2017年度 研究事業成果集 国際共同研究や国際協力への取り組み

AMEDの国際共同研究や国際協力への取り組み

国際事業部

海外ファンディング機関との連携を強化し国際共同研究を開始

AMEDは国際的な共同研究開発を展開するため、5カ国と「協力に関する覚書(MOC)」に署名し、7つの国際コンソーシアムに参加しています(2018年4月現在)。また、23カ国で研究開発を推進し、8事業で52課題が進行中です。海外との連携の基盤を築くために米国ワシントンD.C.、英国ロンドン、シンガポールの3カ所に海外事務所を開設。世界の情報を収集し、国際的な共同研究開発に貢献するとともに日本の優れた研究成果を世界へ発信しています。

取り組み

海外のFAとの協力体制の構築と国際共同研究の開始

AMEDは2018年4月現在、米国 国立衛生研究所(NIH)注1)をはじめ、シンガポール科学技術研究庁(A*STAR)注2)、英国医学研究会議(MRC)注3)、リトアニア共和国保健省注4)、スペイン王国経済・競争力省 調査・開発・イノベーション担当総局(SEIDI)注5)の5カ国の医療研究開発の支援機関(Funding Agency:FA)と協力に関する覚書(Memorandum of Cooperation:MOC)を結び、協力体制を構築しています。

この覚書の下、少子高齢化が共通の社会問題であるシンガポールのA*STARとエイジング分野において、またスペインのSEIDIとナノメディシン分野において国際共同研究を始めています(医療分野国際科学技術共同研究開発推進事業 戦略的国際共同研究プログラム<SICORP>で実施)。

国際コンソーシアムへの積極的な参加

AMEDは設立以来、7つの国際コンソーシアムに加盟し、国際協力体制を強化しています。2017年度のトピックを二つご紹介します。

●IRDiRCの加盟機関総会をAMEDで開催注6)
IRDiRC(国際希少疾患研究コンソーシアム)は、希少疾患領域のFA、製薬企業、および幅広い希少疾患患者を束ねられる患者団体などが参加する国際コンソーシアムで、①同領域における標準化データ・試料の共有、②希少疾患の分子学的・臨床的解析、③非臨床から治験への橋渡し研究、④倫理/規制に関する手続きの簡素化、などの推進を目指し、協議が行われています。
2017年11月、IRDiRCの第6回加盟機関総会をアジアで初めてAMED本部で開催、IRDiRCの新10カ年目標の策定などに貢献しました。
■IRDiRC加盟機関総会をアジアで初めて開催
2017年11月にAMEDに代表らが集まる
● GACD(慢性疾患国際アライアンス)の国際協調公募に初めて参加注7)
GACDは、低中所得国の非感染症疾患(NCDs)対策研究の支援を目的に設立された組織です。2016年にGACDは世界で増加傾向にある「精神障害」をテーマに、第4回国際協調公募を実施、AMEDは他の11の加盟機関と共に初めて参画しました。それぞれの機関で1次審査を実施した後、2017年9月に2次審査として世界的有識者によるジョイントピアレビューを南アフリカ共和国で行いました。2次審査では2日間で50課題を評価し、AMEDでは2件の研究開発課題を採択しました。
■GACDのジョイントピアレビューに参画
国際的な公募企画への参画は初めて

上述の課題を含め、AMEDの8つの事業では23カ国、合計52課題を採択し、国際共同研究開発を推進しています。
今後も国際共同研究やワークショップ、研究成果に係るデータシェアリングなど、日本と各国の強みを生かした医療の研究開発に向けて、より一層の協力強化を図っていきます。

最終更新日 平成30年11月15日