トピックス 石原伸晃大臣が慶應義塾大学を訪問、AMEDが支援する最先端の医療研究開発を視察されました

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石原大臣と岡野栄之・慶應義塾大学医学部長

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脊髄損傷したラットのリハビリテーションの様子

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iPS細胞を顕微鏡で観察する石原大臣

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ニューロリハビリテーションを体験

平成28年7月22日、石原伸晃健康・医療戦略担当大臣が慶應義塾大学信濃町キャンパスを来訪、再生医療研究やニューロリハビリテーション研究等、AMEDが支援している最先端の医療研究開発について、2時間にわたり視察されました。

岡野栄之医学部長からの概要説明後、まずiPS細胞を用いた脊髄損傷等の再生医療研究を見学されました。現在、有効な治療法がない脊髄損傷に、腫瘍化しない安全な神経幹細胞をiPS細胞を用いて作製・移植し回復させることを目指しています。iPS細胞移植後の脊髄損傷マウスの様子や、ラットによるリハビリ訓練の様子などを熱心に見学されました。

次に訪れたのは福田恵一教授の研究室。iPS細胞を用いた重症心不全の治療に関する研究で、慶應義塾大学が世界で初めて開発した、iPS細胞を用いて心筋細胞を大量培養する技術や、心筋細胞だけを超高純度に純化精製する技術を見学されました。平成27年度の調整費によって開発した心筋大量培養用ロボットに高い関心を示されました。

続いて、難病の患者さんから提供されたiPS細胞と、そのiPS細胞から作成した神経細胞を顕微鏡で観察されました。iPS細胞により病態の再現が可能になることで、創薬研究や毒性研究のスピードを速めることができます。

里宇明元教授の研究室では、現在開発中のニューロリハビリテーション(脳の活動情報を検知して医療機器が運動をアシストする回復訓練)機器を体験されました。大臣が脳波を読み取るヘッドセットを装着し、持っている赤い木製のペグを「手を開いて離す」イメージをしたところ、手に装着した機器が開いてペグが落ちました。脳梗塞後の運動麻痺に対しては現在効果的な治療法はありませんが、脳が覚えている運動イメージを読み取り、ロボットが運動をアシストして身体に正しく伝えることで麻痺を回復するリハビリ機器の開発が進められています。

視察後の意見交換では、慶應義塾大学医学部の先進的な再生医療研究に感銘を受け、臨床現場の実用化、研究拠点の拡大などに公平に予算を配分し、裾野が広がっていくような小さな規制改革をどんどん行い、成長戦略を進めるために、行政として課題を共有し協力していきたいとのお言葉をいただきました。

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掲載日 平成28年8月1日

最終更新日 平成28年8月1日