医療機器研究開発課 医療機器等における先進的研究開発・開発体制強靱化事業(旧・先進的医療機器・システム等技術開発事業)基盤技術開発プロジェクト R3年度事後評価について

1.事後評価の目的

研究開発課題等について、研究開発の実施状況、研究開発成果等を明らかにし、今後の研究開発成果等の展開及び事業の運営の改善に資することを目的とする。

2.実施方法

(1)事後評価報告書の提出

  • 被評価者は、別に定める事後評価報告書を機構に提出する。

(2)書面審査

  • 研究開発課題ごとに担当の委員を定め、事後評価報告書等に基づき3の評価項目の観点から書面審査を実施する。また、必要に応じて評価委員以外の外部専門家の活用等を行う。

(3)現地調査

  • 委員会は、必要に応じて被評価者の研究施設を訪問し、研究開発期間中の実施状況、実施体制等を調査する。

(4)ヒアリング審査

  • ヒアリング審査においては、研究開発課題等の実施状況、成果、今後の展開等について説明を聴取し、質疑応答を行う。

  • ヒアリング審査対象者は、原則として研究開発代表者等とする。

3.評価項目

①研究開発達成状況
  • 研究開発計画に対する達成状況はどうか
②研究開発成果
  • 予定していた成果が着実に得られたか
  • 成果は医療分野の進展に資するものであるか
  • 成果は新技術の創出に資するものであるか
  • 成果は社会的ニーズへ対応するものであるか
  • 必要な知的財産の確保がなされたか
③実施体制
  • 研究開発代表者を中心とした研究開発体制が適切に組織されていたか
  • 十分な連携体制が構築されていたか
④今後の見通し
  • 今後、研究開発成果のさらなる展開が期待できるか
⑤事業で定める項目及び総合的に勘案すべき項目
  • 最終目標の要求事項を満足しているか
⑥総合評価
別に定める10段階評価により、①~⑤を勘案しつつこれらと別に評点を付し、総合評価をする。

4.評価結果一覧

「事後評価報告書」欄のPDFアイコンをクリックすると報告書が表示されます。

令和3年度 終了課題 事後評価結果一覧

課題評価委員については以下のPDFファイルをご覧ください。

開始年度 終了年度 研究開発
代表者
研究代表機関 職名 研究開発課題名 事後評価報告書
評価 評価委員会による課題毎の評価を掲載しております。
2019 2021 古川 哲史 東京医科歯科大学 教授 【共通基盤】 インテリジェント心房細動予防・検出インフラの構築 表示
評価 AIアルゴリズムが完成し、静岡市清水区で前向き検討を開始した点を含め、成果は社会的ニーズへ対応し、新技術の創出、医療分野の進展に資するものであり、総合的に計画通りに進捗、成果が得られたことが評価された。
2019 2021 伊藤 雅昭 国立がん研究センター
東病院
科長 【共通基盤】 内視鏡外科手術のデータベース構築に資する横断的基盤整備 表示
評価 産業目的可能手術関連データベースのプラットフォームが完成、これを支えるコンソーシアムも体制作りができている。国立がん研究センター発ベンチャーとしてデータベースの運営事業者((株)Surg storage)を発足させ、2022 年 4月の研究終了時に事業者単独でのデータベース運営を開始した点は持続性の観点から高く評価され、当初の計画を超えて進捗し、計画した成果をやや上回る成果が得られたと評価された。
2019 2021 野田 智之 国際電気通信基礎技術研究所 主幹研究員 【応用フェーズ】 下肢装具から脱却するためのリハビリテーションを支援する歩行介入エンジンの研究開発 表示
評価 基本技術を確立できたものと思われ、臨床応用のための利用技術の体系化も一定程度行われたが、事業化を担当する製販企業を含めたステークホルダーのコミットメントがなく、事業化に向けての課題も不明確、従ってロードマップも描けていないため、これらに対応することなしには実用化は困難である可能性が懸念される。今回達成した目標は実際に医療経済性を伴うようなアウトカムにつながるのか評価は難しいとされ、計画した成果と同程度の成果が得られた部分もあるが下回る成果の部分もあったと評価された。
2019 2021 中田 孝明 株式会社Smart119 代表取締役 【応用フェーズ】 救急医療予測アルゴリズム研究開発 表示
評価 構築した研究環境や成果物を活用した千葉大学、千葉市内の10施設で実証試験を行い、提案するシステムの有効性を検証し、総合的に計画通りに進捗及び成果が得られたと評価された。
2019 2021 羽藤 直人 愛媛大学 教授 【応用フェーズ】 高齢中高度難聴者のQOLを改善する革新的骨導補聴デバイスの開発 表示
評価 超磁歪素子を用いた骨導補聴デバイスの試作、骨導補聴デバイスの臨床評価、骨導補聴デバイスの薬機戦略、いずれもほぼ計画通りに進捗したと認められ、総合的に計画した成果が得られたと評価された。
2019 2021 山田 秀直 浜松ホトニクス株式会社 主任部員 【応用フェーズ】 三次元像フローサイトメトリー細胞診による血中循環腫瘍細胞の質的診断法の開発 表示
評価 個々の要素技術開発については一定の成果を得たが、臨床上の有用性評価に関しては取得症例数が少なく、継続した臨床評価による結果に期待するところであり、計画した成果と同程度の成果が得られた部分もあるが下回る成果の部分もあったと評価された。
2019 2021 薄 善行 未来イメージング株式会社 代表取締役 【応用フェーズ】 高精度な術前・術中生体機能診断を可能とする多目的可変型医療画像装置の開発 表示
評価 研究開発計画を達成し、基本的性能を確認したと評価する。術中に迅速病理診断に代わり、切除部位における断端陰性や深度判定を可能にしたことで、手術室内で使用できる医療機器となる可能性があり、総合的に計画通りに進捗し、成果が得られたと評価された。
2019 2021 益田 泰輔 メドリッジ株式会社 部長 【応用フェーズ】 全血対応が可能な細胞分取装置による癌モニタリング 表示
評価 設定された条件の下では、開発デバイスの細胞分取性能は達成されており、 中規模臨床研究を実施し、その有効性の検証を試みている。総合的に計画通りに進捗し、計画した成果が得られたと評価された。

総評

令和3年度に終了した基盤技術開発プロジェクトの共通基盤2課題と応用フェーズ6課題が対象である。5課題は計画した成果、1課題はやや計画を上回る成果、2課題は計画と同程度の成果が得られた部分もあるが下回る成果の部分もあったと評価された。

最終更新日 令和4年12月21日