成果情報 2018年度 武田医学賞を祖父江元博士と横山茂之博士が受賞

平成30年10月5日成果情報

祖父江元博士(名古屋大学特任教授)および横山茂之博士(理化学研究所特別招聘研究員)の二氏が、2018年度「武田医学賞」を受賞されました。

この賞は、日本の医学界で顕著な業績を挙げ、医学ならびに医療に優れた貢献を果たされた学者・研究者に贈呈されるものです。

授賞式は、平成30年11月12日(月)、ホテルオークラ東京にて執り行われます。

心よりお祝いを申し上げます。

祖父江元博士

AMEDで支援中の祖父江元博士(名古屋大学特任教授)の受賞テーマは、「運動ニューロン疾患の発症責任機序の同定とそれに基づくdisease-modifying therapyの開発」です。

祖父江元博士は、下位運動ニューロン疾患である球脊髄性筋萎縮症(SBMA)の発症・進展の本質的な病態発現機序を明らかにし、医師主導治験により抗テストステロン薬のリュープロレリンが運動機能の低下や誤嚥性肺炎を抑制し、死亡を回避できることを示しました。また、筋萎縮性側索硬化症(ALS)について、新たなモデル動物の開発や治療標的分子を明らかにする等、これまでの一連の研究業績が神経変性疾患の病態そのものを抑止する治療が可能であることを世界に先駆けて示したことなどが評価されたものです。

祖父江元特任教授は、AMEDの難治性疾患実用化研究事業「大規模臨床、ゲノム、不死化細胞リソースを基盤としたオミックス解析 による孤発性ALS 治療法開発研究」、臨床研究・治験推進研究事業「筋萎縮性側索硬化症患者の疾患登録システムの研究開発」等で支援を受け、ALS患者レジストリ構築やオミックスビッグデータ解析などを通じて、受賞対象にもなった運動ニューロン疾患の治療法開発や治験促進研究に引き続き取り組んでいます。

横山茂之博士

AMEDの「構造生物学」研究分野の2事業を推進された、横山茂之博士(理化学研究所特別招聘研究員)の受賞テーマは、「転写・翻訳の構造基盤の解明と応用」です。

横山茂之博士は、X線結晶構造解析を中核として「構造生物学」研究を推進し、転写・翻訳における、情報の流れの桁違いに高い正確性に関わる分子機構を解明するなど、世界に先駆けて数々の重要な発見をされました。また、人工的アミノ酸のタンパク質への部位特異的導入、高難度タンパク質試料の無細胞合成等の研究により、解明したメカニズムの普遍性を実証するとともに、基礎研究にも産業利用にも価値の高い応用技術を開発しました。さらに、これらの高い技術を活用して、上皮成長因子受容体、アディポネクチン受容体の結晶構造解析等、医学的に重要な細胞膜受容体の構造生物学研究でも目覚ましい成果をあげられています。

今回の受賞は、これらの数々の研究成果が評価されたものです。

横山茂之博士は、AMEDの創薬等支援技術基盤プラットフォーム事業(2015~17年)、創薬等ライフサイエンス研究支援基盤事業(2017~18年)の研究開発代表者を務められました。

最終更新日 平成30年10月5日