AMEDシンポジウム2017開催レポート AMEDシンポジウム2017開催レポート:基調講演(2)

(抄録)

基調講演

和泉 洋人氏(内閣総理大臣補佐官、内閣官房健康・医療戦略室長)

③ 現在、AMEDを中心にどんなプロジェクトが進んでいるのか

AMEDは、健康寿命の延伸に向けて疾病別の4つのプロジェクト、分野横断的な5つのプロジェクトを進めています。末松理事長のリーダーシップのもと、さまざまな成果を挙げています。具体的には図6、図7をご覧いただきたいと思います。

説明図・6枚目(説明は本文中に記載)
図6 医療分野研究開発の成果例➀
※画像をクリックするとPDFファイルが表示されます

説明図・7枚目(説明は本文中に記載)
図7 医療分野研究開発の成果例➁
※画像をクリックするとPDFファイルが表示されます

➃ AMEDの役割

説明図8枚目(説明は本文中に記載)
図8 健康長寿実現のための最適シナリオ
[研究開発のPDCAサイクル強化]➀
※画像をクリックするとPDFファイルが表示されます
説明図9枚目(説明は本文中に記載)
図9 研究開発と社会実装の現状評価のための
「かしこい」データベースの整備
※画像をクリックするとPDFファイルが表示されます

今後、AMEDに期待することとしては3点、ア)健康長寿社会実現の最適シナリオの提示、イ)研究開発と社会実装の評価分析のための「かしこい」データベースの構築、ウ)AMEDファンディング対象の選択と集中・最適化と国内外の研究開発とネットワーキングがあります。

ア)健康長寿社会実現の最適シナリオの提示

健康長寿社会を実現するためには、医療・介護等社会システムを含む包括的な長期シナリオが必要です。現在、「健康・医療戦略」、「医療分野研究開発推進計画」は5年毎に見直しをしています。

AMEDが日本の医療・介護の現状や国内外の研究開発の動向、さらには海外の同じようなファンディング機関の動向などを分析し、「健康寿命の延伸」の実現に資する具体策を政府に提案する。それが上に戻って健康・医療戦略や医療分野研究開発推進計画の見直しにつながる。こういった仕組みができています。

研究分野の重要性や世界における日本の位置、AMEDの研究開発費の投入状況等を見ながら、5年間の健康・医療戦略の実現ができているのか、あるいは医療分野研究開発推進計画が5年間、ちゃんと順調にいっているのかを繰り返して分析する必要があります。

イ)研究開発と社会実装の評価分析のための「かしこい」データベースの構築

現在、AMEDはAMS(AMEDマネジメントシステム)というデータベースを構築中です。どんな予算が、どういった分野に、どういったライフステージで、基礎から臨床に向けて、進捗状況はどうか、成果がどのように出ているのか、誰がやっているのか、その人はどんな研究をほかにやっているのか、成果や論文、実例につながっているのかなどを詳細に分析するデータベースです。

このAMSを、単にやっていることをひもづけして検索するだけではなく、現在の健康長寿に向けた研究の重要分野を分析し、さらにはAMEDだけでなく他の研究機関、あるいは海外もトータルに結びつけることによって、次の戦略を生みだすためのサジェスチョンを与えてくれるような賢いデータベースにしていただくことを期待しています。そしてAMEDにはAMSの分析結果を活かして、ア)でお話した「健康寿命の延伸」の実現に資する具体策を提案していただきたいと思っています。

ウ)AMEDファンディング対象の選択と集中・最適化と国内外の研究開発とネットワーキング

国の医療研究開発の予算は限られていますので、どの分野にファンディングしていくかについての選択と集中・最適化が大事です。日本で全部やることは不可能です。日本にとって一番大事な可能性のある、シーズがある、それをやることによって世界の同じような研究機関と協力して、世界全体の健康長寿に資するようなことをやっていただきたい。そのためには国内外のネットワークがとても大事ですし、AMEDにはさまざまな努力を積み重ねていただいております。

【前ページ】➀日本が今後とも持続的に成長する条件【次ページ】おわりに

「AMEDシンポジウム開催レポート」トップページに戻る

最終更新日 平成29年10月16日