GEM Japan Clinical Genome Resource (ClinGen)

国(運営主体)

米国(NIH)

目的・目標

遺伝子や遺伝子変異(バリアント)と臨床症状との関連性を明確にした信頼度の高い知識データベースを構築し、精密医療や研究で使用することを目指す。このために、以下の主要な目標を掲げる。

  • 医師・研究者・患者が、統合されたデータベースを通じてゲノムおよび臨床データを共有し、医療ならびに研究に利用する。
  • 遺伝子や遺伝子変異をアノテーション(臨床的意義付け)し解釈するためのスタンダードを作り履行する。
  • データ標準・ソフトウェア基盤・コンピュータ環境を開発し、大規模なキュレーションやヘルスケアへの活用を行う。
  • エキスパートによる遺伝子や遺伝子変異の臨床的関連性に関するレビューを活性化させる。
  • ClinGenの知識やリソースをより広いコミュニティに広げて活用する。

概要

  • NIH傘下のNational Human Genome Research Institute (NHGRI) およびEunice Kennedy Shriver National Institute of Child Health and Human Development (NICHD) からファンディングを受ける。
  • キュレーションの対象は、遺伝子変異や遺伝子コピー数の増減と疾患との関連性、病原性を有する遺伝子変異の特定、さらには医療介入の可能性、など多岐に渡る。
  • ワーキンググループには、ステアリングコミッティを含む23のグループがあり、ELSI関連、遺伝子医療科学関連、インフォマティックス関連、などゲノム医療に関するトピックを幅広く取り上げガイドライン等の策定を行う。
  • エキスパートパネル(遺伝子:22、遺伝子変異:26)には、日本人を含む約1,200名の医師や研究者が参加する。
  • 患者向けポータルサイトGenomeConnectを通じて、患者が自らの病歴や遺伝子検査結果を登録し研究に参画する仕組みを備える。
  • ClinVarと密接に協働する。ClinVarは、遺伝子変異と疾患関連性に関する情報を集積する非制限公開データベースであり、ClinGenの重要な研究リソースとしての役割を担う。研究者はClinGenでキュレーションしたデータや知識をClinVarで共有できる。

現状・トピックス

  • データ(2019年12月時点):キュレーションした遺伝子数は1,725。
  • 2018年12月、FDAはClinGenのエキスパートがキュレーションした遺伝子情報を根拠のある科学的エビデンスとして初めて認定した。これにより、NGS技術を利用した遺伝子検査の開発を行う場合などに、ClinGenのデータを活用することで自前での科学的エビデンスの創出は不要とした。

基本情報

経緯

  • 2013年9月、NHGRIとNICHDからの年間25百万ドル(約27.5億円)のファンドにより始動
  • 2014年10月、患者向けサイトGenomeConnectを開設

連携機関、連携企業

GA4GHへの貢献

  • Work Streams: Clinical & Phenotypic Data Capture / Discovery / Data Security / Data Use & Researcher Identities / Genomic Knowledge Standards / Large Scale Genomics / Regulatory & Ethics
  • Tool Kits: Variation Representation, Data Model/Specification / Phenopackets / Breach Response Protocol / Genetic Variation File Formats / Phenotype Representation for Genomic Medicine and Research / Pedigree Representation / Variant Annotation: Data Model

Champion

  • Heidi Rehm (Broad Institute)

対象疾患・領域

Rare Disease

リンク

最終更新日 令和元年12月24日