成果情報 佐々木裕之 九州大学教授、高柳広 東京大学教授が、平成30年度上原賞を受賞されました

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佐々木裕之 九州大学生体防御医学研究所教授、高柳広 東京大学大学院医学系研究科教授が、平成30年度上原賞を受賞されました。心よりお祝い申し上げます。

佐々木教授の受賞は、「哺乳類のエピジェネティクス制御機構の解明」に関する業績が評価されたものです。

佐々木教授は、AMED「革新的先端研究開発支援事業 ユニットタイプ(AMED-CREST)「エピゲノム研究に基づく診断・治療へ向けた新技術の創出」研究開発領域」の支援を受け、「生殖発生にかかわる細胞のエピゲノム解析基盤研究」研究開発課題の中で、①生殖系エピゲノム解析に関する基盤研究、②胎盤と関連疾患のエピゲノム解析、③子宮内膜と関連疾患のエピゲノム解析、及び④エピゲノムデータに基づく生殖系遺伝子発現制御機構、の解明を目標とし、国際的にも優れた業績を築きました。この業績が、今回の上原賞の受賞業績の内でも特に重要である「エピジェネティクス機構の異常に基づく数々の疾患の病院解明や治療法の開発を世界に先駆けて行った独創的かつ画期的な研究業績」として示されています。

高柳教授の受賞は「骨免疫学の創始による自己免疫疾患・骨関節疾患の研究」に関する業績が評価されたものです。

高柳教授は、AMED「難治性疾患実用化研究事業」の支援を受け、研究開発課題「RANKL低分子阻害剤による疾患制御の展開に向けた検証研究」の中で、骨粗鬆症、癌骨転移等の骨量減少性疾患の治療標的として知られている破骨細胞分化因子RANKLが、多発性硬化症の増悪因子としても治療標的になることを見いだし、多発性硬化症モデルマウスにおいて、RANKLに対する新規低分子阻害剤の経口投与により中枢神経組織炎症が抑制されることを実証しています。

本年3月11日に都内にて上原記念生命科学財団による贈呈式が行われました。

上原賞について

この賞は、参議院議員として30年にわたり国政に参画し、国政全般のほか、とくに科学技術の振興、勤労者の福祉向上や戦争犠牲者の援助に尽力し、科学技術庁長官も務めた上原正吉氏の遺志を継ぎ、生命科学の発展に大きく貢献し、顕著な功績をあげ、引き続き活躍中の研究者を褒賞するものです。生命科学、特に健康の増進、疾病の予防、および治療に関する以下の分野の研究に対して顕著な功績をあげ、引き続き活躍中の研究者に贈られます。

掲載日 平成31年3月25日

最終更新日 平成31年3月25日