2016年度 研究事業成果集 知的財産マネジメント支援

知的財産マネジメント支援

知的財産部

研究成果の早期実用化を目指して知財戦略をサポート

AMED知的財産部では、研究開発の成果物である知的財産を保護、活用するための支援を行っています。具体的には、知的財産に関するコンサルテーション、普及啓発活動、情報発信及び研究成果の活用促進など、AMEDの研究開発プロジェクトから生まれる成果を実用化につなげる支援を行います。

取り組み

医療分野の研究開発はリスク・コストが高く、開発期間も長期にわたるため、発明の権利化や活用に向けた戦略が極めて重要です。AMED知的財産部では、経験豊富な知財コンサルタント8人が相談に応じ、戦略的コンサルテーションや支援を行います。

AMED研究成果促進プラットフォーム

主な支援活動

1.知的財産コンサルティング
AMEDの委託研究開発プロジェクトから年間約400件の発明が生まれており、知的財産の保護や活用に関するコンサルテーションを行いつつ早期実用化に向けた支援に取り組んでいます。電話やメールによるコンサルティングは年間約230件に上ります。
2.普及啓発活動
研究機関が開催する知財セミナー等に講師を派遣しています(年間約40回)。また、医療研究者向けのe-Learning知財教材も作成しウェブ上で公開中です。さらに、大学等の知財実務担当者向けに、研究成果の知財化・導出に必要とされる知識やスキルの習得を目的とする研修セミナーを開催しています。
3.情報発信
国内外の研究開発動向の収集・分析を行い、ウェブやセミナーなどを通じて公表しています。これまで「がん」、「BMI」、「再生医療」等の研究開発動向調査や知財戦略分析を行い、順次公表しています。
4.AMED研究成果の活用促進支援
国内外のマッチング展示会、商談会、シーズ説明会などでAMED研究成果の紹介・導出等を行う機会を提供し、産学マッチングによる早期実用化に向けた支援を行います。平成28年度は計11回、延べ課題数で95件、延べ面談数で429件の出展等支援を行いました。
導出支援の実績

BioJapan2016(日本)

成果

  • がんの早期検出技術について、特許出願すべき権利の範囲について助言し、一部をノウハウによる秘匿化と先使用権制度を活用する戦略作りを支援しました。
  • 精神疾患に関する革新的治療法の開発では、医師主導治験前に製剤提供企業が保有する知財状況を調査し、治験の円滑なスタートに寄与しました。
  • 出展等の活用促進支援を通じて、AMEDプロジェクトの研究成果の約20件が、実用化を目指す企業と秘密保持契約等を結ぶ交渉を始めています。

展望

研究成果に対する各種調査等を支援したり、専門家を起用した「知財リエゾン」を配置したりするなど、外部能力も活用した支援を年々拡充していきます。また、成果活用を一層促進するために、研究機関側のシーズ情報と企業側のニーズ情報をウェブ上でマッチングさせるシステム開発に取り組んでいきます。

関連リンク

最終更新日 平成30年10月5日