トピックス 菅裕明 東京大学教授がウルフ賞を受賞
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東京大学大学院理学系研究科 菅裕明教授が、ウルフ賞の化学部門賞を、Chuan He教授(シュワンヒ教授/シカゴ大学)およびJeffery W. Kelly教授(ジェフケリー教授/スクリプス研究所)と共同で受賞しました。心からお祝いを申し上げます。
同賞は、ウルフ財団(イスラエル)より、化学、農業、数学、医学、物理、芸術の各部門で優れた業績をあげた科学者、芸術家に与えられる賞で、これまでに同賞の化学部門では、日本人として野依良治特別顧問(理化学研究所)が2001年に、藤田誠卓越教授(東京大学)が2018年に受賞されており、菅教授が三人目の栄誉となります。また、他部門では、南部陽一郎名誉教授(シカゴ大学、故人)、小柴昌俊特別栄誉教授(東京大学、故人)、山中伸弥名誉所長・教授(京都大学)らが受賞されていて、ノーベル賞の前哨戦とも言われる賞です。
今回の受賞決定は、菅教授の「生物活性ペプチドの創製を革新するRNA触媒の開発」に関する業績が認められたものになります。菅教授は、既存のペプチド医薬品開発の常識を覆す「特殊ペプチド創薬」という概念を提唱し、望みの生物活性を示す薬剤候補ペプチドを生み出す卓越した技術の開発に成功し、本技術は近年隆盛を極めるペプチドを基盤とした中分子医薬品研究の先鞭となりました。
菅教授は、AMED「革新的先端研究開発支援事業インキュベートタイプ(LEAP)」において研究開発課題「難治性神経筋疾患の画期的治療に向けた筋特異的受容体チロシンキナーゼ活性化剤の開発」の研究開発代表者として、本技術の創薬を通じた社会実装を目指し研究を行っています。
授賞式は2023年6月15日にイスラエルで行われました。今回の受賞について、菅教授は、「ウルフ財団化学賞を受賞するのはとても光栄であります。また2人の世界屈指の化学者、ジェフケリー教授、シュワンヒ教授と共に受賞することも大変嬉しく思います。この賞は私だけに与えられた賞ではなく、菅研究室の全ての人達と共同研究者に与えられた賞であり、この場を借りてお礼を申し上げます。この賞を励みに、治療を必要とする多くの患者に新薬を届けるべく、研究に邁進したいと思います」と述べられました。
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掲載日 令和5年7月13日
最終更新日 令和5年7月13日