2016年度 研究事業成果集 産学連携医療イノベーション創出プログラムセットアップスキーム(ACT‐MS)

「産学連携医療イノベーション創出プログラム」を強化するセットアップスキームを開始

産学連携部 産学連携課

「アカデミアの挑戦的な技術シーズ」に特化した産学連携

「産学連携型」の研究開発支援の充実を図る中、「早期段階の挑戦的な技術シーズ」を持つアカデミアと、そのシーズの実用化・事業化を希望する企業との「戦略的連携」を促す制度を設けました。研究開発としては早期の段階から産学が戦略的な機能・役割分担を行い、アカデミアは革新的・本質的な研究に注力し、企業は競争力のある事業構築を目指します。結果、「より多く」「より早く」研究成果が社会実装されること(イノベーションの効率化)を期待しています。

取り組み

AMEDは平成27年度より、アカデミア発の技術シーズを企業に円滑に移転して実用化・製品化につなげる「産学連携医療イノベーション創出プログラム」(ACT-M)を推進しています。その支援課題の中に、有望で挑戦的ではあるものの企業が事業化の対象とする(意思決定を行う)には「リスクが高いシーズ」が、多数存在することに着目しました。そこで、ACT-Mを拡充して平成28年度から始めたのが「ACT-Mイノベーションセットアップスキーム」(ACT-MS)です。

ACT-MS においては、研究開発の支援対象は、「早期段階の挑戦的な技術シーズ」を有するアカデミアに限定する一方で、それらの事業化・実用化を希望する企業との共同提案を条件としています。この連携(共同提案)における企業は、アカデミアシーズを事業に発展させる過程での「中継ぎ」(セットアップ)の役割を担い、便宜的に「セットアップ企業」と呼びます。アカデミアには、セットアップ企業がシーズを受け取る(事業化の判断をする)に当たってのボトルネックとなっている問題解決に向けての研究(「ブラッシュアップ研究」と呼びます)に集中するように促し、いわゆる「実用化研究」の実施は求めません。

ACT-Mセットアップスキームの概念図

このような「戦略的連携」を成立させるためには、産学が互いの認識を十分にすり合わせる必要があります。そのためセットアップ企業には、アカデミアが「ブラッシュアップ研究」を実施する理由を合理的に説明すること、アカデミアには「ブラッシュアップ研究」がセットアップ企業のビジネスモデル(事業化に向けたシナリオやスケジュール、資金調達戦略など)にいかに有用か、の具体的説明を求めています。

展望

平成28年度は、「オープンイノベーションによる革新的な新薬の研究開発」と「急激な少子高齢化社会を支える革新的医療技術・医療機器の研究開発」という2つのサブテーマを掲げて公募を行い、14件の課題を採択しました。

最終更新日 平成30年10月5日