AMEDについて GACD(慢性疾患国際アライアンス)への加盟、活動状況

GACDとは

世界では死因の60%を非感染性疾患、つまり慢性疾患がしめており、このうち80%は低・中所得国で発生しています。この状況を鑑み、慢性疾患国際アライアンス GACDは、低・中所得国における慢性疾患対策の政策立案とその実行に資する研究を推進し、体系的なエビデンスを形成することを目標として、平成21年11月に設立されました(Nature 450(2007)494-496)。GACDは、加盟各国による世界規模の共同研究を支援しており、平成27年までに3つのプロジェクト(高血圧、糖尿病、肺疾患)の36課題が実施されています。

平成29年1月現在、GACDには13ヶ国から13機関もの主要なファンディング機関が加盟しています。平成28年6月に加盟したAMEDもそのひとつです。

近年、GACDの政策目標は、WHOの政策に反映される傾向があります。また、日本の健康・医療戦略にも指摘されているとおり、日本のみならずアジア各国においても急速な高齢化が進んでいます。このような状況のなか、GACDを通じて国際的な議論や動向を注視し、国際的な共同研究の枠組に積極的に参加していくことは、AMEDの活動に、また日本の医療の発展にも、大いに資するものと期待されます。
GACDの概念図
GACD事務局は英国ロンドンのユニバーシティ・カレッジ・ロンドン内にありますが、平成29年3月に、ウェルカム・トラスト本部内へ移転する予定です。GACDの組織は、理事会、運営委員会等から構成されており、GACDに加盟する各国ファンディング機関と協調して、プロジェクト研究の推進やサイエンスワークショップの開催等の活動を行っています。

GACDが実施する各プロジェクトに含まれる個々の研究の支援は、GACDではなく加盟機関がそれぞれファンドしています。
GACD加盟国(13カ国、13機関)

AMEDのGACD加盟

AMEDは平成28年6月に東京で開催されたGACD理事会において正式に加盟しました。加盟に伴い、AMED末松理事長が理事に、AMED秋月ロンドン事務所長が運営委員に、それぞれ就任しました。

GACD理事会は、年2回の会合(6・12月)と電話会議(3・9月)を開催しています。理事はその他の委員会、ワークショップに参加して、最新情報を迅速に入手することができます。運営委員会の会合は、年1回の定期開催と、プロジェクトの進捗状況に応じた不定期開催があります。これらの会合を通して、慢性(非感染性)疾患におけるホットな話題や、継続的に議論されている課題についての経過、解決案などの情報分析を行うことができます。これをAMED内に展開し、日本と海外の研究者のネットワーク形成を促して、国際連携を推進する活動をしています。

写真1枚目
写真2枚目







 

 

平成28年6月14日に東京で開催されたGACD理事会において、AMEDのGACDへの加盟が承認されました。なおこの東京会議では、AMEDが開催幹事となり、アジェンダ準備や招聘者へのサポートをおこないました。

AMEDの国際協調公募への参加

GACDが平成28年から準備を進めてきた「メンタルヘルス」のプロジェクトについて、AMEDは平成29年2月より、このプロジェクトに参画する他のファンディング機関とともに、国際協調公募を開始します。この公募よって、AMEDがめざす「英語による研究課題の提案とピアレビューの確立」が促進され、日本の医学・生命科学分野の国際連携や競争力の向上に繋がると期待されています。
概念図3

最終更新日 平成29年8月15日