プレスリリース 伊勢志摩サミットでiPS細胞由来の心筋シートを生きた状態で展示します

プレスリリース

国立大学法人大阪大学
国立研究開発法人日本医療研究開発機構

ポイント

  • G7伊勢志摩サミットで、大阪大学が研究を進めているiPS細胞由来の「心筋シート」と再生医療等製品として承認されたテルモ株式会社の「ハートシート®」を展示

  • 65歳以上の重症心不全患者は心臓移植が受けられないことから、本シートによって治療の可能性が広がる
  • 本展示が、世界中の重症心不全治療における新たな展開の契機になることを期待

概要

大阪大学大学院医学系研究科が、重症心不全に対する再生医療として臨床応用を目指し研究中の、iPS細胞から作製した心筋シート、及び昨年9月に再生医療等製品として厚生労働省に承認されたテルモ株式会社の「ハートシート®」(ヒト(自己)骨格筋由来細胞シート)を先進国首脳会議(伊勢志摩サミット)の国際メディアセンター展示会場で海外プレス向けに展示します。世界中から報道関係者が集まる中、我が国が世界をリードする再生医療技術を世界に向けて発信することで、世界中の重症心不全治療に新たな展開をもたらすことが期待されます。

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展示について

日時
平成28年5月22日(日)、5月24日(火)~5月28日(土)・10時~18時半(28日は正午まで)
場所
G7伊勢志摩サミット国際メディアセンター(三重県営サンアリーナ)
展示内容
※展示ブースでは、齋藤 充弘 特任准教授(常勤)(大阪大学医学系研究科)が説明をします
  • 写真・2枚目iPS細胞由来の心筋シート
    ※生きた(拍動した)状態を保ちつつ展示
  • 写真・3枚目再生医療等製品
    「ハートシート®

背景

写真・4枚目大阪大学医学系研究科心臓血管外科学では、iPS細胞から心臓の筋肉の細胞を作製し、それを直径数センチの薄い「心筋シート」に加工して、重症心不全の治療に用いる再生医療の臨床応用を目指して研究を進めています。心筋シートは、日本発・世界初の再生医療プラットフォーム技術である「細胞シート技術」を心筋細胞に応用したものです。

5月26日から27日に開催される伊勢志摩サミットにおいて、各国のメディア関係者向け施設となる国際メディアセンター(IMC)内の広報展示ゾーンで、大阪大学が研究開発を進める「心筋シート」を展示いたします。この展示ゾーンでは、「The Spirit Of 和・伝統と革新」をコンセプトに、海外プレス向けに日本の誇る各種の先端技術等の展示が行われ、それらの展示に並び、iPS細胞から作成した心筋シートを生きた(拍動した)状態で展示いたします。

社会に与える影響

現行の規制では、65歳以上の重症心不全患者は心臓移植登録を行うことができず、またドナー不足等により万人が移植医療を享受できない状況です。そのため、心筋シートによる治療は今後の重症心不全治療の一つの選択肢となるものと考えられます。本治療法は、有効な治療法の存在しない難治性疾患に対する新治療法となる可能性があり、本展示が深刻なドナー不足である我が国、ひいては世界中の移植医療に新たな展開をもたらす契機になることが期待されます

特記事項

本「心筋シート」に係る研究は、国立研究開発法人日本医療研究開発機構による研究費(「再生医療実現拠点ネットワークプログラム 疾患・組織別実用化研究拠点(拠点A)」及び「再生医療実用化研究事業」)によって支援されています

 

お問い合わせ先

大阪大学大学院医学系研究科 心臓血管外科学
TEL:06-6879-3154
E-MAIL:jimu“AT”surg1.med.osaka-u.ac.jp

国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)
戦略推進部 再生医療研究課
TEL:03-6870-2220 
E-MAIL:saisei“AT”amed.go.jp

※E-MAILは上記アドレス“AT”の部分を@に変えてください。

掲載日 平成28年5月23日

最終更新日 平成28年5月23日