2017年度 研究事業成果集 創薬支援推進事業・創薬総合支援事業(創薬ブースター)

創薬支援推進事業・創薬総合支援事業(創薬ブースター)

創薬戦略部 創薬企画・評価課

「創薬支援推進ユニット」を整備し、4テーマを企業へ導出

AMEDの「創薬ブースター」は、アカデミア発の優れた基礎研究の成果から生まれた創薬シーズの実用化を加速・支援する事業です。2018年3月末時点で合計4テーマを企業へ導出しました。また2017年度には創薬ブースターを強化するための仕組みとして新たに「創薬支援推進ユニット」を設置。研究開発を加速し、アカデミア発創薬シーズの実用化における成功確率を向上させるとともに、オールジャパンでの創薬研究推進に寄与することを目的としています。

■創薬支援ネットワークの体制

取り組み

医薬品開発において、大学などの研究機関(アカデミア)が基礎研究から生み出した革新的な創薬シーズを育て、企業に導出するところまでを担う「アカデミア創薬」の重要性が高まっています。基礎研究の成果を確実に実用化につなげるためには、創薬標的の選択から前臨床試験に至るまでの応用研究への支援を切れ目なく行うことが必要です。

AMEDの創薬支援推進事業・創薬総合支援事業(創薬ブースター)は、アカデミアで生み出された基礎研究成果の実用化の加速を目的として、創薬戦略部が医薬品としての実用化の可能性が高いと判断した創薬シーズに対し、創薬支援ネットワーク*構成機関などが保有する創薬技術や設備などを活用し、創薬のための研究戦略の策定、技術支援、知財管理の実施、企業導出に関する助言など、実用化を目指したシームレスな支援を行っています。製薬企業などで豊富な経験を持つ「創薬コーディネーター」が研究者をサポートし、企業への導出(ライセンスアウト)を最終目標に伴走支援しています。

成果

2017年度、創薬ブースターの機能を強化するための仕組みとして、新たに「創薬支援推進ユニット」を整備しました。創薬に必要な技術を持つ産学官の研究開発機関を公募により選定し、研究プロセスの中で必要となる各種業務を担当して創薬ブースターにおけるアカデミア創薬を後押しする仕組みです。具体的にはシーズの収集、CRO調整、次世代ワクチンや遺伝子治療などの革新的医薬品の開発支援、バイオ医薬品製造支援、さらには起業支援などの分野で創薬ブースターをサポートします。

創薬ブースターでは、2018年3月末までに83の研究テーマを支援、計4テーマを企業へ導出しました。このうち1テーマは、「産学協働スクリーニングコンソーシアム(DISC)」の枠組みによる導出です。

■導出したテーマ(2018年3月末現在)

展望

創薬コーディネーターによるきめ細やかな相談・サポートを推進し、さらなる有望シーズの発掘に取り組むとともに、創薬支援推進ユニットの活用をはじめ、オールジャパン体制で画期的なアカデミア創薬を加速させていきます。

最終更新日 平成30年11月15日