2016年度 研究事業成果集 産学官共同創薬研究プロジェクト GAPFREE GAPFREE2

産学官共同創薬研究プロジェクト GAPFREE GAPFREE2

戦略推進部 医薬品研究課

革新的医薬品開発のためにアカデミア・製薬企業のコンソーシアム構築

AMEDは、革新的な新薬の創出を促進するため、アカデミアと企業のマッチングスキームを組み込んだ「GAPFREE型」という新たな産学官共同プロジェクトを立ち上げました。平成27年度にGAPFREE、平成28年度にGAPFREE2を開始しました。

Funding for Research to Expedite Effective drug discovery by Goverment, Academia and Private partnership

GAPFREE

GAPFREE2

取り組み

新たな医薬品を効率良く創り出すには、病態のメカニズムを知り、得られる効果をできるだけ正確に予測することが重要です。そのためにはアカデミアと製薬企業の連携が欠かせません。

アカデミアは患者や疾患などの臨床情報を豊富に持っていますが、実用化のノウハウは乏しいのが現状です。一方で製薬企業は、医薬品を製品化するためのノウハウは豊富ですが、アカデミアの持つ臨床情報や、検体へのアクセスが難しいという課題を持っていました。

そこでAMEDでは、創薬基盤推進研究事業の一環として、アカデミアと企業のマッチングスキームを組み込んで、アカデミアにおける良質な臨床検体収集体制や先進的なオミックス解析技術と製薬企業における創薬ノウハウをつなげる研究スキームを「GAPFREE」として新たな産学官共同プロジェクトを設計しました。

特徴

  • 参画企業とアカデミアがマッチングされた状態で公募に応募(必要に応じてAMEDでマッチングを実施)
  • 参画企業も一定額の研究費を拠出
  • 国と企業からの研究費はAMEDを経由してアカデミアへ拠出
  • AMEDが研究の進捗を管理

成果

平成27年度には、産学官共同創薬研究プロジェクとして「GAPFREE」の公募が初めて行われました。

平成28年度は、リバース・トランスレーショナル・リサーチの手法を創薬の研究開発に用いるプロジェクト「GAPFREE2」の公募を行いました。これは有用性が知られている既存薬をツール化合物として使った介入試験から創薬研究を開始し、得られたデータを基礎・応用研究にフィードバックすることにより、臨床予測性を高め、革新的医薬品開発につなげようとするものです。

「GAPFREE」「GAPFREE2」では、連携先が決まっていないアカデミアと企業にAMEDがマッチングを行いましたが、「GAPFREE2」の例では7件が成立しました。

展望

公募の一段階前であるマッチングからAMEDが関わることによって、これまでより大きな枠組みでの産学官連携を実現しました。この取り組みが加速することで、創薬研究が促進され、これまでにない作用機序の新薬開発につながることが期待されています。

最終更新日 平成30年10月5日