プレスリリース 1万人分のSNPアレイ情報の分譲を開始―生体試料および健康調査情報等が分譲へ―

平成29年2月21日プレスリリース

国立大学法人東北大学 東北メディカル・メガバンク機構
学校法人岩手医科大学 いわて東北メディカル・メガバンク機構
国立研究開発法人日本医療研究開発機構

東北メディカル・メガバンク計画*1は、SNPアレイ*2で解析し遺伝型決定が行われた約1万人分の生体試料・情報を、2月下旬より分譲開始しました。1万人規模の地域住民のDNA、血漿、血清と健康調査情報(検体検査情報、調査票(生活)情報、特定健康診査情報)およびSNPアレイ情報(一塩基多型の個人毎遺伝型)の分譲は、日本初です。これらの情報を共に解析することで、病気の原因解明や治療法開発のための研究の発展が期待されます。当計画は今後も引き続き分譲対象の拡大などを進めていきます。

平成27年夏より外部機関へ当計画のバイオバンク*3の試料・情報を分譲しています。分譲される試料・情報は、当計画のバイオバンクに収集している宮城県と岩手県の地域住民コホート調査*4の生体試料・情報です。これらは研究上有用であり、個別化予防等の次世代医療の実現へ向けた研究への活用が期待されています。

なお、「分譲」は、両大学以外の有識者を中心とした試料・情報分譲審査委員会の審査の上で、個人情報の管理等に配慮したセキュリティーポリシーの厳格な運用をもとに行われます。

分譲を申請できるのは、日本の学術研究機関(非営利機関)と、本社が日本にある企業等の研究所に所属する研究者です。なお被災地を中心とした大規模ゲノムコホート研究や、東北発の予防医療・個別化医療等の次世代医療の実現と創薬等の新たな産業の創出を目指す目的に沿った研究への利用が求められます。また分譲後に生じた知的財産は、利用者に属します。

さらに平成29年中に、血漿オミックス解析対象者*5の生体試料・情報約1,000人分および2,049人分の日本人ヒト全ゲノム解析に基づく高精度の住民ゲノム参照パネル(2KJPN*6)の対象者等の生体試料・情報の分譲開始を予定しております(下表)。

用語解説

*1.
東北メディカル・メガバンク計画は、東日本大震災からの復興事業として計画され、宮城県では東北大学東北メディカル・メガバンク機構(ToMMo)、岩手県では岩手医科大学いわて東北メディカル・メガバンク機構(IMM)が事業主体となり、15万人の参加を目標とした長期健康調査(地域住民コホート調査:8万人、三世代コホート調査:7万人)を実施している。さらに長期健康調査でお預かりした生体試料と医療情報等を統合したバイオバンクを構築している。
*2.SNPアレイ:
SNP(一塩基多型)を解析できるDNAマイクロアレイ。SNPとは個人間でゲノムの一塩基が異なる状態。通常は一定以上の頻度で存在するものをSNPと呼ぶ。
*3.バイオバンク:
生体試料を収集・保管し、研究利用のために提供を行う。東北メディカル・メガバンク計画のバイオバンクは、コホート調査の参加者から血液・尿などの生体試料を集める。
*4.コホート調査:
ある特定の人々の集団を一定期間にわたって追跡し、生活習慣などの環境要因・遺伝的要因などと疾病の関係を解明するための調査のこと。
*5.血漿オミックス解析対象者:
jMorpで公開している血漿オミックス解析の対象者。
*6.2KJPN:
2KJPNに含まれる、すべての一塩基多様体(Single Nucleotide Variant:SNV)の位置情報、アレル頻度情報及びアレル数情報は公開されている(詳細はiJGVDのWEBサイト)。

参考

東北メディカル・メガバンク計画は、平成27年度より、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)が本計画の研究支援担当機関の役割を果たしています。本計画の事業の実施は、東北大学東北メディカル・メガバンク機構と岩手医科大学いわて東北メディカル・メガバンク機構が連携して行っています。

SNPアレイ解析は、国立研究開発法人日本医療研究開発機構委託事業 オーダーメイド医療の実現プログラムとの共同研究として実施されました。

時期 分譲対象
平成29年2月
分譲開始
SNPアレイ(HumanOmniExpressExome BeadChip array)解析済の対象者の試料(DNA、血漿、血清)および情報
(1) 基本情報(年齢・性別)
(2) 健康調査情報(検体検査情報、調査票(生活)情報、特定健康診査情報)
(3) SNPアレイ情報(一塩基多型の個人毎遺伝型) ※ただし、自由記載の項目は除外する
約1万人
平成29年
分譲開始予定
血漿オミックス解析対象者の生体試料・情報(ゲノム情報およびオミックス情報等) 約1,000人
2,049人分の日本人ヒト全ゲノム解析に基づく高精度の住民ゲノム参照パネル(2KJPN)の対象者の生体試料・情報(ゲノム情報等)
(血漿オミックス解析対象者および現在分譲中の1,070人を含む)
約2,000人
現在分譲中 1,070人の日本人ヒト全ゲノム解析に基づく高精度の 住民ゲノム参照パネル(1KJPN)の対象者の生体試料および情報(ゲノム情報等) 約1,000人
東北メディカルメガバンク計画のバイオバンク試料・情報分譲のフロー

お問い合わせ先

分譲に関すること

東北大学東北メディカル・メガバンク機構
試料・情報分譲室
室長 鈴木 洋一(すずき よういち)
電話番号:022-273-6411
Eメール:dist”AT”megabank.tohoku.ac.jp

報道に関すること

東北大学東北メディカル・メガバンク機構
長神 風二(ながみ ふうじ)
影山 麻衣子(かげやま まいこ)
電話番号:022-717-7908
ファックス:022-717-7923
Eメール:f-nagami”AT”med.tohoku.ac.jp

岩手医科大学いわて東北メディカル・メガバンク機構
遠藤 龍人(えんどう りゅうじん)
電話番号:019-651-5111(内線5509)
ファックス:019-907-0711
Eメール:ryuendo”AT”iwate-med.ac.jp

AMED事業について

国立研究開発法人日本医療研究開発機構
バイオバンク事業部
電話番号:03-6870-2228
Eメール:kiban-kenkyu”AT”amed.go.jp

※Eメールは上記アドレス”AT”の部分を@に変えてください。

最終更新日 平成29年2月21日