染症に対応した研究
お問い合わせ先
国立研究開発法人日本医療研究開発機構 戦略推進部 感染症研究課 感染症研究革新イニシアティブ(J-PRIDE) 担当(宮下、石原、大澤、伊藤)
TEL: 03-6870-2225(課代表)
E-mail: jpride”at”amed.go.jp
備考:
※E-mailは上記アドレス“at”の部分を@に変えてください。
※お問い合わせは必ずE-mailでお願いいたします。

採択内容

国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)は、平成29年度「感染症研究革新イニシアティブ(J-PRIDE)」(公募)による研究開発課題として、下記の30件を採択しました。

本事業では、文部科学省「感染症研究の今後の在り方に関する検討会」報告書(平成28年7月)の提言を踏まえ、感染症に対する革新的な医薬品の創出を将来に見据えて、創薬の標的探索につながる基礎からの感染症研究を推進します。 医歯学、薬学、獣医学、農学、分子生物学等と統計学、工学等の分野横断的な連携により、最新のゲノム解析とデータ処理技術、生体高分子の動態や複合体形成を追跡・定量する技術、バイオインフォマティクス等を活用した新たなブレークスルーを目指します。

今回の公募では、1-(1)から3-(3)までの7つの公募課題について合計で229件の提案があり、本事業の課題評価委員会(別紙)における厳正な審査を行った結果、採択課題を決定しました。

採択課題

1.ヒトに対し極めて高い致死性を示すウイルス感染症に関する研究

1-(1) アレナウイルス、フィロウイルス、ブニヤウイルス科等に属するウイルスの研究
研究開発代表者 所属機関名 職名 研究開発課題
五十嵐 学 北海道大学 准教授 立体構造情報を活用した高病原性ウイルスの蛋白質機能探索
鈴木 忠樹 国立感染症研究所 室長 抗体遺伝子レパトア解析によるSFTS発症機構の探索
野田 岳志 京都大学 教授 ラッサウイルスの細胞内増殖機構に関する研究

2.病原体−宿主因子の相互作用及び感染制御機構等に関する研究

2-(1) 感染病態の理解に基づく新規治療コンセプトの確立のための探索研究
研究開発代表者 所属機関名 職名 研究開発課題名
荒瀬 尚 大阪大学 教授 ペア型レセプターを標的にした新たな感染症制御法の開発
加藤 大志 国立感染症研究所 研究員 オミックス解析を用いたパラミクソウイルス感染における宿主-ウイルス相互作用の解明
佐藤 佳 京都大学 講師 HIV感染症の新規治療コンセプトの確立を目指したシステムウイルス学研究の創出
住友 倫子 大阪大学 講師 インフルエンザウイルス感染に続発する細菌性肺炎の重症化に寄与する宿主・細菌因子群の探索と新規感染制御法の開発
西田 教行 長崎大学 教授 薬剤耐性RNAウイルス出現予測法の確立と迅速制御のためのインシリコ創薬
福原 崇介 大阪大学 助教 肝移植後の病態と予後に関与するRNAウイルスの探索
藤永 由佳子 金沢大学  教授 乳児ボツリヌス症の発症を制御する腸内環境因子の探索
2-(2) 潜伏及び持続感染の成立、維持と再活性化の分子機構の研究
研究開発代表者 所属機関名 職名 研究開発課題名
飯島 則文 医薬基盤・健康・栄養研究所 サブプロジェクトリーダー 組織局在型メモリーT細胞に着目した潜伏感染ウィルスの再活性化機構の解明
佐藤 賢文 熊本大学 准教授 単一細胞分析データマイニングによるHTLV-1持続潜伏感染機構の解明
田口 歩 東京都立駒込病院 医員 組織前駆細胞(幹細胞)における潜伏感染・持続感染維持機構と細胞分化に伴うウイルス再活性化の分子機構の解明
朝長 啓造 京都大学 教授 核内複製というRNAウイルスの持続感染戦略の解明
仲宗根 秀樹 自治医科大学 講師 造血細胞移植をモデルとした潜伏持続感染ウイルス再活性化における免疫回避の分子機構と宿主免疫再構築
村田 貴之 名古屋大学 准教授 新規臨床データと革新的技術の融合で読み解くEBウイルス再活性化
山本 浩之 国立感染症研究所 グループ長 エイズ動物モデルに基づくB細胞Akt制御によるウイルス中和抗体誘導の解析及びその革新的定量予測モデルの構築
山本 雅裕 大阪大学 教授 新規治療戦略基盤創出に資する病原性原虫のPCV破壊・形成・維持に関与する宿主因子群の解明
渡士 幸一 国立感染症研究所 主任研究官 ウイルス感染ネットワークの動的制御による持続感染の運命決定機構
2-(3) 経胎盤感染や血液脳関門の破綻による感染の分子機構の研究
研究開発代表者 所属機関名 職名 研究開発課題名
城戸 康年 大分大学 助教 病原体と宿主のエネルギー代謝系の相互作用の解析―アフリカトリパノソーマによる中枢神経感染をモデルとして
Coban Cevayir 大阪大学 教授 マラリア感染における脳特異的免疫病態の解明
橋口 隆生 九州大学 准教授 構造生物学的手法による麻疹ウイルス中枢神経持続感染の治療薬創出を目指した研究
村上 正晃 北海道大学 教授 ゲートウェイ反射に基づく病原体侵入口形成機構の解明

3.ワンヘルスの概念に基づいた病原体の生態に関する研究

3-(1) 生態系における病原体の環境適応機構の研究
研究開発代表者 所属機関名 職名 研究開発課題名
高橋 弘喜 千葉大学 准教授 病原真菌Aspergillus fumigatusの環境適応能の数理モデル化による理解とそれに基づく感染防御を目指した研究

見市 文香

(三田村文香)

佐賀大学 助教 赤痢アメーバ“含硫脂質代謝”を標的とする阻害剤探索 -全容解明と治療薬開発にむけて-
3-(2) 病原体の宿主域を決める分子機構の研究
研究開発代表者 所属機関名 職名 研究開発課題名
岡松 正敏 北海道大学 准教授 インフルエンザウイルスの宿主間伝播に関わる新規分子機構の解明
3-(3) 薬剤耐性病原体に対する新規治療法に資する研究
研究開発代表者 所属機関名 職名 研究開発課題名
稲岡 健ダニエル 長崎大学 助教 人獣共通感染症病原体アフリカ型トリパノソーマのイソクエン酸代謝:新規な宿主環境適応機構と創薬標的
崔 龍洙 自治医科大学 教授 薬剤耐性菌に対する新規追尾型抗菌治療法の開発
澤 智裕 熊本大学 教授 細菌の酸化ストレス耐性を標的とした新規治療戦略の開発
中川 一路 京都大学 教授 分子間相互作用阻害に基づく菌種特異的な増殖阻害剤の開発

参考ページ

掲載日 平成29年7月27日

最終更新日 平成29年7月27日