プレスリリース 平成31年(令和元年)度 採択研究課題の概要
プレスリリース
研究課題名 | 熱帯アフリカのマラリア撲滅を目指したコミュニティー主導型統合的戦略のための分野融合研究 | 研究期間 | 5年間 | ||
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研究代表者名 (所属機関・役職) |
金子 明 (大阪市立大学 大学院医学研究科 教授) |
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相手国名 | ケニア共和国 | 主要相手国研究機関 | マウントケニア大学 ケニア中央医学研究所(KEMRI) ホマベイ郡政府保健局 |
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研究課題の概要 | |||||
ミレニアム開発目標の努力にもかかわらず、熱帯アフリカでは5歳以下小児を中心に年間50万人がマラリアで命を落としている。その背景には、隠れた感染源としての無症候性感染者、媒介蚊が獲得する殺虫剤・行動耐性、予防や治療における不適切な人間行動などの課題がある。本研究はケニア・ヴィクトリア湖地域において、治療システムとコミュニティー介入における分野融合の実証研究を通じて、対象地の5歳以下小児マラリア死亡ゼロを目指し、熱帯アフリカのマラリアベルト地帯における有効で実施可能な撲滅対策パッケージを提案する。本研究開発では、従来マラリア対策の対象とはされなかった無症候性感染に対する普遍的診断治療アプローチを実施することにより、5歳以下小児死亡を引き起こすマラリア伝播の制圧に挑む。またマラリア診断・治療や媒介蚊対策における新技術を導入すると同時に、行動経済学的アプローチによる住民の意識改革、行動変容を図る。対策の要となるマラリア撲滅センターでは、乱立する健康データの統合を行い、分野融合研究基盤の構築、さらには人材育成、研究交流、資金調達を加速させ、熱帯アフリカにおける統合的マラリア撲滅戦略を策定する。 |
研究課題名 | モンゴル国における結核と鼻疽の制圧 | 研究期間 | 5年間 | ||
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研究代表者名 (所属機関・役職) |
木村 享史 (北海道大学大学院獣医学研究院 教授) |
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相手国名 | モンゴル国 | 主要相手国研究機関 | モンゴル国立感染症センター | ||
研究課題の概要 | |||||
モンゴルは東アジアに位置する内陸国で、日本の4倍の面積の国土に約300万人の国民が暮らしており、6千万頭に至る家畜が飼育されている。モンゴルは世界でも最も結核が流行している国の一つであるが、動物における結核の疫学は全く不明な状況である。また近年、馬に呼吸器疾患を引き起こす伝染病である鼻疽の発生件数が増加している。本プロジェクトでは、モンゴルにおいて流行する人獣共通細菌感染症である結核と鼻疽に焦点をあて、日本とモンゴルの獣医学および医学研究者が協働し、疫学調査、迅速診断法の開発を行う。動物とヒトにおける結核と鼻疽の蔓延状況を調査し、動物-ヒト間、動物ー動物間における病原体の伝達の有無を明らかにする。また、簡便かつ高感度なウシ型結核菌、鼻疽菌の遺伝子診断法(乾燥LAMP法)ならびに鼻疽菌の血清診断法(イムノクロマトグラフィー法)を開発、有効性を検証し、既存のヒト型結核菌に対する乾燥LAMP法と共に、モンゴル国内に普及する。得られた技術によってモンゴルのみならず他国においても結核、鼻疽に罹患する動物の特定と対策が可能となり、家畜衛生、公衆衛生の向上が期待される。 |
※研究課題の並びは、研究代表者名の五十音順です。また、研究課題名は採択時のものであり、相手国関係機関との実務協議などの結果、変わることがあります。
掲載日 令和元年5月16日
最終更新日 令和元年5月16日