AMEDシンポジウム2017開催レポート AMEDシンポジウム2017開催レポート:ワークショップ③ 今考える、激動の世界動向とこれからの医療研究開発(2)

(抄録)

ワークショップ➂ 今考える、激動の世界動向とこれからの医療研究開発

―AMED海外事務所から見えてきたもの―

モデレータ
岩本 愛吉(AMED戦略推進部 部長)
パネリスト
杉山 大介氏(九州大学大学院医学研究院次世代医療研究開発講座 教授)
前田 優香氏(国立がん研究センター研究所 腫瘍免疫研究分野 研究員)
佐野 多紀子(AMEDワシントンDC事務所 所長)
秋月 玲子(AMEDロンドン事務所 所長)
中村 浩(AMEDシンガポール事務所 所長)

中村 浩(AMEDシンガポール事務所 所長)

写真(中村 浩氏)
説明図・3枚目(説明は本文中に記載)
図3 e-ASIA共同研究プログラム参加機関
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シンガポールは1991年以来、国からの研究開発費の支出を大幅に増やしてきています。外国人研究者の割合が高く、約34%が外国籍で、高等教育機関では50%以上を超えているのも特徴です。AMEDは、シンガポールと覚書に基づいた最初の共同研究プロジェクトを、エイジングの分野を対象に2017年に開始しましたが、これは、今まで感染症が中心だったアジアの国々との共同研究の中では新たな風を吹き込むものです。また、アジア向けの共同研究プログラムとして、3カ国以上の研究者が集まることを条件とするe-ASIA共同研究プログラムがありますが、これには、近年ヘルス分野における参加機関が増加してきていて、ここでも新たな展開が期待できます。

杉山 大介氏(九州大学大学院医学研究院次世代医療研究開発講座 教授)

写真(杉山 大介氏)
説明図・4枚目(説明は本文中に記載)
図4 欧米の橋渡し研究機関との連携
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九州大学病院ARO次世代医療センターはAMEDの革新的医療技術創出拠点プロジェクトの拠点として、学内外の研究者の支援を行っています。国際ネットワークの構築にも注力しており、アジア諸国のアカデミアとネットワークを構築するため、Japan Medical Innovation Programを企画し、国際産学官交流事業を推進しています。台湾アカデミアとMOU(了解覚書)を締結し、共同研究推進の基盤を構築しました。また、欧州のEATRIS・ECRIN、米国のNIH/NCATSとも連携し、橋渡し研究人材、アントレプレナー育成のための教育プログラムも実施しています。

前田 優香氏(国立がん研究センター研究所 腫瘍免疫研究分野 研究員)

写真(前田 優香)
説明図・5枚目(説明は本文中に記載)
図5 Interstellar Initiativeを通じて感じた求められる
国際人材
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私は2013年から2年間、米国NYのMemorial Sloan Kettering Cancer Centerに留学後、ワシントンDCのSociety for Immunotherapy of Cancerの国際スカラシップに参加、2017年にはAMEDとThe New York Academy of Scienceの共同開催による若手育成国際ワークショップ、Interstellar Initiativeにも出席しました。Interstellar Initiativeには世界各国から50人、うち日本から20人の若手研究者が集まり、異なる専門性と国籍を持つ若手研究者がチームを組んで競い合いました。セミナーを除いて1日半という限られた時間で新しいプロジェクトを作り上げるワークショップですが、初対面の異分野の研究者同士が融合することで、思いがけないアイデアが生まれました。国際人材として活躍するには、語学力、国際経験などに加えて、専門分野を俯瞰する能力が重要だと実感しました。

最終更新日 平成29年10月18日