プレスリリース AMEDは、GACD(慢性疾患国際アライアンス)の国際協調公募に初めて参画し、2件の研究開発課題を採択しました

平成29年11月24日プレスリリース

ポイント

  • AMEDは、GACD※1(慢性疾患国際アライアンス)に加盟する世界の主要な医療研究開発のファンディング機関と協調した研究公募を初めて実施し、採択課題を決定しました。
  • この国際協調公募は、GACDが統一した公募概要、公募方法、審査に基づき、全ての過程が英語で実施されます。
  • AMEDは公募や評価の英語化、また国際レビューアーによる審査の国際化を推進しています。

国立研究開発法人日本医療研究開発機構(以下AMED、理事長 末松 誠)は、平成29年度「地球規模保健課題解決促進のための研究事業」※2において、GACD(Global Alliance for Chronic Diseases:慢性疾患国際アライアンス、以下GACD)及び、GACDに加盟する11の医療研究開発ファンディング機関と協調した公募(GACD collaborative call:Prevention and Management of Mental Disorders)※3実施し、世界の有識者で構成されるジョイントレビューによる審査を経て、採択課題を決定しました。

今回の公募は、AMEDが2016年にGACDに加盟してから初めて参画したもので、AMED評価委員会における1次審査(ヒヤリング審査含む)と、GACDジョイントレビューにおける2次審査の全過程を英語で実施しました。

概要

GACDは、世界規模の非感染性疾患(NCDs)対策研究の支援を目的に設立された組織で、世界の主要な医療研究開発分野のファンディング機関が参加しています(AMEDは2016年に加盟)。今回の公募は、NCDsのうち世界で増加傾向にある“精神障害”をテーマに、加盟12機関が参画して実施しました。GACDが公募概要、公募方法、審査を統一した英語での公募で、提案者は主に、低・中所得国における精神疾患の予防・対策に関する提案を英語で行いました。

全参画機関に対し、約200課題の研究提案応募がありました。それぞれの機関で1次審査を実施した後、2次審査は各参加機関が推薦したグローバルヘルス、精神疾患、疫学等の専門性をもつ30名の世界的有識者によるジョイントレビューが南アフリカ行われ、2日間で約50課題を審議しました。AMEDは、1次審査と2次審査の結果を基に、総合評点の高い2課題の提案を採択決定しました。(採択課題については別紙参照)。

AMEDがこのような多国籍のレビューアーによって構成されるジョイントレビューに参加したのは初めてのことです。世界トップクラスの提案やレビューに触れ、また、海外の研究提案内容との比較を通じて我が国の研究提案における強み・弱みを抽出する貴重な機会となりました。
今回の学びを今後の公募運営に役立てるとともに、英語による研究公募や課題評価、国際レビューアーによる審査等による評価の国際化をより一層推進していきます。

なお、採択された研究者は、GACDが主催するAnnual Scientific Meeting に毎年参加し、研究の進捗や成果について、他機関に採択された研究者と情報共有を行います。研究終了後には共同研究報告書も作成される予定です。



GACD ジョイントピアレビュー(写真はGACDにより公開許可が得られているものです)

用語解説

※1 GACD (Global Alliance for Chronic Diseases)
非感染性疾患(慢性疾患)による死亡は世界で増加傾向にあります。死亡全体の70%を占めており、うち80%は低・中所得国での死亡であると報告されています。GACDは、世界の慢性疾患対策、特に低・中所得国において実施可能でエビデンスのある介入方法の研究を推進する世界的な枠組みとして2007年に設立されました。また、研究成果をWHO・世界銀行と連携して効果的に展開するメカニズムを構築し、その予算規模も急速に拡充しています。2017年現在、世界の公的医療研究資金の80%を扱う以下の14ヶ国14機関により構成されています。なお、AMEDは2016年6月にGACDに加盟し、末松理事長はGACD理事会のメンバーです。
 
※2 地球規模保健課題解決推進のための研究事業 について
地球規模の保健課題(感染症対策、母子保健、高齢化、非感染性疾患、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジの達成など)に関して、疾病の原因究明、予防法の検討、疾病の治療法や診断法の標準化等に関する研究を推進しています。具体的には、我が国においてこれまで蓄積してきた保健医療分野の知見や経験を活かし、先端的な科学技術を活用することにより、各国の状況に応じた対策につながる研究を支援すること、並びに、国際機関等における規範設定に資するための成果を創出していくことを目指しています。
※3 GACD collaborative call:Prevention and Management of Mental Disorders
GACDは2007年の設立以来、これまでに下記の国際協調公募を実施しており、AMEDは今回(第4期)の精神疾患にかかる公募から参画しました。精神障害は世界的に大きな疾病負荷(特定の疾病による死亡率、疾病率、経済的コストを総合的に勘案して指標化したもの)となっており、経済的発展にも悪影響を及ぼすと言われています。約14%の世界的疾病負荷が精神障害に起因しますが、低所得国ではそのうち75%が必要な治療を受けられない状況です。近年WHOが、メンタルヘルスに関する種々の国際保健政策を策定、また持続可能な開発目標(SDGs)においてもターゲットとして設定される等、メンタルヘルスの向上については国際的な関心が高まっています。

(これまでのGACD国際協調公募)
【第1期】高血圧(2012年~2017年)
【第2期】2型糖尿病(2014年~)
【第3期】肺疾患(2015年~)
【第4期】精神疾患(2017年~)
【第5期】協議中

関連リンク

(別紙)採択者一覧

研究開発課題名 研究開発代表者 所属先・役職 研究概要
Mental health promotion at workplace in low- and middle-income countries in Asia
(アジアの低中所得国における職場のメンタルヘルスの推進)
川上憲人 東京大学大学院 医学系研究科 教授 アジア各国が高齢化する中、医療従事者への要求度が高まり、ストレスが増加しています。この研究ではベトナムの病院看護師のストレスマネジメントプログラムを開発して、その効果を検証します。
A Study on Rights-based Self-learning Tools to Promote Mental Health, Well-being & Resilience after Disasters
(災害時の精神保健・心理社会的ウェルビーイング及びレジリエンスのための人権に配慮した自己学習ツールの開発に関する研究)
金吉晴 国立研究開発法人 国立精神・神経医療研究センター 精神保健研究所 成人精神保健研究部 部長・災害時こころの情報支援センター センター長 毎年のように災害が起きている東南アジア諸国では心のケアに必要な人材が不足しています。この研究ではWHOの心理的応急処置(PFA)のeラーニングの効果検証をマレーシアなどで行います。

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〒100-0004 東京都千代田区大手町1-7-1
Tel:03-6870-2215
E-mail:chikyukibo”AT"amed.go.jp

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E-mail:contact”AT"amed.go.jp

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最終更新日 平成29年11月24日