プレスリリース 医療研究開発革新基盤創成事業(CiCLE)において創薬ライブラリーの共同管理・運用基盤を構築

令和2年7月28日プレスリリース

日本医療研究開発機構

国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)の医療研究開発革新基盤創成事業(CiCLE)において、株式会社CACクロア(本社:東京都中央区、代表取締役社長:加藤肇、以下「CACクロア」)は、2018年3月にAMEDと委託環境整備契約を締結した環境整備課題「創薬ライブラリーの共同管理・運用及び産官学連携によるその相互利用推進」における創薬ライブラリーの管理・運用基盤を計画通り構築し、目標を達成しました。

課題の背景と目標

これまで一般的には、多くの製薬企業が個別に創薬ライブラリー(創薬スクリーニング※1用の低分子化合物ライブラリー※2)を管理しており、その維持管理費用の削減が喫緊の課題となっていました。加えて、アカデミアを含む研究機関(以下、アカデミア等)では、自身が有する創薬標的に対する有効性を効率的に検証できるような利便性の高い創薬ライブラリーの整備・拡充が望まれています。

そこで、製薬企業とアカデミア等の双方の問題を解決するために、本課題では、創薬ライブラリーを個々の製薬企業の壁を越えて一元的に管理する施設や体制を構築すること及び一元管理された化合物の相互利用を目的とした「All Japan創薬ライブラリー※3」を構築することを目指し、その運用基盤を整備することにしました。

課題の成果

代表機関であるCACクロアは、将来行う「All Japan創薬ライブラリー」の構築に向けて必要となる施設・設備を、かながわサイエンスパーク(神奈川県川崎市)内に整備しました。その具体的な内容は、以下のとおりです。

ハード面:
創薬スクリーニング用の低分子化合物の共同管理を開始する際に最低限必要な設備として、原末管理のために常温の自動原末保管庫(写真1)※4、溶液管理のために-20℃の低温の自動溶液保管庫(写真2)とウォークイン溶液保管庫※5、原末を秤量する原末管理室・秤量室、調液室(溶液を調製・分注する溶液室と湿度30%以下に保つ除湿エリア(写真3))、自家発電機等。
ソフト面:
複数の製薬会社の化合物を適切に管理するためのデータベース構築、保管管理/調製作業/出荷作業などの全ての作業工程においてバーコード/QRコードを用いたヒューマンエラーの発生を最小限に抑える管理方法、標準手順の策定及びこれに基づいた要員教育の実施等。
  • 写真1:自動原末保管庫(室温)
  • 写真2:自動溶液保管庫(-20℃)
  • 写真3:除湿エリア(湿度30%以下)

課題の意義

本課題における施設及び運用基盤の整備により、顧客となる製薬企業各社の保有する化合物を本施設に集約し、これらを安全かつ効率的に一元管理することができます。また、個々の製薬企業における創薬ライブラリーの維持・管理にかかるコストを削減することが可能になります。

さらに、各々の製薬会社所有の化合物を自身の要望に応じた形態で提供(現在は4社が参加)するだけでなく、将来は一元管理された化合物全体を創薬ライブラリーとして他の参加企業やアカデミア等と相互利用することで効率的な創薬スクリーニングが可能となり、本施設の整備・運用はAll Japanとしての創薬力の向上に繋がると考えられます。

今後の展望

今後、より多くの製薬企業が本施設を利用し、本施設に集約する化合物数が増加するとともに、代表機関が目指す「All Japan創薬ライブラリー」が一日でも早く構築され、アカデミアを含む研究組織が本創薬ライブラリーを有効利用できるようになることが期待されます。

用語解説

※1 創薬スクリーニング
創薬の初期段階において、医薬品候補物質を網羅的に探索する手法。通常は数万~数十万の化合物の中から、特定の生物医学的な活性を持つものを選別。
※2 ライブラリー
医薬品候補物質を探索する際に対象となる化合物の集団。
※3 All Japan創薬ライブラリー
CACクロアが全国の製薬企業から化合物を集約する、アカデミアを含む研究組織が利用可能な化合物ライブラリー。
※4 自動原末保管庫
化合物の出入庫をロボットが自動で行う保管庫。
※5 ウォークイン溶液保管庫
庫内に作業員が入り、化合物の出入庫を手作業で行う保管庫。

お問い合わせ先

事業に関するお問い合わせ先

日本医療研究開発機構 革新基盤創成事業部計画調整課
Tel:03-6870-2260
E-mail:cycle-ask“AT”amed.go.jp

報道に関するお問い合わせ先

日本医療研究開発機構 経営企画部評価・広報課
Tel:03-6870-2245
E-mail:contact“AT”amed.go.jp

※E-mailは上記アドレス“AT”の部分を@に変えてください。

最終更新日 令和2年7月28日