医薬品研究開発課 アカデミア医薬品シーズ開発推進会議(AMED-FLuX)
概要
AMEDは、アカデミア創薬に産業界の意見を取り込み、実用化への道のりを明確化することを目的として、令和3年度に、アカデミア医薬品シーズ開発推進会議(AMED-FLuX:Frank Conference between Academia and Industry for Leading united Translational Research on Academia Seeds)を設置しました。製薬企業15社から29名のアドバイザーの方々(令和6年7月時点)に参画いただき、AMEDで支援中の研究開発課題に対して、製薬企業の視点から実用化に向けた助言をいただいています。
目的
- アカデミアと製薬企業の研究者が自由に意見交換できる場を提供する。
- アカデミア創薬に製薬企業の専門家の意見を取り込むことで、実用化への道のりを明確化し、アカデミアの創薬研究の成果を、最短経路で患者さんのもとに届ける。
対象課題
AMEDの医薬品プロジェクト、疾患基礎研究プロジェクト、シーズ開発・研究基盤プロジェクトで支援中の研究開発課題のうち、以下の要件を満たすもの。
- 以下のいずれかの類型に当てはまる課題
- ①標的検証型課題
治療標的の探索・妥当性検証を行っている課題 - ②シーズ探索型課題
医薬品シーズの探索・最適化や生物活性評価を行っている課題 - ③創薬基盤技術開発型課題
創薬研究の加速化、高度化等に資する基盤技術の開発を行っている課題
※標的検証やシーズ探索等への活用が具体化している課題が望ましい。
- ①標的検証型課題
- 企業との共同研究や企業導出に至っていない課題
- PSPOの推薦があり、研究開発代表者の同意が得られている課題
会議運営
- 年4回(1月、5月、7月、10月)を目途に会議開催。1回当たりの課題数は最大3課題。1課題当たりの時間は最長80分。
- アドバイザーは、AMEDの科学技術調査員として委嘱(守秘義務あり)。事前に課題の概要(ノンコンフィデンシャル情報)を確認していただき、COIの問題がある場合は参加を見合わせていただく。
- 会議には、アカデミア研究者、アドバイザーの他、課題担当のPSPOの同席も可能とする。
- 自由に意見が言える環境を確保する観点から、原則としてオンライン会議とし、匿名性を確保する。
- 会議では、アカデミアの研究者より、プレゼンテーション(可能な範囲でコンフィデンシャル情報を含める)を行い、質疑応答、意見交換を行う。
- 意見交換の観点は以下のとおり。
- 医療ニーズと創薬コンセプトを踏まえ、実用化の観点から有望なシーズと判断するために求められること
- 次に実施すべき研究開発項目
- 基礎となっている技術の他疾患領域への応用可能性
- その他、研究者からの質問・相談事項
- 会議後にアドバイザーから文書でコメントを提出していただき、研究者及びPSPOにフィードバックする。
結果の活用
- アドバイザーの意見を個別の研究開発の推進に活用する。その際、各事業の判断により、研究計画変更や追加交付等を行うこともあり得る。
- 他の課題にも共通する意見が抽出された場合には、他事業のPSPO等にも共有し、AMED全体の課題管理・事業運営に活用する。
- アドバイザー(製薬企業)の側から、共同研究等に向けた面談の申出があった場合は、AMED事務局を通して研究者に繋ぐ。
AMED-FLuXアドバイザーについて
令和6年7月現在、製薬企業15社から29名のアドバイザーの方々にご参画いただいています。アドバイザーの方々の専門領域等及び名簿(公表にご了解いただいた方のみ)は以下のとおりです。
AMED-FLuXアドバイザーの専門領域等
(令和6年7月時点)
AMED-FLuXアドバイザー名簿
(令和6年7月時点、企業名五十音順、敬称略、公表にご了解いただいた方のみ)
企業名 | 所属・役職 | 氏名 | |
---|---|---|---|
1 | アステラス製薬株式会社 | 創薬アクセレレーターI&C 京都大学アライアンス・ステーション長 | 黒光 貞夫 |
2 | エーザイ株式会社 | ADサイエンティフィックフェロー | 大郷 真 |
3 | 大塚製薬株式会社 | 研究管理部 部長 | 中村 茂樹 |
4 | 小野薬品工業株式会社 | リサーチプロジェクトマネージャー | 田中 真 |
5 | 協和キリン株式会社 | 創薬モダリティ第1研究所 所長 | 白石 泰久 |
6 | 疾患サイエンス第2研究所 主任研究員 | 江嵜 正浩 | |
7 | 塩野義製薬株式会社 | 創薬研究本部 グループ長 | 加藤 秀昭 |
8 | バイオロジクス領域長 | 釘宮 啓 | |
9 | 主幹研究員 | 垰田 善之 | |
10 | 住友ファーマ株式会社 | 研究企画推進部グループマネージャー | 矢吹 仁人 |
11 | 主席部員 | 只野 純 | |
12 | 第一三共株式会社 | 研究イノベーション企画部 グループ長 | 山本 昌司 |
13 | 武田薬品工業株式会社 |
サイエンティフィックフェロー | 大儀 和宏 |
14 | 主席部員 | 松井 久典 | |
15 | 田辺三菱製薬株式会社 | クリニカルサイエンス部 主席研究員 | 米田 光 |
16 | 主席研究員 | 塩谷 正治 | |
17 | ニューロサイエンスユニット 主幹 | 山口 尚子 | |
18 | マルホ株式会社 | R&Dマネジメント部 シニアアドバイザー | 井上 隆幸 |
上記企業様の他に、以下の企業様からもご参加いただいております。
旭化成ファーマ株式会社、大鵬薬品工業株式会社、中外製薬株式会社(4名)、久光製薬株式会社
(令和6年7月時点、企業名五十音順)
過去の附議課題一覧
課題名 | 研究開発代表者(敬称略) | |
---|---|---|
第1回(令和3年5月28日) | ||
1 | 次世代がん医療創生研究開発事業 「がん細胞の免疫原性を標的とした微粒子免疫療法の研究開発」 |
諸石 寿朗(熊本大学大学院生命科学研究部 教授) |
2 | 医療分野研究成果展開事業/産学連携医療イノベーション創出プログラム(ACT-MS) 「RNAとタンパク質の結合阻害による抗RSウイルス薬の創出」 |
遠藤 慧(東京大学大学院新領域創成科学研究科 助教) |
第2回(令和3年8月18日) | ||
3 | 次世代がん医療創生研究事業 「催奇性を回避した血液がん治療に有効な新規サリドマイド誘導体の開発」 |
山中 聡士(愛媛大学 プロテオサイエンスセンター 無細胞生命科学部門 特定研究員) |
4 | 難治性疾患実用化研究事業 「microRNA病態に基づいたレット症候群の治療薬開発」 |
辻村 啓太(名古屋大学 大学院理学研究科附属ニューロサイエンス研究センター 特任講師) |
5 | 医療分野研究成果展開事業 産学連携医療イノベーション創出プログラム(ACT-MS) 「細胞核ダイナミクスを標的とした抗フラビウイルス治療薬の開発」 |
宮本 洋一(医薬基盤・健康・栄養研究所 細胞核輸送ダイナミクスプロジェクト サブプロジェクトリーダー) |
第3回(令和3年10月27日) | ||
6 | 創薬基盤推進研究事業 「Staple核酸を用いた新規核酸医薬開発」 |
勝田 陽介(熊本大学 先端科学研究部 助教) |
7 | 次世代がん医療創生研究事業 「がんの幹細胞性と線維化機構の制御による多因子標的がん治療法の開発」 |
中西 祐貴(京都大学医学研究科 地域医療システム学講座 特定助教) |
第4回(令和4年1月26日) | ||
8 | 次世代がん医療創生研究事業 「増殖ストレス緩和システムを標的とする新規がん治療戦略の確立」 |
佐々木 敦朗(慶應義塾大学大学院 政策・メディア研究科(先端生命科学研究所)特任教授) |
9 | 先端的バイオ創薬等基盤技術開発事業 「高性能中分子医薬のスマートデザイン基盤技術開発」 |
門之園 哲哉(東京工業大学 生命理工学院 助教) |
第5回(令和4年5月25日) | ||
10 | 先端的バイオ創薬等基盤技術開発事業 「デリバリーと安全性を融合した新世代核酸医薬プラットフォームの構築 ―難治性がんに対するArl4cを標的としたアンチセンス核酸医薬の研究開発―」 |
松本 真司(大阪大学大学院医学系研究科分子病態生化学 准教授) 小比賀 聡(大阪大学大学院薬学研究科生物有機化学分野 教授) |
11 | 次世代がん医療加速化研究事業 「多量体型チロシンキナーゼを標的とした革新的がん治療法の開発」 |
小根山 千歳(愛知県がんセンター研究所 腫瘍制御学分野 分野長) |
第6回(令和4年7月27日) | ||
12 | 難治性疾患実用化研究事業 「液-液相分離を正常化する核酸医薬によるFTLD治療法開発」 |
石垣 診祐(滋賀医科大学神経難病研究センター 教授) |
13 | 次世代がん医療加速化研究事業 「改変型サイトカイン分子設計による抗腫瘍免疫療法の開発」 |
田中 伸幸(宮城県立病院機構宮城県立がんセンター研究所 がん先進治療開発研究部 部長) |
14 | 先端的バイオ創薬等基盤技術開発事業 「核酸医薬への応用を目指した非環状型人工核酸の開発 ―非環状型核酸を活用したトリプレットリピート病治療法開発―」 |
佐橋 健太郎(名古屋大学医学部附属病院 脳神経内科 講師) 浅沼浩之(名古屋大学大学院工学研究科 教授) |
第7回(令和4年10月26日) | ||
15 | 先端的バイオ創薬等基盤技術開発事業 「人工エクソソームを用いた革新的免疫制御法の開発」 |
華山 力成(金沢大学 ナノ生命科学研究所 教授) |
16 | 医療分野国際科学技術共同研究開発事業(SATREPS) 「感染症創薬の実現に向けた薬剤の至適化と前臨床試験の確立」 |
野崎 智義 (東京大学 大学院医学系研究科 教授) |
17 | 難治性疾患実用化研究事業 「高解像度3次元イメージングによる特発性後天性全身性無汗症の神経病態解析」 |
飯田 忠恒(東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科皮膚科学分野 非常勤講師) |
第8回(令和5年1月25日) | ||
18 | 疾患基礎研究プロジェクト 脳とこころの研究推進プログラム (領域横断的かつ萌芽的脳研究プロジェクト) 「筋萎縮性側索硬化症における神経変性誘導機序の同定とその制御」 |
村松 里衣子(国立精神・神経医療研究センター 神経研究所 部長) |
19 | 疾患基礎研究プロジェクト 革新的がん医療実用化研究事業 「副作用の論理的低減による新規膵臓がん薬物組み合わせ療法の開発」 |
園下 将大(北海道大学 遺伝子病制御研究所 がん制御学分野 教授) |
第9回(令和5年5月31日) | ||
20 | 医薬品プロジェクト 創薬基盤推進研究事業 「Staple核酸を利用した新規核酸医薬機序開拓」 |
勝田 陽介(熊本大学 大学院先端科学研究部 准教授) |
21 | 医薬品プロジェクト 次世代がん医療加速化研究事業 「上皮細胞の形質膜タンパク質リガンドによるがん変異細胞・がん細胞排除」 |
丸山 剛(東京大学 薬学部・大学院薬学系研究科 特任研究員) |
第10回(令和5年7月26日) | ||
22 | 医薬品プロジェクト 次世代治療・診断実現のための創薬基盤技術開発事業 「RNA標的創薬技術開発/新規RNA標的医薬品の研究開発(疾患の原因となる変異遺伝子のみを正常遺伝子と区別して抑制するSNPD-siRNA核酸医薬品実用化のための非臨床試験基盤の確立)」 |
程 久美子(東京大学 大学院理学系研究科 准教授) |
23 | 医薬品プロジェクト 次世代がん医療加速化研究事業 「TFE3関連腫瘍の微小環境を標的とした革新的治療法の開発」 |
田中 美和(公益財団法人がん研究会 がん研究所 がんエピゲノムプロジェクト 主任研究員) |
24 | 疾患基礎研究プロジェクト 脳とこころの研究推進プログラム(革新的技術による脳機能ネットワーク全容解明プロジェクト) 「パーキンソン病発症前から発症後に連続する神経回路病態の解明とトランスレータブル指標の開発」 |
上田 潤(京都大学 大学院医学研究科 臨床神経学 助教) 髙橋 良輔(京都大学 大学院医学研究科 臨床神経学 教授) |
第11回(令和5年10月25日) | ||
25 | 医薬品プロジェクト 次世代がん医療加速化研究事業 「グアニン四重鎖による翻訳制御を標的としたがん治療薬の開発」 |
清宮 啓之(公益財団法人がん研究会 がん化学療法センター分子生物治療研究部 部長) |
26 | 医薬品プロジェクト 次世代がん医療加速化研究事業 「催奇性を回避した血液がん治療に有効な新規サリドマイド誘導体の開発」 |
山中 聡士 (愛媛大学 プロテオサイエンスセンター 無細胞生命科学部門 特定研究員) |
第12回(令和6年1月31日) | ||
27 | 医薬品プロジェクト 次世代治療・診断実現のための創薬基盤技術開発事業 「サメVNAR作製プラットフォームを基盤とした次世代抗体医薬品の開発技術高度化」 |
竹田 浩之 (国立大学法人愛媛大学 プロテオサイエンスセンター・准教授) |
28 | 疾患基礎研究プロジェクト 腎疾患実用化研究事業 「ポドサイトDNA損傷に起因する病原性メモリーT細胞を標的にした治療法開発」 |
林 香 (学校法人慶應義塾 慶應義塾大学医学部・教授) |
第13回(令和6年5月29日) | ||
29 | 医薬品プロジェクト 次世代がん医療加速化研究事業 「染色体外環状DNAを標的とした次世代がん治療法の開発」 |
鈴木 洋(名古屋大学 大学院医学系研究科 附属神経疾患・腫瘍分子医学研究センター 分子腫瘍学 教授) |
30 | 疾患基礎研究プロジェクト 革新的がん医療実用化研究事業 「肺癌オルガノイドライブラリーを用いた肺癌フェノタイプ多様性を規定する分子基盤解明と新規治療標的同定」 |
安田 浩之(慶應義塾大学医学部呼吸器内科 准教授) |
31 | 医薬品プロジェクト 次世代がん医療加速化研究事業 「膵がん幹細胞表面に特異的に発現する分子に関する研究開発」 |
中山 敬一(東京医科歯科大学 高等研究院 特別栄誉教授) |
第14回(令和6年7月31日) | ||
32 | 医薬品プロジェクト 次世代がん医療加速化研究事業 「大腸がん幹細胞の未分化性維持に関与するキナーゼの阻害による分化誘導戦略の構築」 |
青木 正博(愛知県がんセンター 研究所 がん病態生理学分野 副所長兼分野長) |
33 | 医薬品プロジェクト 次世代がん医療加速化研究事業 「PAR1bを標的とした人為的 BRCAness(ブラッカネス)誘導によるがん種横断的な合成致死療法開発の研究」 |
畠山 昌則(公益財団法人 微生物化学研究会 微生物化学研究所 第3生物活性研究部 部長) |
34 | 医薬品プロジェクト 次世代がん医療加速化研究事業 「癌抑制ドライバー経路を標的とする抗癌剤開発」 |
鈴木 聡(神戸大学大学院医学研究科 分子細胞生物学分野 教授) |
第15回(令和6年10月30日) | ||
35 | 医薬品プロジェクト 次世代治療・診断実現のための創薬基盤技術開発事業 「国際競争力のある次世代抗体医薬品製造技術開発/革新的な次世代抗体医薬品製造基盤技術の開発(分子中に秘められた新規相互作用部位の探査と改変を通じた次世代抗体創成の基盤構築)」 |
谷中 冴子(大学共同利用機関法人自然科学研究機構 生命創成探究センター 創成研究領域 准教授) |
36 |
再生・細胞医療・遺伝子治療プロジェクト |
江良 択実(国立大学法人熊本大学 発生医学研究所幹細胞誘導分野 教授) |
※氏名が2名連名の場合、上段が発表者(研究開発分担者)で、下段が研究開発代表者です。
創薬ガイドブック(Ver.1.0)―Q&Aナレッジ集―
お問い合わせ先
国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)
創薬事業部 医薬品研究開発課
Tel:03-6870-2219
E-mail:flux”AT”amed.go.jp
※E-mailは上記アドレス”AT”の部分を@に変えてください。
関連リンク
最終更新日 令和6年11月26日