トピックス 開催日:平成30年6月28・29日 幹細胞・再生医学イノベーション創出プログラム 平成30年度事業内交流会を開催しました

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6月28日および29日に、再生医療実現拠点ネットワークプログラム(幹細胞・再生医学イノベーション創出プログラム)に参画する研究者同士の成果共有および将来の研究発展を見据えたネットワークづくりを目的として、福島県会津若松市において合宿形式にて平成30年度事業内交流会を開催しました。

本交流会は、科学教育に力を入れている会津若松市とAMEDが連携して開催し、同市内施設で本事業の成果報告会を行った他、アウトリーチ活動として本事業に参画する先端分野の研究者が講師を務めて会津若松市の小・中学校で出張授業およびミニ公開シンポジウムを実施しました。

出張授業

6月28日の午前中、1校目は今年4月に開校したばかりの会津若松市立河東(かわひがし)学園中学校で、3年生76名を対象に、長崎大学 小野悠介准教授が 「先端科学が解き明かす筋肉の不思議」についてお話されました。中学生にとって成長・運動などで身近な存在である筋肉について、遺伝子と加齢・病気、そして治療…と夢のあるお話で、生徒の皆さんはとても興味深そうに耳を傾けていました。

河東学園小学校の音楽室にて。地元テレビ局の取材が入りました。 ▲河東学園小学校の音楽室にて。地元テレビ局の取材が入りました。

2校目は河東学園中学校と同じ敷地内にある会津若松市立河東学園小学校で、6年生79名を対象に、岡山大学 佐藤伸(あきら)准教授が 「人類はようやくウーパールーパーの回復魔法を習得しました~人に使うにはまだ早そうですが…~」と題したお話をされました。「ウーパールーパーは、しっぽや手足だけでなく、脳や心臓も再生できます」との説明に、児童のみなさんから驚きの声が上がっていました。また、自然の不思議を解明することに熱中する研究者の仕事を子供達が熱中するゲームになぞらえ、研究とは毎日大好きなこと楽しんで実施することであり、かつ、世界を変える可能性のあるものであることを伝えていました。

河東学園 多目的ホールにて ▲河東学園 多目的ホールにて
佐藤先生が持参された生きているウーパールーパーを注意深く観察しています。 ▲佐藤先生が持参された生きているウーパールーパーを注意深く観察しています。

3校目は会津若松市立北会津中学校で、2・3年生135名を対象に宮崎大学 西野光一郎准教授が 「AIってなに?!から始まるiPS細胞×AIのはなし」とのタイトルでお話されました。「pepper」等のAIを使った身近な例を挙げながら、AIの分類やAIでできることを判りやすく説明しました。また、iPS細胞の特徴や、その再生医療や創薬への活用法についても説明がありました。この内容を合わせて、西野先生の課題の、「AIを活用したiPS細胞の性状判定」についての説明がありました。最後に、これからは「異分野融合の時代」であり、どんな仕事でも繋がりがあること、生徒さんと今後一緒に仕事が出来るようになることを期待していることを述べて、授業を終わりました。

多くの生徒が授業を受けられるように体育館で行いました。▲多くの生徒が授業を受けられるように体育館で行いました。

成果報告会・1日目

6月28日の午後、河東学園多目的ホールに本プログラムに参画する研究者が全国から集まりました。1日目は、主に、平成30年度に研究を開始した各課題が、始まったばかりの研究開発課題について発表し、研究者同士による活発な質疑応答が展開されました。

ミニ公開シンポジウム

6月28日夕刻から、「再生医療実現拠点ネットワークプログラム(幹細胞・再生医学イノベーション創出プログラム)日本医療研究開発機構・会津若松市連携事業 ミニ公開シンポジウム」を東山温泉 御宿東鳳 鳳翔の間にて、開催しました。会津若松市教育委員会 本田樹教育長のご挨拶の後、AMED末松誠理事長が「AMEDのミッション:データシェアリングによる課題解決」、続いて本プログラムのプログラム・オフィサーの国立成育医療研究センター 阿久津英憲部長が 「細胞をめぐる冒険~基礎研究から再生医療、そしてその先へ~」、熊本大学発生医学研究所 西中村隆一教授が「試験管の中で腎臓をつくる」と題して発表され、会場の方から質問を受けました。

ミニ公開シンポジウムの様子▲ミニ公開シンポジウムの様子

成果報告会・2日目

29日の午前中、河東学園多目的ホールにて、主に平成28年度に研究開発を開始した13課題が進捗状況を含めた発表を行い、1日目と同様に、活発な質疑応答がなされました。

この度の事業内交流会は、1日半という短い日程でしたが、大変充実した会となりました。これも、会津若松市教育委員会をはじめ会津若松市の関係者の皆さまの多大なるご協力により実現にしたものと、心より感謝申し上げます。

掲載日 平成30年7月18日

最終更新日 平成30年7月18日