GEM Japan All of Us
国(運営主体)
米国(NIH)
目的・目標
100万人超規模の人種等多様性を反映した全米リサーチコホートを構築、医療・健康に関する研究開発を加速し、精密医療をすべての疾患に展開する。
概要
- 多様性(人種、民族、年齢、居住地域、性別、健康状態等)を重視した大規模コホート。
- 参加者は「対象」ではなく「パートナー」と位置付けられ、自身のデータにアクセスできる。
- 収集するデータは、生体試料(血液、尿)、EHRデータ、身体計測データ、既往歴、家族歴、ライフスタイルやコミュニティの情報、ウェアラブル計測データ等々。ヒトの健康状態の全体像を把握する情報を網羅して収集する。
- 最初の5年間で参加者のリクルートを終了し、プログラム期間中(最低10年間)半年毎のEHRデータの更新等、継続したフォローアップを実施する。
- すべてのデータは暗号化を施された上で、厳格な個人情報保護規格にしたがった安全なクラウドコンピューティング環境に保存される。
- データは広く様々な研究者が利用することができる。ただし、データを利用する研究者は、倫理トレーニングを受講しデータ利用行動規範に同意する必要がある。
- 登録された研究者は、安全な専用プラットフォームからアクセスが可能。ただし、データを持ち出すことはできない。
- All of Us IRBを設置。一つのIRBで本プログラム全体(各種プロトコル、インフォームドコンセント、その他参加者に提示する資料すべて)の審査を行う。
- 予算は、2016年から10年間で15億ドル(約1,618億円)が承認されており、2016年度130百万ドル(約140億円)、2017年度230百万ドル(約248億円)、2018年度290百万ドル(約313億円)が充てられた。
現状・トピックス
- データ:参加者数 301,000+、生体試料数 239,000+、EHR数 153,000+(2019年12月時点)
- 2018年3月、第一回リサーチワークショップを開催した。全米から研究開発者等350名が参加し、研究の優先事項について3日間にわたり活発な議論が行われ、本コホートの活用方法(ユースケース)に関する1,100以上のアイデア等がまとめられた。
- 2018年8月、研究開発者にデータを公開するためのWebサイト(All of Us Research Hub)を開設した。
- 2019年5月、当プログラムで収集したデータの各種統計値を閲覧できるデータブラウザを公開した。
- 2019年4月、GA4GH Connect Implementation Meeting(英国)において、2019年5月にパブリックデータ(aggregated data)、2019年冬ごろに初回の研究者向けデータ (生データ)をリリースする予定を発表した。
- 2019年6月、ELSIワークショップを開催、ELSIの観点から本プログラムのプロトコル改良等の議論が行われた。
基本情報
経緯
- 2015年1月、オバマ大統領(当時)が一般教書演説の中でPrecision Medicine Initiative(PMI)推進を宣言
- 2015年9月、NIHにてPMI Working Group設置、PMIコホートプログラム策定(PMI-WG Final Report)
- 2016年10月、PMIコホートプログラムの名称を「All of US Research Program」と命名
- 2017年6月、参加団体へのファンディング等の準備期間を経て試験運用を開始
参加団体
全米の100以上の関連団体が参加し、300以上の施設がサンプル収集等で協力している。
- バイオバンク:Mayo Clinic
- ゲノム情報センター:Baylor College of Medicine / The Broad Institute / University of Washington
- データ解析センター:Vanderbilt University Medical Center他、計5施設
- 医療機関:Columbia University Medical Center、University of California, San Francisco、U.S. Department of Veterans Affairs Medical Centers等
GA4GHへの貢献
- Work Streams: Data Use & Researcher Identities / Data Security / Clinical & Phenotypic Data Capture / Regulatory & Ethics
- Tool kit: Data Use Ontology / Breach Response Protocol / Pedigree Representation / Return of Results Policy
Champions
- Anthony Philippakis (Broad Institute)
- David Glazer (Verily)
対象疾患・領域
Rare Disease, Cancer, Complex Traitsリンク
掲載日 令和元年7月25日
最終更新日 令和元年12月10日