2017年度 研究事業成果集 医療研究開発革新基盤創成事業(CiCLE)

医療研究開発革新基盤創成事業―CiCLE(サイクル;Cyclic Innovation for Clinical Empowerment)

革新基盤創成事業部

第3回公募からベンチャー企業を対象としたViCLEを新設

「医療研究開発革新基盤創成事業(CiCLE)」は、産学官連携によりわが国の力を結集して次世代型の医療イノベーション基盤の形成を目指す大規模な研究開発を推進します。2017年度に行った第1回、第2回公募では、合わせて17件を採択。2018年度の第3回公募からベンチャー企業が対象の「スタートアップ型(ViCLE、“ヴィークル”)」を新設しました。長期間、大規模な支援により、研究開発のみならず環境整備や人材育成、伴走支援にも力を入れています。

取り組み

医療研究開発革新基盤創成事業(CiCLE)」は、2016年度にAMEDが創設した、わが国最大級の公募型産学官共同研究開発です。国の「未来への投資を実現する経済対策」、「新しい経済政策パッケージ」によりAMEDへ措置された2016年度第2次補正予算550億円および2017年度補正予算300億円の出資金を元に実施しています。

医療現場のニーズに的確に対応する研究開発の実施や創薬などの実用化の加速化などが抜本的に革新される基盤(人材を含む)形成を目的としており、具体的には①リバーストランスレーショナルリサーチ(rTR)*1基盤の形成・強化、②医療研究開発分野でのオープンイノベーション・ベンチャー育成が強力に促進される環境創出の推進、③新たな医薬品や医療機器、再生医療等製品、医療技術などの実用化開発を支援します。

一般型の最大の特徴は、最長10年という長期間にわたり、大規模な予算を活用して研究開発を推進できることです。これにより基礎的な研究段階から治験などを含む実用化開発の段階までの幅広い案件に対応します。また、研究開発/環境整備にとどまらず、代表機関と連携する分担機関を含めて長期の人材育成にも役立てることができます。

CiCLEは「イノベーション創出環境整備」「研究開発」「実用化開発」の3つのタイプからなっています。イノベーション創出環境整備タイプでは、共同利用設備として研究所などの整備を行うことも可能です。

2016年度の第1回、第2回公募では、多数の応募の中から最終的に17件の研究課題を採択。また2018年3月に開始した第3回公募から、一般型に加えて新たにベンチャー企業を対象としたスタートアップ型(ViCLE)が設けられ、3タイプ2型の公募となりました。

ViCLEは技術やビジネスモデルに新規性・革新性があり、短期間に成長して新規株式上場(IPO)や企業への技術譲渡、企業の吸収・合併(M&A)などの出口戦略を持つ設立10年以内の未上場のベンチャー企業が対象です。期間は最長3年、金額は最大3億円、担保・債務保証に緩和措置を設けることで、ベンチャー企業が参画しやすい設計としました。

AMEDではCiCLEの採択課題の目標達成に向けて、AMED内の関係領域や課題評価委員、PS・PO*2、外部アドバイザーなどと連携・協力し、伴走支援に力を入れていきます。

■CiCLEは3タイプ2型で公募
*1 リバーストランスレーショナルリサーチ(rTR):
臨床および臨床研究で得られた知見・情報を基礎研究にフィードバックする研究
*2 PS(プログラムスーパーバイザー)・PO(プログラムオフィサー):
機構の事業の運営や質の向上、研究開発課題の評価や支援などを行う、当該事業に関して優れた学識経験を持つ専門家

最終更新日 平成30年11月15日