2017年度 研究事業成果集 橋渡し研究戦略的推進プログラム

橋渡し研究戦略的推進プログラム、2017年度に第3期を開始

臨床研究・治験基盤事業部 臨床研究課

国内の研究拠点を整備し、実用化に向けてシーズを育成

AMEDは、2017年度に「橋渡し研究戦略的推進プログラム」をスタートしました。橋渡し研究*1は、2007年度に文部科学省が第1期「橋渡し研究支援推進プログラム」、2012年度から第2期「橋渡し研究加速ネットワークプログラム」を推進、研究拠点のARO*2機能、シーズの育成や橋渡し研究支援体制はこの10年間で着実に整備されてきました。第3期となる5年間は、拠点以外の機関における橋渡し研究の推進や、拠点の自立化を目指します。

■研究の実施体制

取り組み

全国の大学などの研究拠点には優れた基礎研究の成果(シーズ)がたくさんあります。これらアカデミアの優れた基礎研究の成果を、臨床研究から実用化にスムーズに橋渡しする体制を構築し、積極的な支援や産学連携の強化を行うことで、より多くの革新的な医薬品・医療機器の創出を目指す取り組みが、2007年から始まり現在12年目を迎える橋渡し研究の推進事業です。

第1期は橋渡し研究の支援を行う機関を全国で6カ所(北海道臨床開発機構*3、東北大学、東京大学、京都大学、大阪大学、九州大学)を選び、拠点として整備しました。第2期は新たに名古屋大学、慶應義塾大学、岡山大学の3カ所を加え、拠点間のネットワーク化を図り、シーズ育成能力の強化および恒久的な拠点の確立を進めました。

第2期の途中の2014年度には、健康・医療戦略推進本部の下、9つの橋渡し研究支援拠点と15カ所の臨床研究品質確保体制整備病院などを一体として運用する「革新的医療技術創出拠点プロジェクト」がスタート。基礎研究から臨床応用までシームレスにつなぐことで、実用化に向けた動きが加速しました。

そして2017年度から開始の第3期は、拠点内のシーズ育成は充実してきたとの評価から、拠点以外の機関におけるシーズの育成の強化や拠点の自立化に力を入れています。新たな拠点として筑波大学を追加し、拠点数は全国10カ所となりました。

成果

これまで治験に移行したシーズは108件(2018年3月31日時点)。革新的なアカデミアシーズの実用化基盤整備が進むとともに、実際にシーズ実用化の成果が医療現場に提供され始めています。AMEDでは各シーズに応じて必要な専門人材や設備などの整備を行うため、毎年全ての拠点を巡回し、拠点としての受け入れ体制の確認などきめ細やかな支援を行っています。

展望

第3期は拠点以外の機関が創出するシーズの支援強化、産学連携を強化して育成したシーズの早期導出・実用化、事業収入などにより拠点が橋渡し研究を自立的に継続できるようになることを目指しています。将来的には、全国の橋渡し支援拠点が中心となって、オールジャパン体制でシーズを育成し、日本発の革新的な医薬品・医療機器をより多く創出し、患者さんに届けることが期待されています。

*1 橋渡し研究:
医療分野における橋渡し研究とは、主に基礎研究の分野で生まれた新しい医学知識や革新的技術を、実際に病気の予防・診断・治療に活かすべく実用化するための研究のこと。トランスレーショナル・リサーチともいう
*2 ARO:
Academic Research Organizationの略。研究機関や医療機関などを有する大学などがその機能を活用して、医薬品開発などを含め、臨床研究・非臨床研究を支援する組織をいう
*3 北海道臨床開発機構:
北海道大学、札幌医科大学、旭川医科大学
*4 POC:
proof of concept、概念実証

最終更新日 平成30年11月15日