GEM Japan BRCA Challenge

国(運営主体)

国際連携

目的・目標

全世界からBRCA1/BRCA2遺伝子のバリアント情報や臨床情報を集積し、乳がんや卵巣がん等の遺伝的基礎に関する理解を促進する。

概要

  • ポータルサイトBRCA Exchangeを開発し、BRCA1/BRCA2遺伝子変異に関する情報を公開。
  • 変異情報はClinVarLOVD(Leiden Open Variation Database)等の様々な遺伝子変異に関連するデータベースから集められ、必要に応じてENIGMAコンソーシアムにて病原性等の評価を行った上で登録・公開されている

ENIGMA:Evidence-based Network for the Interpretation of Germline Mutant Alleles
主にBRCA1/BRCA2遺伝子変異を解析・評価する国際コンソーシアム。
オーストラリアおよびNIH、Mayo Clinicからファンディングを受けている。

  • 各バリアントについて、最も信頼性の高い臨床的解釈とその作成時期さらには根拠データについて情報を提供。Summary ViewではENIGMAの臨床的解釈のみ、Detail Viewではアレル頻度など各バリアントのより詳細情報を得ることが可能。
  • データはウェブサイトから直接またはGA4GH APIを介してダウンロードすることができ、データ利用ポリシーに従い再利用や再配布等を行うことができる。スマートフォンアプリ(Android / iOS)からも利用可能。
  • 技術面のみならず、GA4GHと連携してELSI (Ethical, Legal and Social Issues) 課題を整理し、多国籍の患者データを国際的に共有するためのモデル構築にも力を注いでいる。
  • NCI、Cancer MoonshotおよびBD2Kから資金提供を受けている。

NCI:National Cancer Institute、NIHの構成機関。
Cancer Moonshot:2016年1月にオバマ大統領(当時)が立ち上げたがん撲滅の取組。
BD2K:Big Data to Knowledge Program、ビッグデータを知識に展開する生物医学分野の研究に資金を提供するNIHのファンディングプログラム。

現状・トピックス

  • 2016年10月に初版(Version 1)を公開後、月一回の頻度で情報を更新。
  • 2019年8月19日(Version 32)時点で、全26,375個のBRCA1/2の変異(BRCA1が12,628個、BRCA2が13,747個)が登録され、そのうちENIGMAにて7,256個の変異が解析され4,826個の変異が病的変異と分類されている。
  • 全世界から多くの関係者(研究者、臨床医、遺伝カウンセラー、支援団体等)がサポーターとして登録し、情報共有等を行っている(2019年8月時点で計279名、日本人は6名)。
  • 資金調達のため1ドルからの寄付(「1ドルあたり2人の患者がより良いBRCAデータにアクセスできるようになる」と説明)も募集している。

基本情報

経緯

  • 2014年3月、Sir John Burn教授(Newcastle University)が第1回GA4GH Plenary Meetingにて本プロジェクトを提案し、GA4GHのデモンストレーションプロジェクトとして推進することが合意された。Sir John Burn教授は、NCIのStephen Chanock氏と共にステアリングコミッティを構成しプロジェクトの目標を定めた。
  • 2015年6月、パリのUNESCO本部にて、HVPおよびENIGMAと協働で本プロジェクトの推進に関する会議を開催。全世界の関連する研究所や企業、団体の研究者や関係者が参加し、データ共有のビジョンなどプロジェクトの進め方を討議し、ワーキンググループを構成し活動を開始した。
  • 2016年10月、BRCA Exchangeの初版を公開。
  • 2017年9月、Android / iOSアプリを公開。

参加団体

GA4GHへの貢献

  • Work Stream: Clinical & Phenotypic Data Capture / Regulatory & Ethics / Data Security / Discovery / Genomic Knowledge Standards /
  • Tool kit: Breach Response Protocol / Clinical Data Exchange (FHIR/Phenopackets) / Pedigree Representation / Variant Annotation: Data Model

Champions

対象疾患・領域

Rare Disease, Cancer

リンク

掲載日 令和元年9月5日

最終更新日 令和元年9月5日