2017年度 研究事業成果集 公正な研究活動の推進

公正な研究活動の推進

研究公正・法務部

研究倫理教育を通じて不正を未然に防ぐ

AMEDでは、配分する研究費により実施される研究活動における不正を防止し、研究が公正かつ適正に実施されるよう、①ノウハウの蓄積と専門的人材育成、②研究公正の啓発活動の推進および体制の整備に関するさまざまな取り組みを行っています。2017年度には研究公正関係者の情報交換の場として「RIOネットワーク」を設立。具体的事例を紹介した教育教材(ケースブック)の作成、研究倫理ホームページの開設など活発に活動しています。

AMEDでは、専門的人材を擁する研究公正・法務部が、AMEDが配分する研究費により実施される研究活動における不正を防止し、研究の公正かつ適正な実施の確保を図っています。研究者や事務に従事する方々を対象とした法令・ガイドライン遵守などのための説明会を開催するとともに、研究に実質的に参画する研究者全員を対象とした研究倫理教育プログラムの履修を求めています。また、研究機関における研究倫理教育の着実な実施や高度化に資するシンポジウム・セミナーを開催するなど、研究公正の向上への取り組みを実施しています。

2017年度の主な活動


研究公正シンポジウムポスター

●RIOネットワークの設立
AMEDから研究資金の配分を受けている研究機関の研究公正責任者や研究公正担当者の情報交換の場として「RIOネットワーク」を設立しました。2017年11月にはキックオフシンポジウム「『考え、気づかせる』研究倫理教育」を開催。約300人の参加を得て、自立した研究者、技術者を育てるためには行動の是非を教える「予防倫理」に加えて自ら行動を考える「志向倫理」を育てなければならないことなどが議論されました。また、メンバー間の日常的情報交換に役立てるため毎週メールマガジンを発行しており、年1回シンポジウムなどを開催する予定です。

■研究公正シンポジウム

  • 登壇者
  • 会場

●研究不正などの事例を紹介したケースブックの制作
2017年3月には、主に医療分野における研究不正や生命倫理違反、利益相反違反などの具体的事例を紹介した教育教材『事例から学ぶ公正な研究活動 ~気づき、学びのためのケースブック~』を発行。研究者はもちろん、研究環境を整備する方や研究不正であるかを判断する方にとっても参考となり、研究倫理教育の場で活用していただける内容としています。

■『 事例から学ぶ公正な研究活動~気づき、学びのためのケースブック~』(普及版)

●研究公正高度化モデル開発支援事業
2016年度に立ち上げた研究公正高度化モデル開発支援事業では、研究倫理教育教材などの作成および研究公正の取り組み強化のための調査研究について公募を行い、現在開発を進めています。2017年度すでに完成した教材やプログラムをホームページで公開しました。

展望

全国レベルでの連携・協力関係が希薄になりがちな研究機関の研究公正関係者を横断的に結ぶ「RIOネットワーク」の整備により、各研究機関における研究公正活動や研究機関同士の情報交換が活発になることを期待しています。2018年3月現在、メンバー登録は2000人を超えました。今後、「RIOネットワーク」内の小グループ(地域別、研究機関の機能別など)での分科会活動も行っていきます。

最終更新日 平成30年11月15日