トピックス 天皇・皇后両陛下が京都府立医科大学を訪問、AMEDが支援する世界最先端の再生医療研究を視察されました

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平成28年10月26日、天皇・皇后両陛下が京都市上京区にある京都府立医科大学を訪問され、目の角膜を構成する内皮細胞や口の中の粘膜から培養した上皮シートを使った革新的な再生医療技術の研究開発を視察されました。
写真1枚目京都府立医科大学に到着された天皇・皇后両陛下(写真提供:京都府)

京都府立医科大学は1872年(明治5年)に開設した病院発祥の大学として今日の京都府の地域医療を支え、研究では眼科の再生医療の研究などで世界的にも知られています。

両陛下はまず、角膜の水分量を調節する角膜内皮細胞を培養する技術について、木下茂教授(京都府立医科大学感覚器未来医療学講座)から説明を受けられました。視力が低下する水疱性角膜症による視覚障害は、これまで治療方法がありませんでしたが、京都府立医科大学では生体外でヒト角膜内皮細胞を培養し、眼内に注入する新しい治療法を開発しました。現在臨床研究が実施されており、来年にも治験が開始される予定です。

両陛下は培養したヒトの角膜内皮細胞の顕微鏡画像や、この技術を用いて目の機能が回復した患者のビデオをご覧になり、視野が広くなるのですか、など質問を交えながら熱心に耳を傾けられていました。

次に、患者本人の口腔粘膜から採取した細胞を約2週間培養して上皮細胞シートを制作し、患者の眼表面に移植して角膜を再生する治療法の研究開発について外園千恵教授(京都府立医科大学眼科学教室)から説明を受けられました。難治性角結膜疾患の患者は、失明に至るケースも多く、拒絶反応などのリスクを伴う通常の角膜移植以外の治療が求められます。京都府立医科大学では、再生医学的手法を用いることにより、革新的かつ安全性の高い治療を行うことを目標として研究開発を行っています。

両陛下は培養したヒトの口腔粘膜上皮シートを顕微鏡でご覧になりました。

最後に陛下は、本当に多くの人に救いをもたらすでしょうね、本当にご苦労様でした、と話されました。

研究課題:
  • 培養ヒト角膜内皮細胞移植による角膜内皮再生医療の実現化(再生医療の実現化ハイウエイ事業)
  • 難治性角結膜疾患に対する培養自家口腔粘膜上皮シート移植(臨床研究・治験推進研究事業)
写真2枚目京都府立医科大学の木下茂教授(左)から説明を受ける天皇、皇后両陛下(写真提供:京都府)
写真・3枚目

最終更新日 平成28年12月19日