2017年度 研究事業成果集 知的財産の活用促進・早期実用化を支援

知的財産の活用促進・早期実用化を支援

知的財産部

アカデミアシーズの早期実用化に向け新たな支援体制を構築

医療分野の研究開発はアカデミアの役割が大きく、企業などへの導出に向けた戦略が極めて重要です。AMEDは、研究機関で創出された成果の実用化に向けて、知的財産の面から総合的・戦略的な支援を行っています。2017年度は新たに「AMED知財リエゾン」を配置し、全国規模のコンサルテーション体制を構築。また大学のシーズと企業のニーズのマッチングシステム「AMEDぷらっと」を開設し、研究開発の入口から出口まで一貫した支援体制を強化しました。

取り組みと成果

AMED知的財産部では、研究成果の活用や企業との共同研究などの連携を支援し、成果の早期実用化に向けた取り組みを行っています。

【主な支援活動】

1. 医療分野の研究成果活用促進・導出支援

●医療分野の知財コンサルテーション
AMED研究成果の実用化に向け、企業への早期導出を含めた知財戦略について、専門家による相談を無料で行っています。AMED本部に常駐する知財コンサルタントに加え、2017年度から新たに全国に「AMED知財リエゾン」約10人を配置。全国できめ細かくコンサルテーションを行う体制を構築しました。
●「AMEDぷらっと」
シーズ・ニーズのマッチング支援システムの開設
大学の持つ知識や技術(シーズ)と企業のニーズを早い段階で結びつけ、実用化を支援するマッチングシステム「AMEDぷらっと」を構築し、2018年4月に開設しました。非公開情報のネットワークシステムで、大学が研究成果をデータベースに登録し、企業がそれにアクセスすることで早期のマッチングを促し、共同研究や特許出願などにおける連携を促進します。
●展示会、商談会、シーズ発表会への出展など支援
国内外のパートナリング商談会、展示会、シーズ説明会などの場で、AMED研究成果の導出を図る出展等参加支援を行いました。2017年度の出展等参加支援は、パートナリング商談会などの機会の回数で計10回、課題数で延べ77件、面談回数で延べ515件に上りました。

2. 国内外の研究開発情報の収集・分析

医療分野における特許・技術動向調査、知財戦略に関する調査などを行い、HPやセミナーなどで調査結果を公表しています。

2017年度の例では、知的財産法上の取り扱いについて明確な定義がない大学など研究機関の持つ臨床研究データについて、大学など研究機関側と、臨床研究データを利用しようとする企業側との間の考え方の違いについて、ヒアリングなどから明らかにしました。

3. 知財の普及啓発

大学などの研究機関の医療研究者、産学連携・知財部門担当者を主な対象として、研究成果の導出に向けた普及啓発施策を実施しています。具体的には大学の知財セミナーなどに講師を派遣するほか(年間約35回)、医療分野の研究者向け知財教材をHP上に公開しています。また、大学などの知財・産学連携等担当者向けの研修セミナーを開催しています。

展望

「AMED知財リエゾン」と「AMEDぷらっと」が相互に連携することで、大学と企業のマッチングを早期の段階から促進し、研究成果の実用化をより強力に支援します。また医療分野において、大学等の持つ研究成果のデータベースとなるよう、「AMEDぷらっと」のプラットフォーム化を目指します。

■ 「AMED知財リエゾン」と「AMEDぷらっと」によるシナジー効果

最終更新日 平成30年11月15日