プレスリリース 令和2年度 採択研究課題の概要

プレスリリース

研究課題名 ミャンマーにおける革新的AMRサーベイランスシステムの構築とAMR診断技術の開発研究 研究期間 5年間
研究代表者名
(所属機関・役職)
切替 照雄
(順天堂大学 大学院医学研究科 教授)
相手国名 ミャンマー 主要相手国研究機関 ミャンマー国立衛生研究所
研究課題の概要
地球規模で拡大している薬剤耐性菌(AMR)の克服は、人類が共同で取り組むべき最重要課題である。アジアにおけるAMRの実態は明らかになっていない。AMR克服には、日本とアジア諸国との学術的な連携が必須である。本研究の目的は、ミャンマー国立衛生研究所(NHL)と共同でAMRサーベイランスシステムを構築し、アジアで流行している薬剤耐性因子およびその伝播様式を明らかにすることである。継続的なサーベイランス実施のための診断技術を開発する。ミャンマーのAMRの実態を明らかにするために以下の項目を実施する。NHL及び16病院と共同で、実施可能なAMRサーベイランスネットワークを構築する。最終的にはミャンマーのナショナルデータを作製する。NHLのAMRセンターを整備し、全ゲノム情報に基づいた分子疫学サーベイランスを実施する。One Healthアプローチとして、7病院の周辺環境及び市中環境へのAMR流出を調査する。以上の研究を通じて、ミャンマーにおける本分野の人材確保・育成強化及び制度化の促進等の社会実装を達成する。
研究課題名 感染症創薬の実現に向けた薬剤の至適化と前臨床試験の確立 研究期間 5年間
研究代表者名
(所属機関・役職)
野崎 智義
(東京大学 大学院医学系研究科 教授)
相手国名 インドネシア/マレーシア 主要相手国研究機関 バイオテクノロジー研究所、技術評価応用庁(インドネシア)/マラヤ大学、教育省(マレーシア)
研究課題の概要
三大感染症や新興再興感染症に対し新規創薬を行うことは、科学技術を基軸とする日本の国家目標にも、持続可能開発目標SDGsにも良く合致している。日本は天然資源から抗感染症薬を発見し、研究開発する豊富な経験と実績を有するが、製薬企業での天然物分野の廃止や安全性試験の海外委託などの現況から、この分野を充分に応用・発展させていないと考えられている。本研究は、アジア3カ国の得意分野を持ち寄り、微生物資源整備から候補薬剤の安全性試験までを開発途上国内で実施できる技術・人的基盤を実装することを目的とする。天然物資源からの感染症創薬は5段階で実施される:①ライブラリー整備、②標的選定・阻害剤探索・候補化合物選定、③構造至適化、④前臨床試験による安全性・薬効評価、⑤臨床I-III相試験。我々は①-②を目的として実施した前SATREPSの成果を基盤として、アジア2カ国(インドネシア・マレーシア)と、開発途上国での創薬基盤を社会実装するために不可欠な次の段階③-④に重点を置きつつ、4つの国際感染症(結核・デング・マラリア・アメーバ症)に対して3国間国際創薬共同研究を実施する。

※研究課題の並びは、研究代表者名の五十音順です。

掲載日 令和2年6月25日

最終更新日 令和2年6月25日