2016年度 研究事業成果集 創薬ブースター(創薬総合支援事業)

創薬ブースター(創薬総合支援事業)

創薬支援戦略部

新しい形の公的創薬支援

医薬品の研究開発では、「アカデミア創薬」の重要性が近年急速に高まっています。しかし日本の大学等のアカデミアでは、さまざまなボトルネックによって創薬研究を進めづらい状況が続いています。このボトルネック解消に向けて、創薬支援戦略部では「オールジャパンでの医薬品創出」の中核である“創薬支援ネットワーク”を基盤とした、ファンディングとは異なる新しいかたちの創薬総合支援事業「創薬ブースター」を推進しています。

創薬支援ネットワーク

取り組み

医薬品の研究開発では、製薬企業が「自社研究所でシーズを生み出す」仕組みから、「アカデミアからシーズを探し出す」仕組みへの転換が進行しつつあります。そういった状況の中、アカデミアで行われる「アカデミア創薬」の重要性が近年急速に高まっています。しかし、アカデミアだけでは、産業界水準のハイスループット・スクリーニング(HTS)や企業化合物ライブラリー等へのアクセス手段がなく、創薬化学や安全性評価等の専門家を確保できないといった深刻なボトルネックがあり、創薬研究を進めづらい状況が続いています。

そこで開始した「創薬ブースター」では、製薬企業等での豊富な経験を持つ創薬支援戦略部の創薬コーディネーターが研究者に伴走し、創薬に関わるノウハウ、創薬支援ネットワーク等の先進創薬技術、研究開発経費をセットで提供し、アカデミア創薬を支援します。なかでも、「産学協働スクリーニングコンソーシアム」(DISC)や「構造展開ユニット」などの新しい官民連携の取り組みを活用した産業界水準の技術支援は創薬ブースターの最大の特徴となっています。

成果

平成29年4月現在、2課題の企業導出を実現しています。

展望

革新的医薬品の創出を目指し、アンメットニーズ(いまだ満たされていないニーズ)を充足しうる有望シーズの発掘体制をさらに強化していきながら、アカデミア創薬を加速させていきます。

最終更新日 平成30年10月5日