AMEDシンポジウム2017開催レポート AMEDシンポジウム2017開催レポート:開会挨拶

(抄録)

AMEDシンポジウム1日目(5月29日)開会挨拶

末松 誠(AMED理事長)

写真(挨拶をする末松理事長)

AMEDは、平成27年度に設立され、(シンポジウムを開催した平成29年5月末時点で)2年2カ月ほど経ちました。文部科学省、厚生労働省、経済産業省それぞれで行われていた医療分野の研究開発を一元管理し、基礎研究から実用化まで切れ目なく支援する体制を整えてまいりました。

私が理事長を拝命した時、絶対にやりたいと考えていたことが3つありました。医療研究開発を合理的に加速して、1分1秒でも早く患者の皆様に成果を届けるために必要な喫緊の課題です。

1つは、異なる領域間でデータの共有を行うことです。創薬や医療機器の開発は、多くの専門家がそれぞれの専門性を活かして、たすきをつないでゴールを目指す、いわば駅伝のような仕事です。ですが、このたすきをしっかりつなぐ作業がなかなか難しく、日本だけでなく世界各国でいろいろな工夫をしています。

2つ目は、研究費を効果的に運用できるように改革することです。研究費は、国民の税金を使った極めて貴重な資源です。しかし、これまでは使うためのルールが各省でばらばらで、研究開発の効率が悪かったのです。AMEDは、研究者の皆さまに研究費を有効かつ迅速に使っていただけるようにこの状況を2年で大きく変革してきました。

3つ目は、若手の研究者を育成することです。研究領域によっても異なりますが、現状では若手研究者が才能を伸ばすことが難しい部分があり、この2年間研究費をいろいろやりくりしながら、若手研究者の育成に努めてきました。

AMEDは、研究開発のプロセスにどういった律速段階があるのかを調べ、スピードが落ちないように、今後も工夫を続けていきたいと考えます。

この後、わが国を代表する研究者の皆様の講演やディスカッションを期待し、改めてご協力に感謝を申し上げるとともに、シンポジウムに参加していただいたすべての皆様にとって、有益な機会となりますことを願って、開会のご挨拶とさせていただきます。

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最終更新日 平成29年10月16日