プレスリリース NITEとAMEDが創薬ブースターで連携を開始―新薬開発に向けた有望微生物株の優先使用を設定可能に―
プレスリリース
国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)
独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE)
独立行政法人 製品評価技術基盤機構(以下、NITE)[理事長:辰巳 敬、本所:東京都渋谷区西原二丁目49番10号]と、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(以下、AMED)[理事長:末松 誠、本部:東京都千代田区大手町一丁目7番1号 読売新聞ビル20階]は「希少放線菌創薬連携プログラム」を開始します。
AMED創薬支援推進事業「創薬総合支援事業(以下、創薬ブースター)」が支援するアカデミア創薬テーマにおいて、NITEが多数保有する「希少放線菌」と呼ばれる微生物の培養抽出物が利用可能となります。また、利用した結果、医薬品となる可能性のある有望なシード化合物が見出された場合、 NITEは創薬ブースターの支援テーマに対してシード化合物を生産する菌株の優先的な使用を一定期間認めます。
本プログラムにより、NITEが保有する多様な微生物資源の創薬への利用が促進され、オールジャパンでの革新的な医薬品の研究開発に貢献することが期待されます。
- 医薬品の研究開発は、製薬企業による「活発なオープンイノベーション活動」により、「大学等によるアカデミアの研究」を活用する仕組みへの転換が進んでいます。AMEDは「オールジャパンでの医薬品創出」を掲げ、創薬ブースター※1を推進してきました。創薬ブースターでは、アカデミアから提案を受けた研究テーマの中から医薬品の開発につながる可能性の高いテーマ(創薬シーズ)を支援テーマとして発掘し、実用化に向けた研究戦略の策定、技術支援、知財管理、企業への導出支援等のさまざまな支援を行っています。
- NITEは国内最大の微生物保存機関であり、保有する約9万株の多様な微生物資源の利活用の促進により、日本のバイオ産業の発展を支援しています。NITEが保有する微生物資源のうち、放線菌は抗生物質をはじめとする医薬品のシード化合物となるさまざまな活性物質を生産することが知られています。その中でも、分離・培養が難しい「希少放線菌」と呼ばれる微生物は、未開拓の探索源として期待されており、革新的な医薬品となり得る有望な活性物質を作る菌株が眠っている可能性があります。
- そこでNITEとAMEDは、NITEが多数保有する希少放線菌の中から国内由来のスクリーニング株(RD株)※2をAMEDの創薬ブースターの支援テーマで活用する「希少放線菌創薬連携プログラム」(図を参照)に関する覚書を締結しました。本プログラムにおいてNITEは希少放線菌の培養抽出物をAMED創薬ブースターの支援テーマに提供します。AMEDはNITEから提供を受けた希少放線菌の培養抽出物を用いてシード化合物を見つけるための評価試験を大学等と共に実施します。
- AMED創薬ブースターの支援テーマの中で有望なシード化合物が見出された場合、NITEは生産菌株の優先使用を一定期間認めます。これにより、AMED創薬ブースターの支援テーマは優位性を保ちながら創薬研究を進めることが可能になります。NITEとAMEDは、本プログラムにより連携することで、いまだに有効な治療法が見つかっていない疾患に対する革新的な医薬品の創出を支援します。
※1 AMED創薬戦略部は、大学や公的研究機関に所属する研究者が保有する、医薬品としての実用化の可能性が高い創薬シーズ(新標的・新物質)を対象とした創薬支援推進事業「創薬総合支援事業(創薬ブースター)」を推進しています。本事業では、創薬に必要な多様な知識と経験を有する製薬企業出身の創薬コーディネーターが、創薬研究に取り組む研究者に伴走し、実用化に向けた切れ目のない支援を提供しています。
※2 NITEは国内外の様々な環境から分離した微生物を、研究開発や製品開発等に役立てるため、スクリーニング株(RD株)として提供しています。株数に応じて年間利用料を支払うことで比較的安価に利用することができます。
お問い合わせ先
NITE希少放線菌の培養抽出物提供に関すること
独立行政法人製品評価技術基盤機構
バイオテクノロジーセンター(NBRC)
所長 増田 仁
担当者 小牧(産業連携推進課天然物創薬支援室長)
住所:千葉県木更津市かずさ鎌足2-5-8
電話:0438-20-5764
FAX:0438-20-5582
AMED創薬総合支援事業に関すること
国立研究開発法人日本医療研究開発機構
創薬戦略部
部長 近澤 和彦
次長 釜井 宏行
担当者 知場(創薬企画・評価課長)
住所:
(本部)
東京都千代田区大手町1-7-1 読売新聞ビル22階
(創薬戦略部東日本統括部)
東京都中央区日本橋室町1-5-5 室町ちばぎん三井ビル8階
電話:03-3516-6181
FAX:03-3516‐6182
E-mail:Id3desk"AT"amed.go.jp
※E-mailは上記アドレス“AT”の部分を@に変えてください。
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掲載日 令和2年3月4日
最終更新日 令和2年3月4日