成果情報 西渕光昭 京都大学東南アジア地域研究研究所教授が、日米医学協力計画の活動等に対し、タイ王国のPrince of Songkla大学から名誉博士号を顕彰
成果情報
京都大学東南アジア地域研究研究所 西渕光昭教授が、タイ王国のPrince of Songkla大学(PSU)から名誉博士号(Doctor of Science (Microbiology), Honoris Causa)を顕彰されました。顕彰にあたって、2016年9月30日にタイのチュラポーン王女殿下から直接学位記が手渡されました。
西渕教授は、京都大学とPSUの部局間Memorandum of Understanding (MOU)に基づいた学術交流や日米タイ共同研究を通じて、PSU理学部微生物学科の大学院生の教育及び研究者の育成に18年間に渡り多大に貢献しており、今般それが高く評価され、顕彰に結びつきました。また、西渕教授は、日米医学協力計画(※1)のコレラ専門部会長として、京都大学西渕光昭教授ラボ、タイPSUのVaraporn Vuddhakul教授ラボ、及び米国ハーバード大学のJohn Mekalanos教授ラボ間のコレラ及び細菌性腸管感染症に関する国際共同研究や国際学術交流を推進してきました。
この顕彰を記念して、PSUキャンパス内にある ”The 60th Anniversary of His Majesty The King's Accession to the Throne lnternational Convention Center”において、第52回日米医学協力計画コレラ合同専門部会会議(※2)が2018年2月20日~23日に開催される予定です。
写真2 Prince of Songkla大学理学部微生物学科の院生・学部生からの祝福
写真3 2017年の韓国での日米医学協力計画コレラ合同専門部会会議での様子
注釈
- (※1)日米医学協力計画
- 日米医学協力計画は、昭和40年(1965年)の佐藤総理大臣と米国ジョンソン大統領の共同声明に基づき、アジア地域にまん延する感染症や免疫、がん、栄養等に関する研究を行う目的で発足したものです。日米医学協力計画の長い歴史を通じて、共同研究や研究者交流を通じた研究者の育成が重視されてきました。
- (※2)第52回 日米医学協力計画コレラ合同専門部会会議
- 日米医学協力計画の9専門部会の中の1つである「コレラおよび細菌性腸管感染症部会」(略称コレラ部会)においては、通常年一回の日米合同総会を日本と米国が交互にそれぞれの国で主催して、コレラ菌、腸炎ビブリオ、各種下痢原生大腸菌、赤痢菌、サルモネラ菌、カンピロバクター菌といった細菌が原因で発生する下痢症を始めとする腸管感染症に関する基礎研究から診断・治療・予防を含む応用研究に至るまで幅広い研究の成果が発表・討議されます。平成29年度の会議は、上記のような経緯によって、タイ国南部のハジャイ市のPSU学内の国際会議施設で2018年2月20日~22日に開催される予定です。ハジャイ市は魚貝類を頻繁に伝統的な調理・喫食することによる腸炎ビブリオ感染症が多発するタイ国南部の中心都市で人口が増加しており、2月23日~24日には都市化したハジャイ市と感染症の発生していないクリーンな離島の生物学的、生態学的、社会・経済学的環境と衛生状態を比較するフィールド調査もオプションとして計画されています。
掲載日 平成29年9月25日
最終更新日 平成29年9月25日