2016年度 研究事業成果集 未診断疾患イニシアチブ IRUD

未診断疾患イニシアチブIRUD(アイラッド;Initiative on Rare and Undiagnosed Diseases

戦略推進部 難病研究課

希少・未診断疾患の発見・解明体制整備を全国規模で推進、さらに一歩先へ

未診断疾患イニシアチブ(IRUD)は、日本全国で診断が付かずに悩む希少(Rare)・未診断(Undiagnosed)疾患の患者さんを対象に遺伝学的解析を含めた総合的な検討を行い、難病や未知の疾患を診断する取り組みです。平成27年度に開始し、約1年半で全国レベルの診断・解析体制、国際連携可能なデータベースの構築を推進してきました。今後、国内外におけるデータシェアリングの推進等、積極的に研究開発を推進していきます。

取り組み

日本の難病対策・研究には40年以上もの長い歴史がありますが、それでも診断が付かず、治療の手立てがない患者さんはたくさんいます。この未診断疾患患者ご本人に対して遺伝学的解析等を行い、その結果を症状と照らし合わせ、かかりつけ医と拠点病院が連携して診断を付けようとする取り組みが「未診断疾患イニシアチブ(IRUD)」です。

未診断疾患を解明する仕組み

平成29年4月現在、34の地域拠点病院と200に及ぶ協力機関(一部重複)で全国規模の診断体制の構築を進めています。また、国立精神・神経医療研究センター、国立成育医療研究センター、慶應義塾大学、横浜市立大学の4機関が、地域拠点病院や、データネットワークの主導、解析コンソーシアムのとりまとめなどを役割分担しています。

IRUD体制

平成28年末までに2000人以上の患者さんが参加し、約1400家系の遺伝学的解析を行い、約34%の患者さんの診断が確定するなど、着実に成果を上げています。

展望

平成29年度はさらに先を見据え、新たに「IRUD Beyond」を開始します。「IRUD Beyond」は3つの柱からなり、①診断から治療などへの橋渡し研究、②診断成功率をさらに向上させるための新たな取り組み――を推進します。また、③海外とも共有可能な臨床情報データベースの活用等を通じて、さらなるデータシェアリングや国際連携の強化を促し、IRUDの成果がより効率的に発展し、よりスムーズに患者さんに届くよう、取り組んでいく予定です。

IRUDの成果を発展させる取り組み:IRUD Beyond

 

最終更新日 平成30年10月5日