トピックス 「第2回ジカウイルス感染症対策研究に関するワークショップ」が開催されました

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平成30年7月26日、国立感染症研究所において、「第2回ジカウイルス感染症対策研究に関するワークショップ」が開催されました。

このワークショップは、AMEDが新興・再興感染症に対する革新的医薬品等開発推進研究事業で支援する研究課題、「国内侵入・流行発生が危惧される昆虫媒介性ウイルス感染症に対する総合的対策に資する開発研究(研究開発代表者 国立感染症研究所ウイルス第一部 林昌宏)」の主催で開催されました。日本側からは課題に参画している国立感染症研究所、長崎大学、東京医科大学、企業の研究者等が参加、ブラジルからは、ベルナンブコ大学アサミ・ケイゾー熱帯免疫病理研究所、パライバ州立大学から専門家が招聘されました。

 ジカウイルス感染症は、胎児の小頭症の原因としても知られており、公衆衛生上で大きな問題となっています。平成27年にはブラジル等中南米における本症の流行が発生し、平成28年2月にはWHOから「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態(PHEIC)」が宣言されました。このような危機的状況を受け、AMEDでは直ちに、ジカウイルス感染症に関する研究の推進を重点テーマと定め、「ジカ熱の流行に対処するためのジカ熱関連研究の国際的データシェアリングに関する声明」への署名(平成28年2月10日)や迅速診断法やワクチンの開発等の研究推進を行ってきました。これら取組みは、感染症のアウトブレイクに対する国際連携ネットワークGloPID-RのNewsletterでも紹介されました。

この取組みの一環として、AMED支援のもと、研究開発課題に参画する研究機関と、本症流行地であるブラジルの研究機関の連携協力が模索され、平成28年7月に「第1回ジカウイルス感染症対策研究に関するワークショップ」が開催されました。このワークショップをきっかけとして、同年8月31日付けで両国の研究者間でジカウイルス感染症に関する研究協力について協力覚書が交わされました。

 今回の第2回ワークショップでは、両国から約80名が参加し、前回のワークショップ以降の2年間における、両国間の連携、研究成果、現在のブラジルの状況等が発表され、得られた成果の今後の展開について活発な議論が繰り広げられました。
特にブラジルとの連携研究の大きな成果として、ジカウイルス感染症迅速診断キットの実用化(製造販売承認取得)、ジカウイルス感染症患者高発生地域での胎盤回収および感染病理学的解析などが取り上げられました。

両国間の連携研究の進捗状況が確認され、今後のより一層の協力を改めて確認しました。

※GloPID-R(Global Research Collaboration for Infectious Disease Preparedness):感染症アウトブレイク発生から迅速に効果的な研究支援の対応を行うことを目的にして平成25年に設立された国際イニシアティブ。AMEDは平成27年8月に加盟。


ワークショップ参加者


開会挨拶をするAMED末松誠理事長

最終更新日 平成30年8月29日