プレスリリース 医薬品シーズ開発を進めるアカデミアと医薬品実用化に携わる企業有識者による意見交換の場「アカデミア医薬品シーズ開発推進会議(AMED-FLuX)」がスタートします―AMED支援課題の早期実用化に向けた創薬プロセスの適正化と加速を目指して―

プレスリリース

国立研究開発法人日本医療研究開発機構

発表のポイント

  • AMEDの医薬品プロジェクトにおいて、製薬業界の協力のもと、AMED支援課題の実用化促進を図るための新たな取り組みとして、企業視点からの有望シーズの目利き機能と進むべき創薬プロセスのガイド役を担う「AMED アカデミア医薬品シーズ開発推進会議(AMED-FLuX)」を設置します。
  • AMED-FLuX では、AMED支援課題のうち、開発早期の具体的なシーズを対象に、アカデミアと企業有識者が実用化の観点から有望なシーズ開発に求められること、実施すべき研究開発内容などについて意見交換を行います。
  • 研究者及びAMEDは、提示された意見を研究開発推進に活かします。

詳細

はじめに

国立研究開発法人日本医療研究開発機構(以下AMED、理事長 三島良直)の医薬品プロジェクトでは、第一期の5年を通じて、様々な事業を通してアカデミアシーズの発掘・育成に努力し、またその環境の整備を図ってきました。特に、AMED設立以降、産学官の距離は縮まったと評されており、様々なシーズの発掘・育成を行った成果が得られつつあります。

また、第二期の健康・医療戦略においては、モダリティに応じた統合プロジェクトに集約され、実用化を強力に推進する体制が整えられたところです。しかしながら、健康・医療戦略推進会議のもとに設置された医薬品開発協議会においても、依然としてアカデミアと企業のシーズに関する捉え方にギャップあることが指摘されています1)。これまでもAMEDの研究開発課題に対しては、実用化に向けて一つ一つ丁寧な進捗管理を実施していますが、最終的に製造販売を行う産業界の視点も踏まえて優れたシーズを見出し、実用化に向けた取り組みを充実させることが望まれます 。

そこで、AMEDは、AMED医薬品プロジェクトの全事業を対象に、研究者と企業有識者が意見交換する場として、有望なシーズを見出す目利き機能を果たし、進むべき創薬プロセスをガイドする役割を担う会議体「AMED アカデミア医薬品シーズ開発推進会議(Frank Conference between Academia and Industry for Leading united Translational Research on Academia Seeds; AMED-FLuX)」を新たに設置します(図)。

図 AMEDの医薬品シーズ開発推進に関する新たな取り組み
※画像をクリックするとPDFが開きます。

本会議は、創薬研究プロセスの豊富な経験と幅広い多様な専門性を有し、日本の創薬イノベーション全体の活性化に貢献するボランティア精神溢れる企業有識者25名に参加いただき、AMED医薬品プロジェクトの中から選定された研究開発課題に対して、実用化に向けた意見を提示いただきます。

AMEDは、本会議を通じて、研究者と企業有識者間で活発な議論が行われ、アカデミアと企業とのギャップが埋まり、さらに実用化への道のりをより明確化することで、アカデミアの研究開発の成果が最短経路で患者さんの元に届けられることを目指します。

1.AMED-FLuXについて

①目的
  • アカデミアと企業の研究者等が自由にディスカッションできる場を提供し、創薬に関する視点や考え方の相互理解を深める。
  • アカデミアと企業間のネットワーク構築の一助とし、両者連携によるオールジャパンでのアカデミア発医薬品創出の可能性を高める。
  • 有望なシーズを見出す目利き機能を果たし、進むべき創薬プロセスをガイドする役割を担う。
  • 本会議の意見を参考としつつ、個々の事情に応じてAMED事業における活用を検討し、企業導出の可能性を増大させる。
②検討対象(以下の全てを満たすものとする。)
  • AMEDの研究開発支援課題。
  • アカデミアによりターゲット探索研究等が実施されている課題。
  • PSPOの推薦があり、本会議にて議論することについて研究者の同意が得られたもの。
③意見交換の内容
  • 医療ニーズと目指す製品のコンセプトを踏まえ、実用化の観点から有望なシーズと判断するために求められることはどのようなものか。
  • 次に実施すべき研究開発項目は何か。
  • 基礎となっている研究開発技術に係る他疾患領域への応用可能性。
※なお、企業有識者は科学技術調査員として委嘱し、厳重な情報管理の下で実施します。
④成果の活用
  • 提示された企業有識者の意見を、個別シーズ開発の推進に活用する。
  • 意見を踏まえて、総論として実用化に向けた課題が抽出された場合には、PSPO等と共有し、医薬品プロジェクト全体の課題管理・運営にも活かす。

2.今後の予定

第1回の開催を令和3年5月頃に予定。

お問い合わせ先

国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)
創薬事業部 医薬品研究開発課
E-mail:flux”AT”amed.go.jp
Tel:03-6870-2219

※E-mailは上記アドレス“AT”の部分を@に変えてください。

掲載日 令和3年4月9日

最終更新日 令和3年4月9日