AMEDシンポジウム2017開催レポート AMEDシンポジウム2017開催レポート:招待講演② レギュラトリー・サイエンスに基づくイノベーションの活性化(4)

招待講演➁レギュラトリー・サイエンスに基づくイノベーションの活性化―「合理的な医療」を目指して―

近藤 達也氏(独立行政法人 医薬品医療機器総合機構 理事長)

先駆け審査指定制度―世界に先駆けて審査指定制度を開始

世界に先駆けて日本で医薬品・医療機器・再生医療等製品を実用化するために、2015年度から先駆け審査指定制度を開始しました。対象疾患の重篤性など、一定の要件を満たす画期的な新薬などについて、開発の早期段階から対象品目に指定し、薬事承認に関する相談・審査で優先的な取り扱いをすることで、承認までのスピードアップを図ります。例えば、通常の新医薬品の場合、12カ月を目標に審査を行っているところ、この制度を活用することで、審査期間の目標をこれまでの半分の6カ月に短縮することが可能になります。この制度は、世界的にも非常に大きなインパクトを与え、世界的な企業からどんどん日本に問い合わせがあり、欧米の規制当局にも非常に大きな影響を与えました。米国ではブレークスルーというシステムが作られ、EMAでも同じような制度をつくって、この制度の有用性が世界的に認められたところです。

データ収集の長期化が問題となっていた医療機器開発では、条件付き早期承認制度を構築し、製造販売後のリスク管理を厳密に行うことを前提に、限られた臨床データでの承認申請を可能にしました。

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終わりに

日本が科学分野の最先端に立っていることは間違いありません。有能な研究者たちがより合理的に物事を先に進めていけるように、最新の知見をふまえながら全人的な医療を提供する体制を構築していく必要があります。PMDAでは科学委員会での議論のもと、品質、有効性、安全性の評価方法の新たなエビデンスを創造することで、少しでも早く医療の恩恵を届けていきたいと考えています。

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最終更新日 平成29年10月16日