プレスリリース AMEDの「GEM Japan」プロジェクトがGA4GHのドライバープロジェクトに参画します

平成31年2月4日プレスリリース

国立研究開発法人日本医療研究開発機構

  • GA4GHは、国際標準の倫理的な配慮の下、各国間でゲノムデータを共有(データシェアリング)することによりゲノム情報を用いた医療や医学の発展を目指す国際協力組織です。GA4GHには2019年時点で50カ国、500超の機関(各国政府の研究費配分機関、研究機関、企業等。日本からはAMEDを含む15機関)が加盟しています。
  • この度、日本のゲノム医療実現に向けたAMED各事業の成果を統合する「GEM Japan」プロジェクトが、2019年3月付でGA4GHの基幹プロジェクト(ドライバープロジェクト)の一つとして指定を受け、わが国のゲノム研究プロジェクト群が世界を先導しているとの高い評価を得ました。アジアで最初の基幹プロジェクトです。
  • AMEDは「GEM Japan」プロジェクトを通じて、ゲノム医療の実現に向けた各事業に関わる日本全国の大学、研究所、病院等と協力体制をより強固にするとともに、ゲノムデータの共有方法の世界標準の策定を主導します。これによりわが国のゲノム医療の社会実装を加速するとともに、ゲノム医療分野の世界標準の策定を先導することはわが国のゲノム医療に関連する産業の健全な発展につながると期待されます。
  • AMEDは、国内におけるゲノム情報に関する法的・倫理的な規約を遵守した上で、国境を越えたデータ共有を推し進め、ゲノム情報に基づく希少難治性疾患・未診断状態の患者さん等の診断、各患者さんに最適な治療法の選択、生活習慣病を含めた幅広い疾患における各人に最適な診断・治療法の選択と予防法の確立を目指す研究プロジェクト群を支援し、日本と世界の健康長寿の向上に貢献します。

概要

国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED、理事長 末松誠)は、「ゲノミクスと健康のための世界連合」(Global Alliance for Genomics and Health、略称GA4GH※1)の基幹プロジェクト※2に「GEM Japan」(GEnome Medical Alliance Japan、ジェムジャパン)プロジェクトを提案し、指定されました。AMEDは本基幹プロジェクトへの参画を通じて、我が国のゲノム医療の社会実装に研究開発面から貢献して参ります。世界が協力してデータシェアリング※3を進めることにより、全世界の疾患ゲノム研究が大きく前進すると期待されます。更に、ゲノム医療に関連する産業の健全な発展につながることも期待されます。

近年の大規模なゲノム解析技術や情報処理技術などの飛躍的な進歩・発達にともない、ヒトのゲノムデータ及び健康医療に関するビッグデータが注目され、これらを責任を持って安全に国内外で共有することは、人々の健康を維持・増進するための研究を加速するうえでますます重要となっています。GA4GHはその実現に向けた世界的な取り組みを主導している組織で、AMEDは2016年に加盟しました。GA4GHの基幹プロジェクトとして、2017年10月から、米国のAll of Us、英国のGenomics England、豪州のAustralian Genomics、カナダのCanDIG等15のプロジェクトが参画しています。今回「GEM Japan」は、他の6つのプロジェクトとともに新規に指定されたものです。

AMEDが提案した「GEM Japan」は、データシェアリングを進めながらゲノム医療の実現を目指すAMEDの各事業に関わる大学、研究所、病院等と日本全国規模で協力体制を築き、個人のゲノムデータ及び健康医療に関するデータの適切なシェアリングと研究利用を促進し、ゲノム医療の実現を目指すものです。具体的には、AMEDが策定した「ゲノム医療実現のためのデータシェアリングポリシー」の対象事業である、臨床ゲノム情報統合データベース整備事業※4、ゲノム医療実現推進プラットフォーム事業※5、ゲノム研究バイオバンク事業※6や東北メディカル・メガバンク計画※7により取り組むこととしており、当面は、日本人全ゲノム解析※8に基づく日本人バリアント※9頻度情報の公開、日本人の疾患関連バリアント情報の公開、AMED-GA4GH GEM Japanワークショップの開催等による協力を進めます。

AMEDは、ゲノム関連情報の研究参加者の同意や個人情報の保護などを含む法的ならびに倫理的な取り扱いに十分に配慮した上で、その国内外の垣根を越えたデータシェアリングを推し進め、診断そのものが難しい既存疾患を持つ患者さんのゲノム診断や、世界のゲノム医療と健康長寿の向上に貢献することを目指します。

用語解説

※1 GA4GH(「ゲノミクスと健康のための世界連合」)
2013年に発足。研究参加者の同意や個人情報の保護等の配慮のもとでゲノム情報等のデータシェアリングを可能とするための基盤的な枠組みの構築や技術的な国際標準の設定をすることを目的とした国際協力組織(任意団体)であり、2019年時点で50カ国、500超の機関(日本からはAMEDを含む15機関)が加盟している。2017年からは15の基幹プロジェクトと、技術開発の専門家からなる8つのWork Stream※10により2022年までのゲノム医療実現に向けた活動が行われている。
※2 基幹プロジェクト
GA4GHのWork Streamが開発するデータシェアリング技術や世界標準について、社会ニーズを鑑み活動方針の決定を担うとともに、開発結果の自機関における実利用と評価を担うプロジェクトである。原語ではDriver Projectと称する。Genomics England(英国)、Australian Genomics(豪州)、All of Us(米国)などNational Initiativeとして参画しているプロジェクトや、Matchmaker Exchange、BRCA Challengeなどの国際的取組として参画しているプロジェクトなどがあり、これらの基幹プロジェクト間での国際的な連携も期待される。
Genomics England
英国10万人の全ゲノム解析などを行うなど、英国のゲノム研究とゲノム医療産業育成を推進する英国国立衛生研究所等出資の国営企業による活動
Australian Genomics
オーストラリアのゲノム医療実施機関を統合し、ゲノム医療の実現を図るプロジェクト
All of Us
米国民100万人の健康情報を収集して、個別化医療の実装につなげることを目指している米国NIHによるプロジェクト
Matchmaker Exchange
遺伝型・表現型をもとにした未診断症例を比較して新しい疾患の診断を確定するシステムを構築している国際プロジェクト
BRCA Challenge
乳がんと卵巣がんの遺伝的解明を進めるため、BRCA1/2遺伝子変異と臨床情報を世界的に収集している国際プロジェクト
※3 データシェアリング
研究等により得られたゲノム情報等のデータを研究グループ内や第3者等との間で共有等すること。
※4 臨床ゲノム情報統合データベース整備事業
ゲノム情報と疾患特異性や臨床特性等の関連について日本人を対象とした検証を行い、臨床及び研究に活用することができる臨床情報と遺伝情報を統合的に扱うデータベースを整備するとともに、その研究基盤を利活用した先端研究開発を一体的に推進している事業。平成28年度より実施。
※5 ゲノム医療実現推進プラットフォーム事業
ゲノム医療の実現を目指し、既存のバイオバンク等を研究基盤・連携のハブとして再構築するとともに、その研究基盤を利活用した目標設定型の先端研究開発を一体的に推進する事業。平成28年度より実施。
※6 ゲノム研究バイオバンク事業
我が国の3大バイオバンクの一つであり、世界最大級の疾患バイオバンクであるバイオバンク・ジャパンについて、保有する試料・情報の利活用を促進するとともに、他のバイオバンクと試料・情報の横断検索等を通じて連携し、我が国のバイオバンクが総体として利活用されるように取り組み、ゲノム医療の実現への貢献を目指す事業。平成30年度より実施。
※7 東北メディカル・メガバンク計画
被災地を中心に15万人規模の健康調査を行いその結果を回付することや、医療関係人材の派遣による地域医療支援、15万人規模のゲノム情報を含む前向き住民コホートの形成やそこから得られた試料・情報によりバイオバンクを構築し、ゲノム医療に役立つ研究基盤を提供している事業。平成23年度より実施。
※8 全ゲノム解析
生物がもつ遺伝情報のセットをゲノムと呼ぶが、その全てを解析することを全ゲノム解析と呼ぶ。ヒトにおいては、一人あたり約30億塩基分x2セット持ち、その全ての情報を解析すること。
※9バリアント
標準となる配列とは異なること。置換(塩基が置き換わっていること)、欠失(塩基がなくなっていること)、挿入(塩基が挿入され、増えていること)などがある。
※10 Work Stream
国際的なデータシェアリングを進めるために必要な技術的、基盤的課題について検討し、ツールの開発等を進める国際連携グループ。8つのWork Streamにより構成され、各基幹プロジェクトと連携して作業を進めている。

お問い合わせ先

国立研究開発法人日本医療研究開発機構 
基盤研究事業部バイオバンク課
〒100-0004 東京都千代田区大手町1-7-1
Tel:03-6870-2228
E-mail:GEMJ-contact”AT”amed.go.jp

報道に関するお問い合わせ先

日本医療研究開発機構 経営企画部 企画・広報グループ
〒100-0004 東京都千代田区大手町1-7-1
Tel:03-6870-2245
E-mail:contact”AT”amed.go.jp

※E-mailは上記アドレス"AT"の部分を@に変えてください。

(令和元年6月13日更新)

最終更新日 平成31年2月4日