社会共創(Social Co-Creation) TOGETHERプロジェクト(山口班)ウェブサイト 精神疾患領域の研究における共創プラットフォームの開発研究

Project of Teaming up to Organize, Guide, and Enrich The Harmonization of lived Experience and Research

研究概要

(1)私たちが目指していること

私たちは、当事者と研究者が一緒に研究計画を組み立てたり、データを分析したり、あるいは一緒に成果発表をする活動を広めたいと思っています。当事者と研究者が一緒に研究に取り組む活動は、「患者・市民参画(Patient and Public Involvement:PPI)」あるいは「患者・市民参画とエンゲージメント(Patient and public involvement and Engagement: PPIE)」と呼ばれています。本プロジェクトはPPI/PPIEを促進するために、精神障害当事者と研究者をつなぐオンラインのプラットフォーム(webサイト)を作成したいと考えています。このプロジェクトを通して、私たちは将来的に多様な領域における研究でPPI/PPIEが取り組まれることを目指しています。

(2)研究の背景

「研究は専門家の仕事!」と思う方が多いかもしれません。しかし、専門家の関心と当事者のニーズがずれていることは、これまでもたびたび指摘されてきました。この文脈から、当事者が疾患・障害の「経験(lived experience)」のある専門家として、研究チームに参画し、研究者と一緒に調査に取り組むPPI/PPIEが国内外で注目を集めています。PPI/PPIEへの国際的な関心が高まる一方で、国内ではPPI/PPIEがそれほど広まっているわけではありません。その背景には、当事者と研究者の双方において、PPI/PPIEについて知らない、どのようにお互いに連絡をとってよいかわからない、どこから手をつけたらよいかわからないなどの理由があると考えられます。これらの背景から、私たちは今回、当事者と研究者をつなぐプラットフォームの開発に着手することになりました。

(3)現在思い描いているプラットフォームのイメージ

私たちは、PPI/PPIEに関心を持つ全国の当事者と研究者が登録できるオンラインのプラットフォームを作りたいと思っています。登録者には、自身の研究テーマや関わりたい研究に関する希望、経験してきた内容などを入力してもらいます。また、必要に応じて、学習コンテンツ動画なども視聴してもらいます。事務局のコーディネーターは、登録情報を基に当事者と研究者をつないだり、両者の相談に乗ったりしながら、PPI/PPIEを取り入れる研究のお手伝いをします。プラットフォームのルールやコーディネーターの役割については、今後研究で議論する予定となっています。本プロジェクトの成果として、プラットフォームの構築過程や試験運用の結果を報告する予定です。

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研究の進め方

(1)全体像

本プロジェクトは、下記5つのグループで構成されています。

  1. プラットフォームの構築を図るグループ
  2. 研究者向けの学習コンテンツを作成するグループ
  3. 当事者向けの学習コンテンツを作成するグループ
  4. 多様な研究方法におけるPPI/PPIEを模索するグループ
  5. 多様な当事者が利用可能なプラットフォームの在り方を模索するグループ

(2)どのように研究を進めるのか?

私たちは、本プロジェクト自体もPPI/PPIEを取り入れて進めたいと思っています。グループの中には、当事者10名と研究者がタッグを組んで進めるグループや、当事者が主導して調査を進めるグループもあります。グループによってPPI/PPIEの取り入れ方は異なりますが、当事者が参画する形で各グループの研究活動が進められる予定です。

研究班情報

事業名 AMED研究倫理・社会共創推進プログラム
課題名 精神疾患領域の研究における共創プラットフォームの開発研究
研究開発代表者 山口 創生
(国立研究開発法人 国立精神・神経医療研究センター 精神保健研究所 地域精神保健・法制度研究部 室長)
研究開発期間 2025(令和7)年4月1日~ 2030(令和12)年3月31日(予定)

お問い合わせ先

宛先 精神疾患領域の研究における共創プラットフォームの開発研究(TOGETHERプロジェクト) (代表:国立精神・神経医療研究センター 精神保健研究所 地域精神保健・法制度研究部)
E-Mail together.ncnp“AT”gmail.com
備考
※E-mailは上記アドレス“AT”の部分を@に変えてください。

最終更新日 令和7年9月8日